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七辻名無の平凡な日常  作者:
第1章
12/30

祖父母の馴れ初め話って聞くと小っ恥ずかしいよね

「まあ、そんな訳で。ダヨ。コレで色々説明の手間が省けたから、ラッキー」


絶対この人、今しがた起こったこと見越してたな……


「まず最初に、この町事態妖怪と異能力者が住む町なんダヨ」


「へー…………異能力者?」


「テレビに出てるようなインチキじゃないヨ。“本物の”異能力者サ。あとは田舎から上京してきた、妖怪とかカナ?」


「えーっと…………つまりは、妖怪・異能力者が共存しているとこ何だよ。この町は。」


四ツ谷さんが簡単にまとめてくれた。


「そんな町だから、ちゃんとした機関はあるヨ。幼稚園と小学校トカ」


「え?小学校までっすか?」


「小学校で人間社会での振る舞いをを学ぶんダヨ」


「なーる」


「このアパートに住む子は、大体が町の外に住む妖怪とか異能力者の血族デネ。まあ、中には普通の妖怪も居るケド」


電卓を打ちながら話す七辻。


「あのー…………一ついいっすか?」


「家賃ならこのくらいダヨ」


「うおっ、安っ!?……って、それじゃなくて!」


思わずノリツッコミしてしまった。


「血族って事は、漫画みたいに能力に何かしら能力があるって事っすか?」


「あるだろうネ。事故に会ったんダッケ?おそらく、そこで多少は開花したんダロウネ。発展途中で今は見えるだけみたいダケド。

能力と一括りしても、縁君みたいに体の表面に出る場合、四ツ谷君みたいに見た目は人と大差ない場合…………と、様々ダネ。」


「つまり、俺の能力は未知数っていう訳ですか?」


「“火車”だからネェ…………[火属性]なんじゃナイ?」


「んなドラクエみたいに……」


「ああ、ソウダ」


ゴソゴソとポケットを探る。

ポケットから取り出したのは、メモらしき紙と鍵。


「はい、コレ。207号室の鍵。この上の部屋」


「あ、はい」


「それと…………珠代ちゃんの電話番号」


「はい……………………………………………………は?」


イマ、ナンテイイマシタカ?


思わずフリーズする凛太郎。


「ばーちゃん、亡くなったんですケド?」


「その…………凛太郎君。」



四ツ谷さんが非常に言いにくそうに言う。


「珠代さんは妖怪。しかも上級の部類に入るから…………何と説明したらいいか。」


「人員不足でお爺さんを迎えに行ったけど、一目惚れして連れて行かず、

ワガママ言って 使ってなかった有給使って人間界に住んでアタックしまくってゴールインしたって、言えばいいジャン」


「……………………………………………………………………」



ばーちゃーーーーーーーーん!!??

そんな凄い情熱的な馴れ初め話、初めて聞いたけど!?


「つまりは、そう言う訳で…………半ば無理矢理、80年分の有給─人間で言うと一週間分くらいの有給──をぶんどったわけで…………今は向こうでバリバリ働いてるよ。」


「そうっすか……」



なんつーか………………色々デジャヴ。

色々なことがありすぎて知恵熱出そう。


「ま、落ち着いたら連絡しなヨ」


「はあ……」


「他の住人はまだ帰って来ないみたいだから、自分の部屋でも見てきたらどうかな?ついでに案内するよ。」


「四ツ谷さんが?」


「学生時代はココに住んでいたからね。」


「おお…………」


四ツ谷さんが助け舟を出してくれた。

ここはお言葉に甘えて案内してもらうとしよう。

俺と四ツ谷さんは七辻さんを居間に残し、アパートの中を探検(案内してもらう)する事になった。









「さて…………新人の彼は僕を楽しませてくれるカナァ?」


一人、居間で呟くとクックックッと怪しげな笑いをこぼす。



「珠代ちゃんは行動が予想外過ぎて面白かったけど、孫の彼はどうだろうネェ……」


食事用らしい仮面から、いつもの狐面に付け変える。


「期待してるよ。凛太郎君」


狐面の怪しい大家はにんまりと笑った。

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