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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第三章 隊長編

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38 魚人族の島 2

 私たちに迫って来たのは、角の生えたサメ型の魔物、ホーンシャークの群れだった。

 大きな群れともなると、大型帆船にも被害が出るくらいの危険な魔物らしい。サンドラ王女が叫ぶ。


「カトリーヌさん、クレーテさん!!早く上空に避難して!!」


 私とデミドラが上空に避難しようとしたところ、クレーテとカメールは猛然と群れに向かって泳ぎ出した。


「クレーテ!!早く避難しなさい!!」

「カトリーヌ様、それはできないですだ!!漁船が襲われていますだ!!」


 よく見ると、小さな漁船がホーンシャークの群れに取り囲まれていた。群れの数は約20匹ほどだ。


「仕方ないわね・・・デミドラ、やるわよ」

『そうね。ホーンシャークの卵は高級食材って聞いたことがあるわ』

「だったら、なるべく奇麗に倒しましょうね。ブレスは禁止ね」

『分かってるわよ』


 私とデミドラもクレーテたちの後を追う。

 途中、ハルバードで何匹かホーンシャークを切り裂いた。上空にいるスピラに指示をする。


「スピラ!!回収しておいて!!魚人族へのお土産になるわよ」

「そ、そうね・・・」


 クレーテはというと、上手く(もり)を使ってホーンシャークを撃退していたし、クレーテも水流ブレスを吐いて漁船に近づけさせないようにしていた。

 漁船には、魚人族の少女が乗っていた。少女に声を掛ける。


「もう大丈夫ですわ。安心してください」


 すると少女が泣き崩れた。


「母様が・・・母様が・・・」


 落ちつかせて事情を聞くと、少女と少女の母親はここで素潜り漁をしていたようだ。

 少女が船に戻り、休憩していたところホーンシャークの群れに襲われたようで、母親は未だに海底から戻って来ないという。


「だったらすぐに助けにいきますだ。カメール!!」

『分かったよ。すぐ行こう』


 カメールとクレーテはすぐに潜水を始めた。私とデミドラも後を追う。

 30メートル程潜ったところで、少女の母親らしき漁師を発見した。今もホーンシャーク3匹と格闘している。

 そこへクレーテとカメールが急接近し、死角からクレーテが銛でホーンシャークを貫いた。


 漁師は安堵の表情を浮かべ、何やらハンドサインのようなものを出していた。

 カメールが念話で意味を教えてくれる。


『お礼を言っているよ。それと「娘は無事か?」って言っている。クレーテが「無事」とハンドサインで答えているよ』

『ありがとう、カメール。すぐに浮上しましょう』


 漁船に戻ると、サンドラ王女とスピラが残りのホーンシャークを片付けてくれていた。

 母親がお礼を言ってくる。


「竜騎士様、本当にありがとうございますだ!!オラはマーラ、こっちは娘のマーリですだ。マーリ、お礼は言っただか?」

「あ、ありがとうございますだ」

「ところで、アンタたちはなぜここにいらしただ?」


 サンドラ王女が代表して事情を説明する。


「私は第一王女のサンドラです。海の魔物が増えたことで魚人族との交流が途絶え、心配になって視察に来たのです。できれば、以前のように交易をしたいと考えています」

「それは有難いですだ。オラの夫は族長ですだ。すぐに歓迎の宴を開くように言いますだ」


 それから私たちは討伐したホーンシャークをできるかぎり集め、血抜きなどの最低限の処理をする。

 そして、マーラの案内の元、魚人族の集落に向かうことになった。向かう途中、娘のマーリはクレーテに懐いていた。


「竜騎士様も魚人族ですだ?」

「そうだ。オラは竜王国のカーゴ村の出身だ」

「魚人族も竜騎士になれるなら、オラも竜騎士になりたいだ」

「それにはドラゴンと契約しないと駄目だ。オラは運が良かっただけだ」

「でも凄いですだ」


 クレーテも満更ではなく、嬉しそうにしていた。


 ★★★


 魚人族の集落に着くと総出で大歓迎された。

 すぐに族長のフィッシャーがお礼を述べてきた。


「サンドラ王女、それに竜騎士様方。本当にありがとうございますだ。お陰で妻と娘が助かりましただ。難しい話は後にして早速、宴を開きますだ」


 サンドラ王女も答える。


「突然の訪問ですのに温かく迎えてくれましてお礼を言います。マーラさんとマーリさんを助けたのは、本当に偶然ですから気にしないでください。それと討伐したホーンシャークはそちらにお渡しします。宴の料理に使ってください」

「こ、こんなに大量に!?それは有難いですだ!!」


 私も魚人族に教えてもらいながら料理を手伝う。

 料理をしている時、クレーテが嬉しそうに話し掛けてきた。


「ホーンシャークは少し臭みがあるので、オレンジの葉っぱを一緒に煮込めば、臭みが消えますだ」

「よく知っているのね?」

「故郷ではよく料理をしていましただ。この島で獲れる魚なんかは故郷と同じ物が多いですだ」

「そうなの?だったら、クレーテの故郷にも行ってみたいわね」

「是非、来てくださいだ」



 魚人族は皆が気のいい者たちばかりだった。

 すぐに打ち解ける。クレーテはというと、大勢の子供たちに囲まれて、マーラとマーリを救出した話をせがまれていた。

 それを遠目に見ながらスピラが言う。


「この島ならクレーテも自信を持って、任務に当たれるわね」

「そうね。その方向で考えてみようと思うわ」

「それがいいわね。彼女も楽しそうだし」


 こうして夜は更けていった。

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