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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第一章 学生編

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12 野外実習

 いよいよ野外実習が始まった。3日という短期間で準備をするのも訓練の一環だったようで、物資を調達したり、食料を準備するのにも手間取った。結局、あれも持っていこう、これも持っていこうという話になり、荷馬車10台になってしまった。その内6台分はデミドラが運ぶことになった。デミドラだけで、全部運べるのだけど、「公爵令嬢のドラゴンに全部の荷物を運ばせるわけにはいかない」と言い出して、4台は他のメンバーで運ぶことになった。

 デミドラは余裕そうだが、他のドラゴンたちはそうはいかないようで、4体で1台の荷馬車を運んでいる。休憩を挟みながら、任務地のポルガ村まで向かう。

 休憩中、スピラが話し掛けてきた。


「ごめんなさいね・・・ゲイルは力が無くて、資材搬送に加われなくて・・・」


「気にしないでいいわよ。ドラゴンも種類によって特性がまちまちだから、スピラとゲイルには偵察や連絡なんかを頼もうと思っているからね。早速だけど、先触れとしてポルガ村まで行ってくれる?バラック教官が待っているはずだから」


「分かったわ。そういう任務であれば、得意中の得意だからね」


 すぐにスピラとゲイルは飛び立って行った。何たって学生最速だからね。下手したらお母様の相棒のシュネールといい勝負をするかもしれない。


 休憩を終えた私たちはポルガ村に向けて出発する。しばらくすると、先触れに出していたスピラが帰って来て合流した。報告を聞く。


「ポルガ村に立寄る必要はないようです!!バラック教官が拠点の候補地にいらっしゃるので、そこまで私が先導します!!」


 スピラの案内で嘆きの森に近い草原に着いた。これくらいの広さなら十分に拠点が作れる。待機していたバラック教官に挨拶をする。バラック教官の相棒はお父様の相棒であるシュワーフと同じ暴竜で、ビオラという雌のドラゴンだった。


「バラック教官!!予定通り、異常なく到着致しました!!」

「了解!!って・・・なんだその膨大な物資は?戦争でもする気か?」

「ご冗談を。備えあれば患いなしですわ」


 積荷を一通り下ろした後、バラック教官から招集が掛かった。


「本格的な魔物討伐は明日からだが、まずは小手調べといこうか。魔物討伐の経験があるものは前に出ろ!!」


 私を含め、数名が前に出た。


「よし!!カトリーヌ、少し手本を見せてやれ」


 戦闘態勢を整え、バラック教官の案内で森に向かって飛んで行く。10分程飛んだところで、ホーンブルという大型の牛型の魔物とグレートボアというこれも大型のイノシシ型の魔物を発見した。ともにB級の魔物だ。


「カトリーヌ!!ちょっと相手をしてみろ」


 私は少し考えた。そして、この二体はいい食材になるから、なるべく綺麗に討伐しようと思った。


「デミドラ、今晩のおかずにしようと思うからできるだけ綺麗に討伐してね。血抜きのやり方は分かっている?」

『それは大丈夫よ。ところで何にするの?』

「そうね・・・バーベキューか、お鍋かしら・・・」

『じゃあ、ホーンブルはバーベキュー、グレートボアは鍋にしましょう』


 半分以上料理の話になってしまったが、細かい打ち合わせもした。ホーンブルはデミドラに任せ、私はグレートボアを討伐する。一緒に戦うと原型を留めないほど潰れてしまうからね。


 すぐに私とデミドラは、二匹の魔物の前に降り立ち、私はデミドラから飛び降りた。2匹が私達に突進して来る。まず、デミドラだが突進してきたホーンブルを前足で掴んで持ち上げ、暴れるホーンブルの首を持ち、ねじ切った。すぐにホーンブルの足を持って逆さ吊りにしている。すぐに血抜きをするとは、デミドラも成長したものだ。


 私はというとグレートボアの突進を盾で正面から受け止め、動きが止まったところをお母様にいただいたハルバートを振り下ろし、一撃で首を切り落とした。


「デミドラ!!」

『分かっているわよ』


 グレートボアとホーンブルをデミドラの後ろ脚にロープで固定し、再びデミドラに乗って、みんなが待機している上空まで戻った。みんな青ざめている。


 まあ、初めて魔物との戦いを見たら、怖気づくのも無理はないわね。


 バラック教官は言う。


「一応聞くが、今回の討伐で注意した点を言ってみろ」

「はい!!今晩のおかずにするため、なるべく綺麗な形で討伐することを心掛け、素早い血抜きも行いました」

「そ、そうか・・・カトリーヌは、拠点づくりと討伐した魔物の処理でもしていろ。他のメンバーは俺についてこい!!基本的な戦い方を教えてやる」


 なぜか、私はみんなと別行動になってしまった。

 なるほど・・・バラック教官は今日の料理が楽しみなんだ!!ということは、腕によりをかけた料理を作ってあげよう!!


 私とデミドラは拠点まで帰還した。

 拠点では、まずグレートボアとホーンブルの下処理を行い、商人に買い取ってもらう素材も丁寧に採取した。そしてみんなは、日が暮れる頃に帰還するので、拠点づくりを行うことにした。修行時代はお父様やお母様、それに使用人たちと一緒にこういったキャンプをよくやったものだ。寝床を作ったり、お風呂を作ったりするのは慣れているからね。


 まずは寝床づくりだが、馬車を利用する。これもキャンプの知恵なのだが、テントを張るよりも快適に寝られる。人員はバラック教官を入れて26名、ドラゴンも26体、馬車8台を寝台に変えれば十分広く使える。残り2台は素材の保管庫にしようと考えた。

 次はお風呂づくりだが、これはデミドラに頼む。「土竜の加護」で浴室を男女、ドラゴン用の3つを作り、「水竜の加護」で水を溜める。そして、大きめの岩をデミドラのファイアブレスで熱し、十分高温になったら、水に入れてお湯にするのだ。


 デミドラがお風呂を作っている間に私は料理を作る。食材と調味料はこれでもかというくらい持たされているので、困ることはない。そもそもバーベキューと鍋だし、難しいことはないからね。


 しばらくするとみんなが戻って来た。

 拠点に戻ってきたバラック教官は驚いている。


「な、何なんだ!!まるで王族の御旅行じゃないか!!」

「我が家では、普通のキャンプですが・・・」

「そもそも今回はキャンプじゃないし!!訓練だし!!」


 バラック教官の様子は少しおかしかった。

 多分、思った程魔物が狩れなくて不機嫌なのだろうか?実際討伐できたのが、ロックバードとコカトリスが3匹ずつだしね。


 それから、順番にお風呂に入り、みんなで料理を食べながらのんびりと過ごす。家族でするキャンプも楽しいが、こういった仲間とするキャンプも結構楽しい。

 学生生活の思い出の1ページとなった。

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