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七辻名無の平凡な日常  作者:
第1章
13/30

ダンベル体操って懐かしくね?

しかしなぁ…………妖怪が住むアパート・町だからか、よく目を凝らせばフワフワしたのやら、虫みたいな妖怪(?)が好き勝手してる。



居間から廊下に出たら気分が軽い。なんでだ?


「それは多分、七辻さんの存在感のせいだよ」


「あの人にそんなモンが……って」


あれ?今、声に出てたか?


「っ………………ごめん。僕も気が抜けてたみたいだ。」


「えっと…………悟。でしたっけ?」


「悟の子孫。……気を抜くとすぐに力が出て、結構困るんだ。」


話しながらT字廊下の突き当たりに向かう。


「黎湘のお祖父さんが先祖とは旧友だったらしく、今でも力の事でお世話になっているんだ。」


「鵺って確か、雷の妖怪……でしたっけ?あのパワフルなお祖父さんが……」


一度だけゼミの交流で封江教授の実家。玲封寺(れいほうじ)に合宿という名目で泊まったことがある。


教授は 高校2年生の妹さんと 中学3年生の弟さん。それに正式な住職であるお祖父さん、お祖母さんと一緒に実家暮らしである。

教授はたまに家業を手伝うだけで、住職(仮)って感じらしいけど、大学内だと住職兼教授と思われている。


封江教授のお祖父さん。

封江 連湘(れんしょう)さんは、70代には見えないくらいガチムチのお祖父さんで、毎朝ダンベル体操をしていると聞いたことがある。

子供みたいに元気で悪戯好きな人でよく教授をからかって遊んでいるせいで、本人には嫌われてる。

合宿中も悪戯が過ぎて教授がキレていたのを覚えている。


「昔からパワフルだよ。子供の頃はひょいひょい投げ飛ばされてた。」


昔を少し思い出したのか、四ツ谷さんは苦笑いだ。


「想像がつくっす」


「昔話はこれくらいにして…………プレートがあるから、ざっくりした事は説明要らないかな。」


廊下の突き当たりには案内プレートが着いてあり、見る限り

左側には101~105号室と倉庫

右側には男女別大浴場があることが分かる。


百目鬼さん以外の住人は外出中なのか、不在のようだ。



特に自己紹介もできないので、二階に移動する。



基本的に201~205号室の間取りは1階と同じで、住人も不在のため細かい説明要らず。

強いて言えば、205と206号室は空室だそうだ。


階段から右手側。つまり食堂と居間の上に206と207号室がある。

補足すると、207号室の右隣には幅・畳1枚分、奥行・3枚分のスペースがあり、そこは洗濯干し場らしい。


今日から俺の部屋となる207号室。


もらったばかりの鍵を使い、ドアノブを掴む。


「っあ~、緊張する。」


いざゆかん。俺の部屋へ!


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