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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第三章 隊長編

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41 幕間 悩める歌姫 2

 ~マライア・ヒューストン視点~


 そんなこんなで、不本意ながら竜騎士学校に入校することになってしまいました。

 伯爵令嬢である私は、普通なら自宅から通学するところですが、刑罰的な意味もあって、入寮することになりました。その寮というのが酷い所でした。

 食事は食事と呼べるものではなく、餌と言ったほうがいいくらいですし、部屋もボロボロでした。私には耐えられませんでした。


 私は歌手であって、竜騎士ではないのです。

 どうにかして、この地獄を抜け出さなければと思い、色々と調べました。そうしたところ、成績不良で退学になれば、竜騎士にならなくて済むようでした。その際には高額の授業料を支払わなくてはなりませんが、私が歌手として活動すれば、すぐに支払える額でした。

 私は心に決めました。その日から授業のすべてをボイコットすることにしたのです。


 これには学校側もかなり困ったようです。

 ダイアナは由緒正しい光竜で、その竜騎士である私を軽々に退学処分はできないようでした。その結果、私はクレーテという魚人族の少女と一緒にナウール王国に留学させられることになったのです。



 ★★★


 留学先は思った程、悪くはありませんでした。いえ、むしろ素晴らしい環境でした。

 基本的に単独行動で、色々な集落を巡り歌を歌って商品のPRをしたり、チャリティーコンサートを開催したりと歌手としての活動をさせてくれましたからね。

 食事も美味しく、また私のサポートをしてくれるケルちゃんという三つ首の可愛いワンちゃんは、非常に賢く、バックコーラスもできました。まさに痒い所に手が届くとはまさにケルちゃんのことでした。


 ケルちゃんは事前に訪問する集落の最新情報を教えてくれますので、それに合わせて曲を作ることができました。

 当然、集落は大盛り上がりでした。また気難しいドワーフにも私は受け入れられ、他の種族との交流を長い間絶っていたエルフにも可愛がってもらえました。

 まあ、エルフについては前族長のリリアーネ教官からマレドーラの武勇伝を聞いて歌にしたことが大きかったとは思いますわね。

 ただ、餓狼族の集落だけは、私よりもケルちゃんのほうが人気がありました。少し解せませんが・・・


 ここで少し、私の上司と同期生について話を致しましょう。

 同期生であるクレーテは魚人族が多く暮らすキーグ島で暮らすことになりました。彼女自身も魚人族で、英雄の如き扱いをされています。彼女のためにはそちらで暮らすほうがいいと思いますわね。


 そして隊長のカトリーヌ様ですが、私と同じく竜王国三大美少女の一角と聞いていたのですが、イメージとかなり違っていました。まあ、深くは触れませんが・・・

 彼女も彼女の専属メイドも料理が得意で、いつも美味しいお料理を提供してくれます。実家もそれなりに良い料理人を抱えていますが、彼女たちには敵わないかもしれません。特にアレコレと指示をされることはなく、好きに活動をさせてくれて感謝をしております。このまま、このような活動ができるのなら竜騎士になってもいいと思えますわね。


 最後にスピラ副隊長ですが、彼女もうるさいことは言いません。

 唯一された指示は「カトリーヌ様を美少女として扱うこと」でした。私も思うところはありましたが、理由を聞くことはありませんでした。

 それと彼女はかなり真面目です。

 通常業務と定期訓練以外にも毎日欠かさず個人訓練を行っています。彼女がなぜ、そんなに頑張るのか不思議でたまらず、ある時、そのことについて質問をしました。


「スピラ副隊長、なぜそこまで訓練に一生懸命なのでしょうか?」

「マライア、貴方にもいずれ分かるときがくるわ」


 その時、多くは語られませんでしたが、私は彼女の言ったとおり、すぐにその意味を理解しました。


 ある時、ステージ衣装に着替えていたところ、恐ろしいことが起こりました。


「き、きついですわ・・・」

『そういえば・・・最近、体が重いわ・・・』


 ステージ衣装が着られなくなるくらい太ってしまったのです。その事実を受け入れるのに3日は掛かりました。

 私はパニックになり、スピラ副隊長に相談をしました。


「私も経験があるからね。だから私とゲイルは個人で厳しい訓練をしているのよ。あの量の食事を毎食食べていたら、いくら代謝のいい竜騎士でもそうなるわよ」

「で、でも・・・カトリーヌ様の専属メイドのマリアさんは、きちんとカロリー計算されたバランスの取れた食事だと・・・」

「それはカトリーヌさんが徐々に瘦せていくように設計された食事ってことよ。それを私たちが同じように食べたら、どうなるか分かるでしょ?」

「そ、そんな・・・一体、私はどうしたらいいのでしょうか?」


 スピラ副隊長が言いました。


「選択肢は三つ。太ることを許容する。食事を制限する。食事のカロリーを上回る訓練をする」


 結局、私は訓練をすることを選びました。

 だって太ることは許容できませんし、美味しい料理は食べたいですからね。

 そしてその日から、私はスピラ副隊長と一緒に訓練をすることになりました。最初は全くついて行けませんでしたが、それでも一ヶ月も経つと何とかついて行けるようになりました。スピラ副隊長も褒めてくれます。


「これなら竜騎士学校に戻っても、十分にやっていけると思うわ」

「それは嫌ですわ。私は今の環境が気に入っていますから」


 こうして、日々の歌手活動の他に竜騎士としての訓練もするようになった私は、それなり充実した日々を過ごしているのでした。

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