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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第一章 学生編

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31 エルフの里

 ナウール王国に来て、3ヶ月が経過した。

 最近ではスピラと別行動になることが多い。というのも、私とデミドラが物資の運搬がメインになり、スピラとゲイルが注文や手紙の配達などの急ぎの案件を担当しているからだ。朝食と夕食は一緒に取るのだけど、訓練日や竜騎士学校へ送付する報告書の作成以外はほとんど一緒に行動しなくなった。


 また、変わったところでいうと、メイドのマリアがナウール王国からペガサスを貸与され、自力で私たちについて来るようになった。ペガサスもマリアに懐いていて、ヘクター王配殿下が言うにはペガサスライダーの素質があるとのことだった。


「ペガサスは念話ができないから、普通の馬と同じように丁寧に接する必要があるんだ。それでいうとマリアさんは誰よりも丁寧で愛情を持って接していたからね。それにドラゴンたちと仲が良いことも大きい」


 マリアに聞くと、驚きの答えが返ってきた。


「私も何とかお嬢様と一緒に行動したいと思い、マレドーラにお願いしたんですよ。詳しくは言えませんが・・・」


 厩舎のスタッフに聞いたところ、マレドーラが半ば脅したようだった。

 そのマレドーラはというと、ナウール王国に来てからも悠々自適に生活している。偶に狩りに行って、美味しいお肉やフルーツを持ってきてくれる以外は、大半は寝て過ごしている。本人曰く、「老い先短い老竜じゃからな」とのことだった。


 こちらの生活にも、それなりに慣れた頃、私たちはサンドラ王女に呼び出された。


「実はカトリーヌさんたちに同行してもらいたい場所があるのよ。それは・・・」


 サンドラ王女が言うには、エルフの里に一緒に行ってほしいとのことだった。

 エルフは他の種族とほとんど交流しないことが有名だ。理由はよく分からないが、一説によると他の種族と寿命が違い過ぎるからというのが大きいようだ。


「獣人の里の市場が予想以上の収益を上げたことで、街道を整備しようという話が持ち上がったのよ。いつまでもカトリーヌさんたちに頼りっきりでは流石に駄目だからね。それで街道の整備となるとエルフの管理する森も街道が通るようになる。エルフが街道整備を認めるとは思えないけど、一応話はしないとね」


 できればエルフの管理する森を通過するルートで街道を整備したいようだが、エルフが承認しなければ、森を迂回するルートになってしまう。そうなると、馬車で約3日余分に掛かってしまうようだ。予算も無限にあるわけではないし、商売で3日の差は大きい。


 そういった事情で、私たちはエルフとの交渉が上手くいくように作戦を練る。

 私はというと、獣人の里やドワーフの里に訪れて、エルフの気に入りそうなお土産を探すことになった。獣人の里では、いつもどおり熊獣人や狸獣人を中心に私は大人気だった。エルフへのお土産の話をすると、様々な食べ物を渡してくれる。


「竜騎士のお嬢ちゃん。どんどん食べてくれ。この味ならエルフも気に入るだろうしな」

「ありがとうございます。それではおかわりを・・・」


「お嬢様!!その辺で・・・」


 マリアに止められる。


 続いてドワーフの里では、大量の果実酒を渡された。

 対応してくれたドワーフが言う。


「エルフが作った果物が俺たちドワーフが作った火酒と合わせると、旨い果実酒になる。それが分かれば取引きに応じてくれるんじゃないのか?まあ、そういうことだから、お嬢ちゃんは飲んで行きなよ。つまみもいっぱいあるからな」


「お嬢様!!」


 これもマリアに止められた。

 多分、マリアは私に変な男性が近寄らないようにと思ってのことだろう。マリアの考えというよりは、お父様やお母様の指示なのかもしれない。



 ★★★


 数日後、エルフへのお土産も用意した私たちは、エルフの里へと向かった。

 今回はなぜか、マレドーラも同行することになった。普段はずっと寝ているのに、エルフの里には興味があったようだった。

 向かう途中、マリアが伺いを立ててきた。


「ご実家から贈っていただいた食品については、エルフにお土産で渡すということでよろしいでしょうか?」

「そうね・・・そうしましょう。エルフもきっと喜ぶと思うわ」

「分かりました。ではそのようにさせていただきます」


 私がナウール王国に来てから、実家から多くの食料が届く。

 マリアも月に何回かは実家に報告のために帰っているのだけど、その度にお土産を持たされているそうだ。みんなが心を込めたものを贈ってくれるので、いつも美味しくいただいている。


 エルフの里に到着すると、多くのエルフに取り囲まれた。

 中には弓を番えている者もおり、それだけで歓迎されていないのが分かる。しばらくして、エルフの族長が現れた。美しいエルフの女性だった。


「危険はない!!落ち着け!!」


 サンドラ王女が挨拶をする。


「お久しぶりです、リリアーネ族長」

「サンドラ王女か・・・大きくなったな。それでこんな大勢でどうしたのだ?里の者たちが驚くのも無理はない」

「これには事情がありまして・・・」


 サンドラ王女がここに来た経緯を説明する。


「そちらの事情は分かったが、我らが積極的に交流することはない。街道についてだが、検討はする。あまり里の近くは通してほしくないしな」

「そうですか・・・」


 予想通り、エルフとの交易はできなかった。しかし、街道についてはまだ、交渉の余地があるようだ。

 そんな時、マレドーラが私たちに遅れてやってきた。途中で珍しいフルーツを見つけたから、採取してから合流したのだった。

 マレドーラは私たちの所に降り立つと、いきなり念話でエルフ族長に話し掛けた。


『久しぶりじゃな、リリ。それにしても見違えたな。おねしょが治らない小娘だったのにな』

「もしかして、マレドーラ!?会いたかった・・・」


 エルフの族長はマレドーラに抱き着いた。

 一体どういうことだろうか?

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