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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第一章 学生編

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19 合同実習 

 これから行われるのは、合同実習と呼ばれる実習で、入校生全員で行うものだ。総勢50名で、指揮官はエリザベート王女だ。これは当然だろう。王女様を差し置いて、別の者がするわけにはいかないからね。


 打ち合わせの際、エリザベート王女から直接指示を受けた。


「報告書によるとカトリーヌさんは、拠点の維持管理が得意のようですわね?連絡要員として活躍しているスピラさんと一緒に二人で拠点の運営をやってもらおうと思うのだけど・・・」

「ご命令とあらば、何なりと」

「そう・・・だったらそれでお願いしますわ。スピラさんには伝えておいてください。基本的に他の学生には、討伐に専念してもらおうと思っていますからね。それと夜間の警戒任務ですが、基本的にはお二人でやってもらおうと思っています」

「お任せください。必ずやり遂げてみせますわ!!」


 かなり重大な任務を二人でやらせるなんて・・・エリザベート王女は私とスピラのことを評価してくださっている。お父様やお母様からレクチャーを受けたのだが、軍の活動は兵站に始まり、兵站に終わるという。つまり補給関係が重要ということだ。竜騎士部隊の機動力と戦闘力は、他の部隊に比べて群を抜いて高い。なので、兵站さえしっかりしていれば負けることはないという。

 そんな重要な任務を任せてもらって、私は少し興奮していた。


 まずは、念話で相棒のデミドラに伝える。


『デミドラ!!私が拠点のすべてを任されたわ!!張りきっていきましょう!!』

『よかったわね!!頑張って何でも運ぶわよ!!それと美味しい料理を期待しているわ。任務地の名物料理や討伐できる魔物なんかを調べないとね』

『でも、遊びに行くわけではないからね。だけど、事前に調査することは大事よね』


 そして今度はスピラにエリザベート王女の指示を伝えた。

 スピラは困惑していた。


「私にできるかな・・・そんな重要な役目」

「心配しないで!!野外実習を私たちはやり切ったじゃないの!!それを踏まえた上で、もっと快適で過ごしやすい拠点を作ることは必要だと思うけどね」

「そうね。カトリーヌさんを見ていたら、なんかやれそうな気がしてきた。私も頑張るわ」


 スピラもやる気になってくれた。

 そしてその日から、私とスピラは完全に別行動になった。



 ★★★


 合同実習の開始日の3日前、私とスピラは先遣隊として、拠点構築に向けて出発した。目的地は嘆きの森の開拓予定地だ。国の方針で、少しずつだが嘆きの森の開発を行っている。嘆きの森の魔物は強力なので、思ったほどは開拓は進んでいないのが現状だ。というのも竜騎士の数自体が少なく、開拓にばかり人員が割けないのが原因だ。なので学生にも、この任務を割り振られているというわけだ。予定では、ある程度学生に魔物を狩らせて、ゆくゆくは新たな開拓村を建設する予定のようだ。因みに同じ嘆きの森と言ってもポルガ村とはかなり離れている。


 今回私たちの他に同行者がいる。まずは野外実習の担当教官であったバラック教官とその相棒の暴竜のビオラだ。私たち単独で行動させるのは流石に駄目だという学校側の方針で同行が決まった。


「バラック教官、ビオラにも搬送を手伝ってもらって、申し訳ありません」

「気にすんな。こっちもタダで旨い飯を喰おうなんて思ってないし、それにビオラが言って聞かないからな・・・」

「ありがとうございます。でも、ビオラはかなり、きつそうですけど・・・」


 バラック教官によるとビオラが申し出たらしい。『これでも、暴竜隊の誇りがある』と言っていたそうだ。まあ、デミドラは余裕そうなんだけどね・・・


 デミドラとビオラが搬送しているのはそれぞれ12台の馬車の荷台だ。器用に前足と後足に引っ掛けて運んでいるのだが、積荷を満載しているので、かなりの重量がある。搬送を手伝ってくれて本当に助かっている。

 一緒に移動しているスピラが言う。


「教官、カトリーヌさん、ゲイルは重い物が持てなくてごめんなさい・・・」

「気にしなくていいわ。他のことで頑張ってもらうからね」


 ゲイルはスピードは学生で一番だが、パワーは群を抜いて低い。適材適所の運用が必要だからね。バラック教官もそれが分かっているようで、スピラにアドバイスをする。


「スピラも気にするな。お前たちは本隊としてではなく、斥候部隊員や連絡要員として、どこの部隊でも重宝されるぞ。だから、そっちの能力を高めたほうがいいな。索敵能力を磨くとか・・・何なら先触れの使者として他国の上級貴族や王族と接する機会も多いだろうから、ダンスやテーブルマナーでも習うか?いい講師を紹介してやろう。1年あれば、立派な淑女になれるぞ」


「教官!!からかわないでください。でも、普通の学生とは別の道を歩んで行かなければならないことはよく分かりました。ゲイル、頑張ろうね」


『もちろんさ!!』


 私だけでなく、バラック教官にも認められたようで、スピラもゲイルも表情は明るかった。



 そして、もう一人?の同行者だが、ケルベロスのケルだ。

 流石に50名規模の兵站をすべて、私とスピラで支えるのは無理があると思い、学校側に使用人を雇いたい旨を申し出た。しかし、これは安全上の理由から却下され、代案として従魔ならOKという回答を得た。それで私は駄目元で、ポルガ村に出向き、タヌーク村長に期間限定でケルを貸してくれるように依頼した。当初は断られると思っていたのだが、二つ返事で了承してくれたのだ。


 理由は3つある。

 1つはケルが優秀過ぎることだ。タヌーク村長の話では、すべてケルに頼りきっりになってしまい、商会員が育たないという贅沢な悩みが生まれたそうだ。

 2つ目は、ポルガ村が発展し、優秀な商会員や冒険者を多数抱えられるようになったので、グラスウルフの管理もケルがしなくてよくなったからだ。今商会で雇っているテイマーはBランクだが、グラスウルフと相性がよく、効果的に運用ができているそうだ。

 そして、3つ目が一番大きな理由だが・・・・


「カトリーヌ様、ご無理を聞いていただき、ありがとうございます。このまま居心地のいいポルガ村に居れば、村の人たちに迷惑が掛かると思いましたので・・・」


「タヌーク村長はケルの気持ちを十分理解してくれているわよ」


 ケルが言うには、ケルに隷属の首輪を嵌めた魔術師集団がポルガ村を襲いに来る可能性が捨てきれないとのことだった。

 バラック教官が言う。


「すぐに国には報告しているんだが、何も言ってこないな。まあ、暗部の奴等は秘密主義だからな」


 バラック教官の話では、国として独自で調査はしているようだった。


「ありがとうございます。それと、この問題が解決するまではポルガ村に戻りませんので・・・」


 こちらとしては、実習期間だけの短期契約だったのだけど、これを機に問題が解決するまで、私たちと行動を共にすることになってしまった。ケルは優秀だし、助かるんだけど、タヌーク村長は少し寂しそうだった。ここまでポルガ村を発展させてきた相棒と離れ離れになるのは辛いことだろう。私だってデミドラと離れ離れになることになれば、かなり悲しい。


 そんなことを思いながらも、旅は続き、私たちは目的地に到着した。


「さあ、ここからが本番よ。快適な拠点を頑張って作るわよ!!」

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