表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第一章 学生編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/55

33 幕間 マリアのダイエット記録 2

 ~専属メイド、マリア視点~


 お嬢様がナウール王国へ留学することが決定し、有難いことに私はお嬢様に同行して専属メイドを続けることを許可された。多くの使用人たちからは羨ましがられた。

 そんな私に密命が下った。


 メイド長に呼び出され、会議室に向かう。そこにはメイド長だけでなく料理長、それに執事のガイゼル様もいらっしゃった。

 メイド長が言う。


「マリア、貴方に辛く厳しい仕事をしてもらわなければなりません。指示する私たちも心苦しいのですが・・・」


 私に下された密命はお嬢様の体重管理だった。

 ガイゼル様が言う。


「私を含め、多くの使用人たちがお嬢様に厳しくすることができない。そんな中、君だけは心を鬼にしてお嬢様を諫めていた。私たちは君を評価している」


 詳しく聞くと、お嬢様の進級試験の際に厳しく食生活を管理したことが評価されたようだ。


「このままだとお嬢様は美少女ではないと自覚されてしまうかもしれない。そんなことになれば、お嬢様は大変ショックを受けられるだろう。そんなことは誰も望んでいない」

「絶対にお痩せになればお嬢様は美少女なのです。だから、この留学をきっかけに・・・」


 お嬢様を甘やかす公爵様夫妻や使用人がいない環境なら、お嬢様は健康的に痩せられると考えたようだ。

 メイド長たちの計画では、留学から帰ったお嬢様がお痩せになり、正真正銘の絶世の美少女として凱旋する。そしてお嬢様の美しさと素晴らしさを国中に知らしめるというものだった。


「そ、そんな・・・私には無理です・・・」


 難色を示す私にガイゼル様が言う。


「選定の儀の屈辱を忘れたのか?」

「そ、それは・・・」


 絶対に忘れることはできない。

 お嬢様の姿を見て落胆し、嘲笑する貴族たちを未だかつて忘れたことはない。


「分かりました。私も心を鬼にして頑張ります。それで具体的には?」

「それは俺に任せろ。秘伝のレシピから最新の魔法薬学の知識まで、短期間で指導してやる。ただ、厳しいぞ」


 職人気質の料理長が言った。

 この料理長は腕は確かだが厳しく、弟子にも指導なんてものはしない。盗んで覚えろが信条だ。ただ、この料理長から直接指導を受けられるなんてと、泣いて喜ぶ料理人は多くいる。それくらいに腕はいい。


 次の日から通常業務に加えて、料理長の厳しい指導が始まった。

 指導は厳しかったが、料理長のお嬢様への愛情が伝わってくる。


「いくらカロリーを抑えるためとはいえ、味を落しては駄目だ。それに食べ応えも必要だ。どうしても無理なら彩りを工夫して・・・」


 必死で指導についていく。

 そのお陰で料理長にお墨付きをいただくことができた。


「このまま修行すれば、俺の後継者に指名してもいい。料理人の道を歩まないか?」

「申し訳ありません。私はお嬢様の専属メイドですから」

「そう言うと思ったぜ。しっかり頑張れよ・・・俺たちの分まで」


 こうして私は決意を胸にお嬢様の専属メイドととして、ナウール王国へと旅立った。



 ★★★


 私は基本的にお嬢様の食事を3食お作りする。いや・・・5食か・・・

 日中はお嬢様と別行動なので、お弁当と間食を作る。間食も甘さを抑え、栄養にも気を遣っている。最初の頃は幾分か、ほっそりされた。

 しかし、ある時期から一向に痩せなくなってしまった。私はパニックになった。


 何がいけなかったの?

 計算上は半年もすれば、お嬢様は目に見えて痩せるはずなのに・・・


 慌てて急用ができたと言って、料理長の元を訪ねた。


「なるほど・・・これは俺の勘だが、間違いなくお嬢様は間食をしている。それも大量にだ」

「い、一体誰が・・・」


 日中以外は常にお傍にいる私は、日中に誰かがお嬢様に食べ物を与えていると考えた。タヌーカさん?サンドラ王女?スピラさん?

 しかし、基本的に三人は別行動だ。だったら・・・


 私は日中もお嬢様に張りつくことを考えた。しかし、私にはお嬢様と同行する足がない。

 途方に暮れていたところ、老竜のマレドーラに声を掛けられた。私はこれまでの経緯を相談した。


『なるほどのう・・・だったら儂に任せるのじゃ。ちょっとついて来い』


 マレドーラは私を厩舎に連れていった。そしてペガサスを脅した。


『マリアのペガサスになる者はおらんか?誰もおらんようなら、全員食い殺すぞ』


 ペガサスは怯えきっていた。その中でリーダー格のペガサスが歩み出た。自分が犠牲になるという素晴らしい心構えを持っていた。


『マリアよ。これでずっとお嬢様のお傍に居られるだろ?』

「はい!!ありがとうございます。絶対にお嬢様を美少女にしてみせますからね」

『まあ、儂は今のままでもカトリーヌは可愛らしいと思うがのう』

「それは私も同じです」



 お嬢様と同行するようになって、原因が分かった。

 獣人の集落やドワーフの里、町の市場など行く先々でお嬢様は食べ物を貰っていた。お嬢様の中では間食ではなく、試食だったようだ。

 それに市場の者に聞いたところ、お嬢様が美味しそうに食べるだけで、売り上げが上がるそうだ。それはそうだろう。お嬢様は愛らしいからね。


 そんなお嬢様の間食を止めるのは、本当に胸が締めつけられる。

 でも心を鬼にする。お嬢様の美少女への道は始まったばかりだ。



 ★★★


 私の努力の甲斐もなく、任務は失敗した。帰国が大幅に早まったからだ。

 全然変わらない・・・いや、むしろ少しふっくらした。お嬢様がご実家にお戻りになられた時、私は覚悟を決めた。もう既に辞表は用意していた。


 出迎えられた公爵様と奥様がカトリーヌ様を抱きしめた。


「ああ・・・カトリーヌ!!こんなにやつれてしまって・・・」

「辛かったのね・・・早く宴の準備をしなさい!!」


 すぐに豪華な料理が運ばれてきた。

 そんな光景を見ていた私は自然と涙が溢れてきた。もう、お嬢様にお仕えすることができないと思ったからだ。


 しかし、意外な事が起きた。

 メイド長やガイゼル様が私の労をねぎらってくれた。


「マリア・・・貴方も辛かったでしょう・・・よくやりました」

「うむ・・・予想以上の成果だ。しかし、連日このような食事だと、また元に戻るやもしれんな」


 どうやら、かなり痩せた扱いをされているようだ。

 私はというと、引き続き任務を続けるようにと指示され、ボーナスまで貰った。


 しかし私は納得していない。

 お嬢様はもっと美しく、愛らしくなれるはずだ。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ