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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊


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4 基礎実習

 本格的に竜騎士学校生活がスタートした。

 竜騎士学校のカリキュラムを簡単に説明すると在学期間は2年で、2年毎に開校される。なので、先輩となる学生は竜騎士学校に存在せず、在学している学生が卒業したら、新たな学生を受け入れるといった形になる。だから、ドラゴンと契約後2年以内に竜騎士学校に入校が義務付けられているのは、そのような理由があるからだ。

 このようなシステムになったのも、予算を最低限に抑えるためだ。講師の数も食堂や学生寮などの施設も必要最低限にしている。毎回30~100人の学生とドラゴンが入校するのだが、学生の数に合わせて、講師やスタッフの数を調整しているのだ。そして、入って来た学生の特性によって、毎回カリキュラムを変更しているそうだ。


 そうはいっても、最初の3ヶ月間のカリキュラムは大きな変化はない。基礎実習と呼ばれるものからスタートする。

 大きな特徴は、竜騎士は竜騎士、ドラゴンはドラゴンで実習を受けることが多いことだろうか。竜騎士の場合はほとんどが座学だった。竜騎士は強さだけでなく、多くの能力が求められる。なので、この期間に必要最低限の知識を詰め込もうという趣旨らしい。基礎実習の最後にはペーパーテストも行われ、あまりに成績が悪いと退校処分となってしまうそうだ。まあ、実際は補習やレポートで何とかなるようだけどね。


 基礎実習が始まり、数日が経った。

 正直に言うと、楽勝過ぎる。座学では王国の歴史や軍略の基本、一般教養が中心となるのだけど、どれも2年間の修行で習った内容で、復習をしているだけのように感じられた。また、ドラゴンとの実習も意思疎通の練習や本当に基礎的な飛行訓練ばかりで、ただ上昇して下降するだけのものだった。実習中にデミドラが念話で話し掛けてくる。


『なんだか退屈だわ・・・寝ちゃいそう』


「デミドラ!!いくら簡単な実習だからって、そんなことをしたら駄目よ。私たちは国を背負って立つ竜騎士とそのドラゴンなんだからね。何事も真面目に取り組む姿勢が大事よ」


『カトリーヌは真面目ね。まあ、我慢はするけど・・・って、それより、何か食べたいわ』



 実習はマナー関係も多い。

 竜騎士は王族や上級貴族が主催するパーティーに出席することも多いし、護衛などの任務で外国に行くことも多々あるから、最低限のマナーは身に付けなければならない。そこで推奨されるのは、お茶会だ。

 私も過去に何度か主催したこともあるので、特に上級貴族はお茶会を主催することを求められている。平民であれば、自分が主催することはないが、公爵家の令嬢である私クラスになると竜騎士になってもお茶会を主催しないといけないことも多いと思って、週に1回か2回は開催することにした。


 毎回参加者は多い。平民が中心だけどね。

 多分、平民の竜騎士も私とスピラが仲がいいことを知っているから参加しやすいのだろう。それに何たって私は美少女だからというのも大きいのだろう。これが貴族になると私の実家が公爵家であるし、お父様の溺愛ぶりを知っているから、何か実家にも迷惑が掛かると思って参加しない者もいるのだろう。


 しかし、このお茶会がきっかけで、思わぬトラブルが起こることになった。

 ある日、エリザベート王女から呼び出しを受けてしまった。


「カトリーヌさん、一体これはどういうことかしら?私のお茶会に対抗するように同じ日にお茶会を開いてくれて・・・それにグラース王子がそちらに行くなんて・・・」


 グラース王子というのは、ナウール王国からの留学生だ。

 竜王国だけでなく、他国でも竜騎士は存在する。ナウール王国は小国で、侵略国家のモダリア帝国と国境を接しているため、我が竜王国に庇護を求める意図もあるのだろう。グラース王子はドラゴンではなく、グリフォンに騎乗しているのに無理やり入校するなんて、そうした思惑が透けて見える。

 そしてグラース王子だが、金髪青目のイケメンだ。エリザベート王女が熱を上げるのもうなずける。私とエリザベート王女を比べると容姿だけで言えば、私を選んでしまうだろう。エリザベート王女も美少女だが、私に比べると見劣りするからね。


「そういった意図はありませんわ。偶々です」

「そんなはずはないわ!!お茶会とは思えないくらい大量の料理で平民を手懐け、更にグラース王子までも・・・」

「王女殿下、現実から目を背けてはいけませんよ。いくら王族であらせられても、勝てない人はいるものです。特に容姿などは持って生まれたもので、努力しても埋まらない差はありますわ」

「何を失礼な!!貴方は、鏡で自分の姿を見たことがありますの?」


 そう言うとエリザベート王女は怒って去ってしまった。

 多分、アレだ。小説などでよくある、美少女の主人公が謂れなき誹謗中傷を受けるといったパターンだろう。お父様にも注意されたことがある。


「カトリーヌの美貌に多くの女性が嫉妬するだろうが、気にすることはない。堂々としていなさい」


 まあ、気にしないことにしよう。



 ★★★


 そして基礎実習も終わりを迎え、試験も行われた。

 ここでも試験の結果で、エリザベート王女にお叱りを受けた。というのも試験結果がエリザベート王女が受け入れがたい結果になったからだ。私が1位なのは言うまでもなく、何と2位がエリザベート王女を抑えて、スピラになってしまった。更に3位のエリザベート王女の後には平民の竜騎士の名前が続く。


 これには訳がある。

 試験のことで悩んでいたスピラから相談を受けた。スピラだけでなく、多くの平民の竜騎士が試験に不安を感じていたのだ。それはそうだろう。王国史なんて、普通に平民として生きていれば、全く必要ないからね。そこで私はこう言った。


「だったらみんなで合宿をしましょう。美少女で、勉強の得意な私が教えて差し上げますわ!!」


 そして、スピラを含む平民の竜騎士15名を自宅に招き、3泊4日で合宿を行った。丁度試験休みがあったからね。そして、相棒であるドラゴンも連れて来てもらった。勉強についてはお母様が元部下に指示を出し、過去20年分の試験問題を入手し、更に専門の分析官も招聘して予想問題を作成させた。これが功を奏して、ほとんど問題が的中したのだった。


 私としては、それよりもスピラを含めた友人たちと寝食を共にすることが嬉しかった。この日の為にシュワーフとシュネールも張り切って魔物を狩り、食材を集めていたし、料理人も腕によりをかけて料理を作ってくれた。ドラゴンにもウケがよく、デミドラはちょっとした女王様気分を味わっていた。


 そんなことを思っている間にエリザベート王女のお説教は終わっていた。


「カトリーヌさん!!キチンと反省して、今後はよく考えて行動してください!!」


 大股で怒りながら去って行くエリザベート王女に礼をしながら見送る。


 私はこのとき気づいていなかった、これが原因で、大変な事態を引き起こすことになると。

 そのとき頭の中にあったのは、昼食に何を食べるかだった。

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