↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/49

降臨祭の準備

ウォドリング国に入国してから数日。

最初の街を出発し次の街へと入った花春達はまた街を見て回っていた。

また西側諸国の魔物とも戦い新たな青魔法も覚えている花春。

青魔法と薬の知識は組み合わせる事でさらなる力を発揮するのだ。


「なンか街が賑やかだね」


「そういえばもうすぐ降臨祭ですわね、その準備だと思いますわよ」


「降臨祭?宗教の神様が地上に降り立った記念日とかですか?」


フリージアが言うにはもうすぐ降臨祭が行われるという。


降臨祭は宗教の神様が地上に降臨した日を祝う祭りらしい。


「降臨祭かぁ、この国の宗教のお祭りだよね」


「そのようです、西側諸国のほぼ全ての国での国教なので、他国でもやるようですね」


「ならそのお祭りに参加してみたい、ちょっと興味があるし」


「お祭りの開催は一週間後、前夜祭をやった後本祭が行われますわよ」


「なるほど、なら一週間ほどこの街に滞在してそのお祭りに参加しようよ」


とりあえずこの街に一週間ほど滞在して祭りに参加する事に。

準備なんかも楽しそうなのでそれを見て回る。


なお祭りの当日は冒険者クランも依頼の受付を停止するらしい。


それだけ特別な日という事なのだろう。


「降臨祭、ですが宗教のお祭りですから、思ってるほど楽しくはないと思いますわよ」


「でも前夜祭は賑やかになったりするンでしょ?」


「まあ前夜祭はそうなるだろうな、本祭は意外と厳かだぞ」


「へぇ、まあ降臨祭だから本祭はそこまで賑やかでもないのかな」


本祭は厳かな日になるという降臨祭。

なので前夜祭はそれとは対極的に賑やかになるという事らしい。


だからこそ降臨祭の本祭は神の降臨を祝福する日という事なのだろう。


そういう意味ではクリスマスに近い祭りなのかもしれない。


「それにしてもこの国の神様ってどンな神様なンだろう」


「教典によると死病の予言をしたと書かれているらしいですわよ」


「死病の予言、それで救われた家族がいて、そこから信仰になったみたいな感じなのかな」


西側諸国で信仰されている神、それはかつて死病の予言をした事から始まるという。

西側諸国のある街に生まれた一人の子は、生まれてすぐに井戸の水を飲んではいけないと言った。


それから数日後その街で井戸水を飲んだ人達が次々に死病で亡くなった。


そこからその子は神の子、神の降臨などと言われた。

そして神格化され今の宗教の始まりと言われる。


だがその神の子はその信仰を恐れる当時の為政者により処刑されたという。


そして処刑された事でそれが神の逆鱗に触れたとされている。

その子は神の子である、処刑直後にその国を大嵐が襲い、さらに大地震が起きたとか。


その天変地異でその国は滅びた、それが西側諸国の宗教の大まかな内容なのだという。


宗教なんてそんなもの、どこまでが本当かは分からないのも宗教の教典か。


神様も結局は為政者が生み出した虚構なのか、本当にあったからこそ神格化されたのか。

花春は宗教に対するイメージはそこまでよくないのも確かだ。


ただの人を神と同化させた、宗教なんてそんなものなのかどうかは分からないものだ。


「宗教の教典に書かれてる内容はなンとなく分かったけど、胡散臭いなぁ」


「まあ宗教というのはどこまでが本当なのか分からないものだぞ」


「そうですわね、結局は神格化されたその人が本当に神の子であったかなんて分かりませんのよ」


「神、信じるのは好きにすればいいとは思いますけどね」


「そうですね、私達は風の精霊を信仰しているので、信じるものなんて人によって違いますよ」


イーリアは風の精霊を信仰しているという。

種族が理由なのだろうが、信仰は国や種族が変われば変わるものだ。


それを否定もしないが押し付けもしない、信仰なんてそれでいいのである。


「でも降臨祭、神の子が降臨して死病の予言をしたかぁ」


「病気というのは多くは外部から持ち込まれるものです、それが人の移動などで広まるのですよ」


「パンデミックって基本的に外から入ってきた病気が一気に広がるものだしね」


「その井戸水から広まった死病も計略の一部でしかなかった、そういう可能性もありますね」


「その神の子は本当に神の子だったのか、まあ歴史の中で改竄されていったのかな」


神様だって歴史の中でそれは改竄されていくもの。

つまりは国の建国の祖は盗賊や山賊だった、だがそれが歴史書に書き残される事はない。


そんな話に近いものはあるのだろうと花春は思っていた。


宗教の神様は国の建国の祖と似ているのかもしれないと。


国を建国したのは盗賊や山賊だった、だがそれは決して歴史には残らない。

民に不都合な真実を伝えてはならない、それが政治であり国の歴史なのだ。


だからこそ政治家や王族は合法的な簒奪者などと言ってもいいのか。

国の歴史や宗教の神は不都合な部分は歴史から抹消されるのだろうと。


「神様自体はあたしは否定しないけど、よその神様を否定する神様はクソだと思うよ」


「花春さんは神様は信じていても、神様にも多様性があるべきという考えですのね」


「マスターの宗教観は独特な気がします、少なくともこの世界にはないものかと」


「そりゃよその宗教を否定したらそれは文化的な侵略行為だからねぇ」


「でも私達は国を建国した人の名前なんて知りません、神様もそんなものなのかもですね」


ペリスは歴史は結構好きな方ではある。

しかし建国者が何者であったかを知る機会はないという。


建国者は何者なのか、どこから来た人なのか。


歴史と宗教に共通するのはそれが何者によって成された事なのか分からないという事なのだろう。


「降臨祭自体は楽しみだけどね、神様だって楽しい方がいいと思うし」


「あら、言いますわね、そういうの嫌いじゃありませんわよ」


「お祭りは楽しンでこそでしょ、それがお祭りなンだと思うよ」


「なら準備の手伝いでもするか?冒険者クランに祭りの準備の手伝いの依頼も来ているだろう」


「それもいいね、少し見に行こうか」


冒険者クランに向かい依頼を確認する。

そこには確かに祭りの準備の手伝い関係の依頼が多く来ていた。


とりあえず出来そうな依頼を受け祭りの準備を手伝う事に。


必要な資材の調達や料理の仕込み、葡萄酒とぶどうジュースを揃えるなどの依頼があった。


降臨祭の期間は稼ぎ時らしく、祭り関係の依頼は簡単な割に報酬が美味しいという。

祭りはそれだけみんなで協力して作り上げ、そして楽しむという事なのだろう。


花春達もそれを手伝い、気がつけば夕方になっていた。

広場にテントを張り今日はゆっくりする事にした。


「降臨祭は一週間後か」


「一週間の滞在になりますわね、まあたまにはいいと思いますし」


「はい、西側諸国のお祭りに参加してみたいとは思っていたので」


「降臨祭、宗教は国の歴史と密接な関係にある事も多いものですからね」


「人間達の信仰を学ぶのにもよさそうではありますからね、楽しみですよ」


そんな一週間後の降臨祭を楽しみに一週間湖の街に滞在する事に。

西側諸国の広くで信仰されている宗教なので、西側諸国の他の国でも降臨祭は行われる。


なお国によって若干の違いはあるものの、大体は同じ内容なのだという。


西側諸国の多くの国で信じられている宗教、降臨祭があるのは敬虔な信徒が多いという事である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。