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七辻名無の平凡な日常  作者:
第2章
23/30

小さい頃ってかめはめ波に憧れる

あんなに言ったのに。




「どうしてこうなったんだろ……」



学校もバイトもない休日の午後。


そう、普通なら課題したり買い物にダラダラしたりするはずなんだ……。




なのに。



「俺、なんでこんなことしてるんだろ。」


「……諦めろ。」




アパートの庭に置かれた金属製のタライ。

並々と水が注がれ、夏に足を入れたら涼めそうだ。

しかし、水の注がれたタライに浮かんでいるのは蝋燭(ろうそく)を立てたコップ。

タライの周りには無数の蝋燭が立てられている。



結局、修行は三人交代制と言う教授の案による、強引な方法で(まと)まった。



今日の修行考案者は日向先輩。

題目・着火。




つまり思い通りに炎を点ける修行。


教授曰く、「イメージするのよ!イメージ!!」っと言われたが、これがなかなか難しい。



日向先輩の助言によると、「イメージを形にするのは難しいからな。」

と、言いながら手のひらに火の玉を灯して見せてくれた。




「ぐぬぬ……!」



修行開始から休憩を除き約三時間。


何度もコップの蝋燭に炎を灯そうとしてもタライの周りの蝋燭に火が点いてしまう。



「一週間も繰り返ししてりゃ出来るから、頑張れ。」



「ウッス!!」



一週間…………道のりは遠いな。

修行が終わる頃には、かめ○め波でも打てるんじゃないか!?


そんなノリでか○はめ波のポーズをとってみると。




ポッ



「!!」


「うぉおおおお!?」



偶然か否か、コップの蝋燭に火が点いた。


「スゲエェェエエ!!悟空の気分!」


「……ポーズ無しでも出来るようになれよ。」


「……ウィッス」



日向先輩のツボに入ったらしく、背を向けて笑いを噛み殺している。

肩が震えてるんで、バレバレっすよ先輩……。



それでも大きな進歩だが、流石にポーズ無しでも出来るようにしたい。

子供の頃ならまだしも、いい年して○めはめ波のポーズで技を出すのは恥ずかしい。



「着火は基本だから慣れねぇうちは毎日しろよ。」


「はい!」


「あと教授から伝言。『私の時まで着火はマスターしなさい』っだとよ。」


「……はい。」




次の休日から教授の指導か…………行きたくねぇなぁ………………。



今の課題は着火をマスターすることに集中してやるぜ!!



そう意気込むのと同時に、タライ周りの蝋燭が全部着いた。

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