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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第一章 学生編

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14 野外実習 3

 3日目から私とグラース王子、スピラは完全に別行動となった。

 別行動といっても寝床はこの拠点だし、朝食と夕食はここで食べるんだけどね。


 その日から私は、誰よりも早く起きて、朝食と昼の携帯食を作る。朝はスープとパン、携帯食はサンドイッチなので、特に苦労はない。そして、朝食を食べ終わると前日に解体した素材を馬車に詰めて、グラース王子とスピラとともにポルガ村に向かうのだ。

 ポルガ村で、素材を売り払ったことにして、タヌーク村長を連れて近隣の町に移動する。事前に相場を調べてあるので、一番高く売れる町まで行って素材を売る。そして、必要物資を買ってポルガ村に帰還する。

 グラース王子が言う。


「カトリーヌ嬢も分かっていると思うけど、こんなことは長く続かないよ。僕たちもずっとここにいるわけじゃないしね」

「そうなのです・・・ただ、根本的な解決策が浮かびませんでしたので・・・」

「村に帰ったらもう一度、問題点を洗い出し、対策を練ろう」


 村に到着し、詳しくタヌーク村長から再度事情を聞くとともに帳簿関係も確認する。


「一番の誤算は、この村と近隣の町に向かう街道に厄介な魔物が出ることでした。嘆きの森から強力な魔物が出て来ることは想定しいたのですが、こっちは予想外でした・・・」


 タヌーク村長が言うには、ポルガ村のコンセプトとして、嘆きの森の魔物を狩る冒険者の前線基地となる村を考えていたそうだ。ただ、入植当時はそこまででもなかったが、2年前から街道に厄介な魔物が出るようになった。


「厄介な魔物というのはグラスウルフです。1匹1匹の戦闘力は高くないのですが、知能が高く集団戦が得意です。群れを相手にするのならBランク以上の冒険者じゃないと対処できません。お分かりだと思いますが、高ランクの冒険者になればなるほど護衛料は高くなります・・・」


 グラスウルフは本当に厄介らしい。討伐を試みるも、こちらの戦力が充実していると知るとすぐに逃げ出してしまうし、護衛が実力者と判断したら近寄って来ない。逆に護衛を付けていないような場合には、集団で襲ってくるそうだ。


「救いは行商を皆殺しにするようなことはせず、ある程度積荷を捨てると見逃してくれるのです。それから考えても、かなり知能が高いと思われます」


 タヌーク村長も色々と対策は講じたらしい。討伐依頼を冒険者ギルドに出したり、国にも相談したりした。冒険者の討伐作戦は失敗に終わり、また竜騎士であれば、戦闘なら楽勝なのだが、貴重な竜騎士を常時警戒に当たらせることなんてできないと国に言われたそうだ。


「そして、素材の買い取りを一時中断をせざるを得なかったのが、いけませんでした。冒険者は、討伐した魔物をすぐに買い取ってくれるからこの村に来てくれるのであって、遠くの町に運ぶのであれば、冒険者から見るとこの村はあまりいい狩場ではなくなったのです」


 それから、冒険者はほとんど来なくなり、それに合わせて村も衰退していったそうだ。そして現在村に残っているのは獣人たちがほとんどで、彼らは行き場がないので、この村とともに滅びるしかないと思っているそうだ。


「とりあえず、グラスウルフを討伐すれば何とかなるのかしら?」


「それができれば苦労はしないのですが・・・」



 ★★★


 グラース王子とスピラと三人でグラスウルフの討伐について話し合う。


「グラスウルフの討伐は竜騎士には不向きな任務ですわね。1匹2匹を討伐するなら簡単ですが、数が多くて、棲み処の洞穴なんかに逃げ込まれたら、手が出せませんわ。そうなったらデミドラに地形が変わる程滅茶苦茶にしてもらうしかありませんわね・・・」


「カトリーヌ嬢、それは最後の手段にしよう。僕に作戦があるんだが、聞いてくれるかい?」


 グラース王子の作戦を聞く。いい作戦だと思う。


 次の日、早速作戦を開始する。一言で言うと囮作戦だ。タヌークさんに普通の馬車を運転してもらい、幌付きの荷台にはグラース王子と相棒のグリフォンのグリーが潜む。襲ってきたところを返り討ちにするといったものだ。私とスピラはかなり高度を上げた上空で待機だ。いくらデミドラのスピードが遅いからって、流石に馬車よりは速いからね。


 村を出て街道を3時間程進むと馬車が30匹くらいのグラスウルフに取り囲まれた。リーダー格のグラスウルフが吠える。


「ワオーン!!」


 威嚇しているようだ。ある程度近づいたところで、グリーに騎乗したグラース王子が飛び出す。すぐにリーダー格のグラスウルフを捕獲する。ほとんどのグラスウルフは散り散りになって逃げたが、4匹のグラスウルフは勇敢にもグラース王子に向かって行った。


「スピラ!!」


「了解!!」


 スピラは急降下して、グラース王子の援護に向かった。まあ、デミドラだと間に合わないからね。


 スピラの騎乗するゲイルは、ドラゴンとしての戦闘力は低いが、グラスウルフに負けるはずはなく、私が着くころには、スピラとグラース王子にグラスウルフたちは捕獲されていた。


「ワオーン!!」

『男らしいわね。『俺の首で、コイツらを助けてくれ』って言っているわね』

「本当に?意思疎通できるの?」

『できなくはないわ』


 デミドラが言うには、グラスウルフたちは2年前までは、街道付近で人を襲うようなことはしなかったという。獲物もそれなりにいるので、群れで協力して狩りをするれば、困ることもなかったそうだ。それではなぜ、人間を襲うようになったかというと・・・


『このグラスウルフが言うには、2年前にケルベロスという強力な魔物がやって来て、群れを制圧され、人間を襲うように命令されたらしいわ。彼らは人間の怖さを十分に知っているから、なるべく安全な方法を考えた結果、今のような積荷だけ奪うやり方にしたみたいよ』


 何となく話が見えてきた。


「だったら、私たちがそのケルベロスを倒せばいいってことよね?」


『ケルベロスがいなければ、人間を襲う理由もないから、そうなるわね』


 グラース王子も言う。


「ケルベロスを退治することができれば、解決するようだね。一歩前進だ」


 そうして私たちはケルベロス討伐作戦を敢行することになった。

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