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【書籍化】燃費が悪い聖女ですが、公爵様に拾われて幸せです!(ごはん的に♪)  作者: 狭山ひびき
燃費悪聖女、婚約解消のピンチです!?

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これは里帰りっていうやつですね! 1

お気に入り登録、評価などありがとうございます!

 カンナベル枢機卿から連絡が来たのは、お会いしてから四日後のことだった。

 わたしが学園に通っていることを知ったカンナベル枢機卿が、聖女仲間に会いに行くなら夏季休暇を利用した方がいいだろうって言って、スケジュールを調整してくれたみたい。


 国王陛下も聖女のストライキには頭を悩ませていたから、リヒャルト様の方のスケジュール調整も問題なく終わった。

 なんでも、聖女のストライキの解決がすべてにおいて優先されることらしい。

 リヒャルト様はカンナベル枢機卿とのお約束通り、聖女たちが何を望んでストライキを起こしているのかは国王陛下にお伝えしていないらしいけど、解決の糸口があるなら急げと陛下に言われたらしい。


 そんなこんなで、出発はカンナベル枢機卿とお会いしてから一週間後に決まった。

 王都から中央神殿までは馬車で一週間くらいかかるそうだから、往復だけで二週間。

 中央神殿には一日か二日……聖女たちの説得が難航したらそれ以上滞在することになるから、中央神殿から帰ったら学園の夏季休暇も終わりに差し掛かっているはずだ。


 学園の夏季休暇が明けて少ししたら、今度は社交シーズンというものに突入するらしい。

 リヒャルト様がわたしを夜会に出すのはまだ早いと判断したので、わたしは夜のパーティーにはほとんど参加しないと思うけど、お茶会の誘いは入るだろうから、最低限のものには参加しなくてはいけないだろうとのことだった。


 ただ、お茶会についてもエレン様やシャルティーナ様がわたしの補佐に回ってくれるらしいから、お誘いがあっても大丈夫だって! 

 王妃教育まですませた同年代の女性では並ぶものもいないくらいのエレン様と、王弟の妻で聖女でもあるシャルティーナ様というこれ以上ない保護者がいるから、多少失敗しても二人がうまくフォローするだろうってリヒャルト様が言っていた。


 ……リヒャルト様の妻になるため、頑張らなくちゃね!


 いまだに貴族のことはよくわからないけど、少しずつ慣れていって、将来は立派な公爵夫人になるのだ。いや、立派なのは無理かもしれないから、ほどほどにしておこう。何事も、高すぎる目標はよくない。

 その、ほどほどの公爵夫人を目指すための第一歩となる今年の社交シーズンの前に、聖女仲間たちの説得だ。

 聖女仲間の説得に成功して、リヒャルト様に褒めてもらいたい!


 移動の馬車はわたしとリヒャルト様で一台、ベティーナさんと数名の使用人さんたちで一台、カンナベル枢機卿とその側近の方々で一台の計三台である。

 ほかにも、護衛の騎士さんも同行していた。

 国民たちが聖女の薬を買いにくくなってピリピリしているので、何かあっては大変だからと護衛も多めである。お城の騎士団からも護衛が派遣されて、リヒャルト様のお友達のハルトヴィッヒ様も一緒だ。


 ……何かあった時のためにお薬も持って来たし、騎士さんたちもたくさんついてきてくれたから安心だね!


 移動に一週間かかるので、道中で宿をとる。

 護衛をつけていても、聖女や枢機卿がいるとわかると、強引に助けを求めに来る人もいるかもしれない。

 そういう時のために薬は持っていたほうがいいだろうってカンナベル枢機卿が言ったのだ。


 もともとカンナベル枢機卿は、助けを必要としている人には手を差し伸べたい方だから、今のこの状況はとても歯がゆいのだと思う。

 リヒャルト様はわたしの作った薬の使用には慎重になっているから、あまりいい顔はしなかったけれど、わたしに癒しの力を使ってほしいと人々が殺到するよりはましだと判断したみたい。


 ということで、木箱いっぱいの薬を作って、ベティーナさんたちが載っている馬車に積んである。

 使わなくていいならそれに越したことはないだろうけど、カンナベル枢機卿が、恐らく行く先々で薬を提供することになるだろうって言ったから、その通りになるはずだ。

 聖女の薬を求める人がどれほどいるのか、一番把握しているのは神殿だもんね。わたしやリヒャルト様よりも、カンナベル枢機卿の方が状況に詳しい。


 本来、聖女の薬は無償提供されないし、販売にも許可がいる。

 下手に融通すると、贔屓とか差別とか言い出す人がいるからね。このあたりの調整は大変らしい。

 でも、カンナベル枢機卿が考えなく問題を起こすはずはないから、お薬をどうするかはお任せしておけばいいだろう。


 リヒャルト様がわたしは人目につかない方がいいって言っていたから、道中はひっそりとお菓子を食べて過ごすのだ。


 ……それにしても、移動するだけで気をつけなくちゃいけなくなったなんてね。


 このことを、聖女仲間たちは知っているのだろうか。

 知らないんだろうな。

 だって、聖女たちは神殿の外には滅多に出ないし、世の中の人がどれだけ聖女の癒しや薬を求めているのかもあまり理解していない。

 国や神殿に守られる代わりに、多くの聖女たちは外の世界と隔絶された中で生きている。


 狭い狭い世界の中、聖女たちが知り得る情報は偏っていて――もしかしたら、今回のストライキが起こった原因は、そういう背景もあるのかなってちょっと思った。





面白い!続きが気になる!続きが読みたい!と思ってくださった皆様、

ブックマークや下の☆☆☆☆☆にて評価いただけると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ


6/5、本作の③巻が発売されました(#^^#)

とっても楽しい1冊になりましたので、ぜひお手に取っていただけると嬉しいです(*^^*)

どうぞよろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)


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