人の恥ずかしい話は酒の肴
「か、菓子鉢が……!」
なんだっけ!?こんな現象聞いたことあるけど、それどころじゃない!!
「煩いお兄さんだなぁ……」
バシャッ
火が卓袱台に燃え移る前に少年が緑茶をかけ、見事に鎮火した
「おお……………………案外覚醒が早かったネ」
「無理に驚かすからじゃ」
は?覚醒?
「あの……覚醒って……」
「ん」
七辻さんに鏡を手渡される。
鏡に写る自分の目は
金色に輝く猫の目だった
「え、は?なんで目がこんな……。」
「能力・発火、特徴・猫目……って所カナ?」
「ただの火じゃねえよ。」
紅髪の彼が背を向けたまま喋る。
ちょっと罪悪感が……。
「地獄の火。火車の操る地獄の炎の片鱗だ。」
「じ、地獄の炎!?」
なんか、そこだけ聞くと厨二病クセぇ……。
「簡単に説明すると、某祓魔師マンガのあの炎みたいな物ダヨ。」
「スゲエ簡単にまとめやがったよ、この人!ってことは、色々燃やせるってことっすか?」
「……多分な。適度に修行すりゃ自在に使える。」
おお……目からウロコの知識がポロポロと……。
さっき叫んで、すんませんでした!!!!
「あ、店で叫んですんませんでした。えっと……」
「ん、構わん構わん。名乗っておらんかったのう……儂は店主の里見 銀次じゃ。」
仙人のような老人が名乗る。
それにつられて後の二人も名乗る。
「佐渡 楓です。ここの店員 兼 里見様にお使えする化け狸です」
大正風の女性は優雅に一礼する。
「…………モルガン。万引き防止役」
冷静な少年は再び煎餅を食べていた。
そして……
「ネーネー、いつまでそうしてるのカナー?ネーネー」
「…………………………うるせぇ」
七辻さんは何やってんだ……。なんでつついてんだよ……。
いい人つついてなんになるんだ……(まだ少し怖いけど!怖いけど!)
「花火君も自己紹介しないノー?ネーネー」
「……………………………………………………………………………………那鎖 花火」
ジロリと一睨みされ、再び背を向けられた。
「それにしても、こんなに賑やかに叫ばれたのはいつぞやの三人以来じゃのお~」
「黎湘くんは怖かったです……法力が強いので……」
「俊にぃは叫ばなかったよね。つまらなかった。」
「縁くんもナカナカだったヨネ。いい叫びっぷりだったヨ。」
………………あの三人も被害者(経験者)かよ!?
話から想像するに三人が不良だった頃の話の様だ。
「さてと。そろそろ帰ろうカナ。酒の肴も出来た事ダカラネ」
人の叫びを肴にするなよ!!
「お、お邪魔しました。」
深々と頭をさげる。
「ほっほっほ。良い良い。若いうちは何事も経験じゃ。
気が向いたら古書を探しにまた来てよいでな。」
「は、はい!」
この人は仏か!!
そう思ったのもつかの間。
「お主なら“こちら側”に容易く来れるでのう」
“こちら側”?




