表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第三章 隊長編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/53

36 新たな任務 2

 マライアとダイアナに全くやる気がないことが、私の部隊に配属された原因らしい。

 私が困惑していると、バラック教官が詳しく説明してくれた。


「まず、マライアの生い立ちだが・・・」


 マライアはヒューストン伯爵家のご令嬢だ。

 ヒューストン伯爵家は代々儀礼大臣を務めてきた家系で、分家筋も多くの優秀な文官や著名な芸術家を輩出している。力こそパワーが信条の竜王国にあって、稀有な家系だと言える。

 そんなマライアだが、幼少期から歌の才能が開花した。専門家が言うには、歌に魔力を乗せることができ、聴衆を元気にしたり、逆に少し悲しい気持ちにしたりできるようだった。


 マライアは、将来は歌手として身を立てようとしていた。当然、竜騎士になろうなんて思ってもみなかった。しかし彼女が13歳の時、転機が訪れた。ダイアナが屋敷の庭で歌を歌っていたマライアの歌を気に入り、勝手に契約を結んでしまったようだ。


「ダイアナは光竜の純血だ。当然だが、王家直轄の飼育員が丹精込めて育て、ダイアナに騎乗する竜騎士も厳しい選抜試験が行われている最中だった。しかし、気まぐれなダイアナはマライアと勝手に契約を結んでしまったんだ。これが竜騎士の家系の者なら、そんなことにならなかっただろうが・・・」


 ドラゴンと契約を結ぶ意味や重要性については、竜騎士の家系でなければ理解できないことも多い。

 スピラや他の平民の竜騎士も竜騎士学校に入校するまでは、事の重大性に気づいていなかったしね。


「それで法律上は、ドラゴンと契約を結んだ者とそのドラゴンは竜騎士学校に入校が義務付けられている。マライアも断ることはできないから、入校するだけはしたんだが・・・」


 入校当初から全くやる気がなかったらしい。

 担当教官が「真面目にしなければ退校処分となり、高額な授業料を支払わなければならない」と指導したのだが、あろうことかマライアは、こう言ったそうだ。


「私が公演を開けば、すぐにそれくらいの額は稼げますわ。今すぐにでも退校処分にしてくださいまし」


 流石にこんなパターンは、学校側も想定していなかったらしい。

 当然、彼女をどうするかで、会議が開かれた。やる気が全くない竜騎士が一緒では、他の学生に悪影響が出るし、退校処分にしたところでマライアにとってみれば、願ったり叶ったりだ。


「それでグラース王子の提案もあり、ナウール王国に留学させることになったんだ。お前やスピラの成功例もあるしな」

「事情は理解しましたが・・・」


 どうやら私が面倒を見なければならないのは、落ちこぼれの学生二名のようだった。


「それでその他の隊員はどうなるのでしょうか?」

「今のところ、クレーテとマライアだけだ。ああ・・・一応エルフのリリ様とマレドーラが顧問という役職で籍は置いているが・・・まあ、期待はするな」


 グラース王子が言う。


「そういった状況だから、ナウール王国での任務も今までと大して変わらないと思う。今までどおり、よろしく頼むよ」

「は、はい・・・」


 今後、この部隊をどうしていけばいいのだろうか?


 スピラも同じ思いだったようで、青ざめている。

 そんな私たちの気も知らないで、クレーテは一心不乱に料理を食べているし、マライアは聴衆のアンコールに応えている。


「カトリーヌさん、これからどうしようか?副隊長ってだけで、不安だし・・・部隊員は卒業前の学生しかいないし・・・」

「何とかしなければならないわね。まあ、でも今日はしっかりと料理を食べましょう。せっかく料理長が腕によりをかけて作ってくれたんだからね」

「そ、そうね・・・」


 私は不安をかき消すように一心不乱に骨付き肉にかぶりつくのだった。



 ★★★


 実家には1週間滞在した。そして、今日ナウール王国に再び旅立った。

 あの時と違うのは、仲間が増えたことだ。私たちの傍らをダイアナに乗ったマライアが飛んでいるし、マリアがペガサスに乗って同行している。そしてクレートとカメールはというと、私と一緒にデミドラに乗っている。


「申し訳ないですだ・・・カメールは飛ぶのが苦手で長距離飛行は無理ですだ・・・」

『ご、ごめんなさい・・・』


「気にしなくていいわ。デミドラにとったら、全然平気よ」

『余裕よ。気にしないで』


 そうは言ってみたが、クレーテとカメールは恐縮しきっている。


 マライアはというと・・・


「私たちの荷物を運んでいただき、感謝しておりますわ。ステージがありますし、イメージがありますから、ダイアナには荷物を乗せて飛ばせたくありませんの」

『そうね・・・ステージに立つ私たちが荷運びなんて、似合わないしね』


 話を聞くかぎり、ナウール王国での配達業務なんて拒否するだろう。

 そうなると運用が難しい。側で聞いていたスピラが近寄ってきた。


「何もしなかったら、留学先でも流石に良くないと思うんだけど・・・」

「まあ、少し考えましょう・・・」


 私たちは不安を胸に、再びナウール王国へ向かうのだった。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ