表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第一章 学生編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/52

24 ナウール王国へ

 ナウール王国へ向かうのは私とスピラ、そして専属メイドのマリア、それになぜかハワード家の老ドラゴンで生き字引のマレドーラがついて来ることになった。マレドーラに尋ねる。


「マレドーラはどうしてついて来ようと思ったの?」

『まあ、年寄りの気まぐれと思ってくだされ。それにまだまだお嬢様やデミドラとは一緒にいたいからのう』


 よく分からない返事だったが、マレドーラが私たちのことを大切に思ってくれている気持ちは嬉しい。そして忘れてはならないのは、ケルベロスのケルだ。


「ナウール王国は交易が盛んですからね。私を嵌めた奴の情報も得られるかもしれませんしね」


 私の従魔なので、もちろん留学が認められた。


 まず、私たちが向かったのはナウール王国の王城だ。案内は、この日のために特別休暇で引率を買って出てくれたグラース王子だ。グリフォンのグリーに騎乗したグラース王子を先頭に飛行して王城の広場に着陸した。


「謁見にはデミドラやゲイルを連れていけないから、グリー!!デミドラたちを厩舎に案内してあげて!!ここの厩舎は色々な騎獣が居て、設備も充実しているんだ。温泉もあるからデミドラたちはゆっくりするといいよ」


「「キュー!!」」


 デミドラとゲイルは喜びの鳴き声を上げた。


 デミドラたちとは一旦別れ、謁見の間に進む。玉座に座る女王に挨拶をする。綺麗な顔立ちに年齢の割に整ったスタイル、グレース王子によく似た女性だった。


「竜王国ドラーゴ、ハワード公爵家が長女のカトリーヌ・ハワードでございます。この度は留学という形で私たちの落第を救ってくださいまして、誠にありがとうございます」


 緊張した様子でスピラも挨拶をする。


「す、スピラです。留学させていただいて、ありがとうございます」


 女王も答える。


「お礼を言うのはこちらのほうですよ。日頃からグラースがお世話になっています。女王のメアリー・ナウールです。そしてこちらは・・・」

「グラースの姉のサンドラよ。話は聞いているわ。留学に関する責任者は私だから、遠慮なく言ってね」


 きっちりとした女王とグラース王子とは対照的にサンドラ王女は自由奔放な印象を受ける。儀礼的なことはすぐに終了し、別室でお茶を飲みながら、今後のとこについて話すことになった。

 サンドラ王女が言う。


「グラースから聞いていると思うけど、この国は多民族国家なのよ。まあ、国の成り立ちからしても少し特殊だし、多民族国家ならではの問題も抱えているわ」


 留学にあたり、私とスピラはナウール王国について勉強していた。

 ナウール王国は獣人や亜人の割合が多い。半数以上がそれである。建国については丁度200年程前、獣人や亜人に対する差別意識の強いモダリア帝国やその周辺諸国から逃れて来た獣人や亜人たちと地元の人族が協力して独立を勝ち取った。

 小国であり、地理的にも竜王国ドラーゴ、モダリア帝国という大国に挟まれた立地であり、外交関係で常に苦労している。


「まあ、そんな感じだから国としてのまとまりは少し弱いのよ。有事に備えて団結することが大事なんだけどね。だから、貴方たちにやってほしいことは・・・」


 言いかけたところで、厩舎からデミドラの叫び声が響く。


「キュー!!」


 お茶会を中止して、私たちはすぐに厩舎に向かう。厩舎に着くとデミドラが私に飛びついて来た。


「どうしたのよ、一体?」

『あっちを見て!!あのおじさんが・・・』


 デミドラが怯えた様子で答えたので、デミドラが示した方向を見ると一人の男性がゲイルに抱き着き、その周りでペガサスやユニコーンが男性を宥めている。


『あの人は厩舎のスタッフという話で、これから検診をするって言い出して、最初は普通の検診だったんだけど、お尻の穴にまで指を入れようとしてきて・・・それでびっくりして叫んじゃったのよ。それでゲイルが止めに入ってくれたんだけど、今度はゲイルが捕まっちゃってね・・・』


 一体何者なんだろうか?


 その疑問はすぐに解けた。


「ち、父上・・・一体何を!!謁見にデミドラたちを参加させなかったことが裏目に出るとは・・・」


「貴方!!あれほどカトリーヌさんを一緒に出迎えるように言っていたのに!!見当たらないと思っていたら、こんなことをしているなんて・・・少しは自覚をもってください!!」


 グラース王子と女王がその男性に叫ぶ。

 この男性はどうやらヘクター王配殿下であらせられるようだ。



 ★★★


 ヘクター王配殿下から話を聞く。


「申し遅れたが王配であるヘクターです。特別騎獣隊の隊長をしているんだよ。どうしてもドラゴンを早く見たくて・・・本当に申し訳ない。そちらのドラゴンにも謝っておいてくれ」


 グラース王子が話を引き継ぐ。


「父上は珍しい魔獣、特に人が騎乗できる騎獣に目がないんだ。普段は冷静なんだけどね。こんなことにならないようにデミドラたちを謁見の間に連れて行かなかったんだけど、それが裏目に出るとはね・・・」


 ヘクター王配殿下は無類の魔獣好きのようだった。グラース王子と姉のサンドラ王女がグリフォンライダーであるのに竜騎士学校に入校できたのは、彼のごり押しがあってのことらしい。その昔、ヘクター王配殿下も竜騎士学校に入校しようとしたが、そのときの騎獣がペガサスだったので、流石に断られたらしい。

 今も矢継ぎ早に質問をしている。


「最近、騎獣が私を避けているようなんだ。何か解決策はないだろうか?それにそちらのドラゴンたちにも嫌われたかもしれない・・・一体私はどうすればいいんだ・・・」


 その態度でしょ!!とツッコミを入れたくなったが、やめておいた。代わりに当たり障りのない回答をする。


「そうですね。一緒に食事を楽しむとかすればいいかもしれませんわ。同じドラゴンでも好みに差がありますし、そういうのを分かり合いながら、一緒に食事を楽しめば、自然と仲良くなるかもしれませんね」


「だったらそうしよう!!メアリー晩餐会はここでやろう」


「貴方・・・急に言われても・・・」


 女王は困った表情を浮かべている。


「女王陛下、私たちへの気遣いは無用です。どうせなら、魔獣たちの前で調理すれば、もっと親密になれますよ」


「それはいい案だ、カトリーヌ嬢。すぐに手配しよう」


 ということで、野外でのBBQ大会が始まってしまった。こちらも食材は用意していたので、私とスピラとマリアも料理を作る。女王陛下もサンドラ王女も料理を作る手際は良かった。聞いてみると、普段は格式ばったことはせずにざっくばらんに使用人も含めてみんなで食事を作ったりするそうだ。


「前にモダリア帝国の来賓に馬鹿にされたことがあってね。それ以降は来賓が来た時は格式ばったことをするんだけど、普段はみんな一緒に食べるんだ」


 そんな話をグラース王子としているとせっかく作った煮込み料理を食べないペガサスを見て落ち込んでいるヘクター王配殿下を見つけた。あまりにも悲しそうな様子にたまらず声を掛ける。


「王配殿下、私とマリアで作ったキャロットケーキを食べさせてください。多分ペガサスは、肉よりも野菜やフルーツが好きなのではないでしょうか?」


 ヘクター王配殿下がキャロットケーキをペガサスに与えると一心不乱に食べ始めた。そして、食べつくすとヘクター王配殿下に鼻をこすりつけて、おねだりをしていた。ヘクター王配殿下も嬉しそうで、さらにキャロットケーキをあげていた。


「僭越ながら申し上げますが、いくらこちらが一生懸命にお世話をしよう思っていたとしても、押し付けはよくありませんわ。適切な距離と相手が望むことをしてあげることが大事だと考えますわ」


「なるほど・・・私は少し、暴走し過ぎたのかもしれんな・・・・本当にありがとう」


 その様子を見て、サンドラ王女が声を掛けてきた。


「本当にありがとう。暴走した父を止めてくれて。それで確信したわ。今回の計画は絶対に成功するってね」


 サンドラ王女は優しく笑った。


 そう言えば、ここで私たちは何をするか何も聞いていないことに気づいてしまった。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ