ドッキリって内容によってはキレる
『やり過ぎじゃないかねぇ……?』
『意外と貧弱だったね。』
『だ、大丈夫でしょうか?』
『チッ…………忙しい中、巻き込みやがって。』
あれ…………人の声?
『いやー、びっくりびっくり。まさか奇声を上げて気絶するなんてネ。』
あ…………七辻さんの声
次第に意識がハッキリしてきた。
薄く目を開けると、何処かに寝かされているらしく、天井板が視界に入った。
「っ…………ト●ロに押し潰される夢見た。」
あの2mの巨体に潰される夢なんて…………ただの悪夢だ。
ゆっくりと重たい体を起こす。
「あ、起きたみたいダネ。」
「七辻さん……何で……ここは?」
「古書堂の奥。住居スペースダネ。」
あ……………………………………俺、確か叫んで気絶して……
「気がついたかい?」
七辻さんの後ろから優しげな声がした。
見ると、七辻さんの後ろには仙人のような老人が静かに微笑んでいる。
老人の隣には和服に袴といった大正の女学生風の服装に身を包んだ、いかにも文学少女といった女性。
その女性の隣に、小学生くらいの男の子がちょこんと座って煎餅を食べている。
どうやらここは居間らしく、老人と七辻さんとの間に鎮座するちゃぶ台には人数分の湯呑み。
そして
「っ!」
彼がいた。
障子の側。
部屋の隅で膝を抱え、不機嫌そうにこちらを睨んでいる。
『なんだよ』とでも言いたげなジト目の視線を向けられている。
「な、な、七辻さん。あ、あの人」
先程の恐怖感は無いが、それでも本能が悲鳴を上げている。
「ああ、彼ネ。僕の知り合い。」
「……………………………………ふん。」
更に機嫌を損ねたらしく、背をこちらに向けてイジけてしまった。
「さて、まずはネタバレをしようカ」
「ね、ネタバレ?」
状況が把握しきれてない凛太郎の目の前に、プレートが突きつけられる。
『ドッキリ大成功!!』
「………………………………………………………………………………………………………………………………は?」
「裏目荘恒例、新人歓迎のドッキリ。ダヨ☆」
「つまりじゃのぉ……」
老人の人が説明してくれた。
「最初のうちは、能力を見るためのテスト兼 未開発者のための能力覚醒が目的だったのじゃが、最近は肝試しのようなものになってしまったのじゃ。」
「発案は僕だけどネ。」
七辻さんはケタケタ笑う。
老人はやれやれとため息をつく。
女性は焦りの表情を見せる。
少年はマイペースに緑茶をすする。
紅髪の彼はイジけたまま。
そして俺は……
「っ………………ふっざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
涙目で大シャウトした。
それと同時に
ボッ!!
煎餅を入れていた菓子鉢(木製)が燃え上がった。




