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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第三章 隊長編

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39 魚人族の島 3

 一夜明け、私たちは正式に魚人族の族長であるフィッシャーと会談をすることになった。

 サンドラ王女が改めてここに来た経緯を伝える。


「・・・説明しましたとおり、我が国は国策として交易活性化を掲げております。是非、魚人族にもその輪に加わってもらいたいと思っているのです」

「それは有難い話ですだ。しかし、こちらには売る物がないですだ」

「そんなことはありませんよ。魚介類はもちろんですが、養殖されている真珠は他国でも高値で取引されていますからね」

「そ、それが・・・」


 フィッシャーが言うには近年、急激に海の魔物が増え、真珠の養殖はほぼ壊滅状態で漁についてもだんだんと漁場が狭まっているそうだ。


「安全な所でしか、女子供は漁をさせられませんだ。マーラたちがあそこで漁をしていたのも、安全だと思っていたからですだ。あそこでも漁ができないとなると・・・」


 サンドラ王女が私を見てくる。もちろん、サンドラ王女の意図は理解している。


「では私たちが何とかしてみせましょう。いいわね?スピラ、クレーテ」


「もちろんよ」

「はい!!ですだ」



 それから2週間、私たち3人は魔物を狩り続けた。

 途中、急遽の配達任務が入ったりして、キーグ島を一時的に離れることはあったけど、それ以外は島で生活をしている。


 クレーテはというと、まさに水を得た魚状態だった。自信を取り戻し、積極的に魔物を狩っている。

 当然、同じ魚人族であるクレーテの活躍に住民は大喜びだ。ホーンシャークの群れから助けたマーリなんかは、クレーテの弟子を自称して、クレーテのことを師匠呼びしている。


「クレーテ師匠、食事の準備ができましただ」

「マーリ、オラは師匠じゃないだ。それにオラが教えても竜騎士になれるかは分からないだ」

「それはそれで構いませんだ。クレーテ師匠は漁の技術も高いので、その辺も教えてもらいたいですだ」

「漁なら少しは教えられるだが・・・」


 2週間も経つと、クレーテを慕う子供たちはマーリだけに留まらず、多くの子供たちがクレーテを「師匠」呼びするようになってしまった。

 クレーテはと言うと、少し困惑しているけど、それでも少し嬉しそうだ。



 ★★★


 キーグ島にやって来て3週間、ある程度落ち着いたところでサンドラ王女がやってきた。

 同行しているのは商人のタヌーカさんとそのスタッフ。そして我が部隊の隊員で留学生であるマライアとそのドラゴンのダイアナもやってきた。

 サンドラ王女から今後の方針を伝達される。


「ホーンシャークの角は高額でドワーフが買い取ってくれたわ。それを加工した物は他国にかなりの高値で売ることができたの。その収益をこちらに持って来たのが、メインの訪問理由ね」

「それは嬉しいかぎりですわ。魚人族たちも喜ぶでしょう」

「そうね。今後の運用だけど・・・」


 今後はここを離れて私とスピラは通常業務に戻ることになるそうだ。


「流石に二人がいないとタヌーカさんも困っているからね。それとクレーテだけど、本人がよければ、こちらに残って、引き続き漁場や養殖場の見回りをしてもらいたいのだけど」

「分かりました。確認を取ってみますわ」


 クレーテに確認を取ると、二つ返事でこの島に残ることになった。


「頑張って漁を手伝ったり、見回りを頑張りますだ」

「それで週に一回は私の所に報告書を作成して持って来てもらうわ。今でも買い出しや商品の納入で王都に来ているから、それに合わせて提出してもらえればいいわ」

「分かりましただ。報告書を書くのは苦手だけど、頑張りますだ」


 クレーテとカメールはもう心配はないだろう。

 自信もついたし、水中戦ではまず負けることはない実力もある。このまま経過観察を続けていくことにした。


 続いてマライアだが、彼女の作成した報告書を見ながらケルとタヌーカさんに質問する。


「この報告書のとおりで間違いないでしょうか?」


「間違いないね。竜騎士としてはどうか分からないけど、歌手としては一流ね。頭もいいし、こちらが売りたい商品をさり気なくPRしてくれたり、聴衆に合わせた曲を選択するしね。このままただ同然で使えるなら、こちらは大助かりだよ」


「私も同じような見解です。ただ、もうバックコーラスはしたくないのですが・・・」


 ケルが言うには、バックコーラスを辞められなくなったという。

 優秀なケルはバックコーラスをそつなくこなしていた。また、餓狼族の里で歌った際、餓狼族から大絶賛され、毎回メインコーラスをしなければならないらしい。そんな状況なので、辞めるに辞めれなくなったようだ。


「最近ではマライアのレッスンも厳しくなりました。いつも『生半可な気持ちで、メインを張るなんて許しません。練習あるのみですわ』と言われてます。どうしたものか・・・」


 ケルは困っているようだが、悪い評判は立っていないようだ。


「竜騎士としてはどうなのかと思いますが・・・役に立っているのなら、悪い事ではないような気もしますね」

「私としては、このままの活動を続けてもらって、後は国に判断を任せるのがいいと思うよ」

「そうしましょう。申し訳程度に週一回くらいは訓練をさせようとは思いますが・・・」


 そんな話をしているうちにサンドラ王女を歓迎する宴が始まってしまった。

 広場の中央では、マライアが自慢の歌を歌い、その後ろでダイアナが光魔法でいつもの演出をしている。


「英雄クレーテは~♪ホーンシャークに~♪たった一本の銛で~♪」


 この集落ではクレーテが絶大な人気を誇っていることをリサーチしていたみたいで、即興でクレーテの英雄譚を謳っている。

 クレーテはというと、少し恥ずかしそうにしていた。


「オラはそこまでキザなことは言ってないだ。恥ずかしいだ」


「そんなことはないですだ。師匠は凄いですだ」

「いい歌ですだ」

「オラも歌になるくらいの竜騎士になりたいだ」


 クレーテの自称弟子たちは喜んでいたけどね。

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