ランクアップと運のステータス
西側諸国に入って数日。
メスドラーマ国の首都まではまだかかりそうである。
そんな中次の街には一応到着した花春達。
そこでクエストをいくつか消化した中でランクアップが出来るようになった。
「ランクアップ試験を受けるのに必要なポイントが溜まったっぽいね」
「ならランクアップ試験を受けてきてはいかがです?上を目指すなら早く上がるに限りますわよ」
「ですね、では試験を受けてきます」
そのまま花春達四人はランクアップ試験に臨む事に。
まずは筆記試験を終え、そのまま実技試験を言い渡される。
「あたしの実技試験はハードボアを三体討伐か」
「私はサンリーフの採取ですね」
「目的は四人バラバラだけど、共闘は許可されてるから討伐と採取で二人に分かれようか」
「そうですね、では私と花春さん、サミヨさんとイーリアさんに分かれますか」
「しっかりとやってくるのだぞ」
そのまま討伐と採取に分かれ実技試験に臨む。
それからしばらくしてそれぞれが冒険者クランに戻ってくる。
実技試験は無事に突破し四人はランクアップする。
花春とサミヨはCランクに、ペリスはDランクに、イーリアはBランクに昇格する。
ランクアップはBまでは割とスムーズにいけるが、Aからはポイントも多くなる。
なので一旦の区切りはBランクであり、Aランク以降は本気を試されるようになるとか。
ついでにスキルポイントなども溜まっていたので、それを各自割り振っておく事にした。
ちなみにステータスにはボーナスポイントというものがあると説明を受ける。
5レベルごとにボーナスポイントがもらえ、それを好きなステータスに割り振れる。
レベルリセットをすると増加値はリセットされるが、ポイント自体は残るとか。
ボーナスポイントはCランクから解禁されるものらしい。
そこからさらに運のステータスについての説明を受ける。
「みなさんはラックのステータスは意識した事はありますか?」
「ラック、運のステータスだよね?あまり意識した事はないけど、恩恵は大きいのかな」
「ラックは様々な事に影響します、例えばクリティカル発生率やレアドロップ率などですね」
「まあその辺は分かります、まだあるんですか?」
「他にはユニーク装備のドロップ率、状態異常の成功率、魔物から逃走しやすくなるなどです」
運のステータスはそれだけ多岐に渡って影響するという。
ちなみにここで重要になるのが状態異常の成功率だとか。
即死攻撃も状態異常に含まれるらしく、運が高くなると即死攻撃も効きやすくなるとか。
そしてここで侍や忍者というクラスの事も聞ける。
侍や忍者は装備可能な刀に即死効果がついているものが多い。
要は運のステータスが高い侍や忍者は刀の攻撃で雑魚敵に高確率で即死を入れられる事になる。
アンデッドや霊体や大型の魔物でもなければ雑魚にはほぼ即死が効くという事らしい。
なので侍や忍者は雑魚相手には無類の強さを発揮するのだとか
「ラックのステータスは他にもシンプルに攻撃の命中率や回避率にも影響しますよ」
「なるほどなぁ、状態異常の成功率は地味に大きいかも」
「はい、状態異常が効くという事はそれだけ戦いを有利に進められますから」
「シンプルな状態異常魔法はもちろん、追加効果の状態異常も入りやすくなるんですね」
「はい、なので搦め手を戦術に組み込めるようになると戦術の幅が広がりますよ」
搦め手が効く相手は結構多いとも聞く。
ボスは基本的に耐性持ちが多いが、完全耐性持ちは少ないとか。
なのでボスクラスの強敵でも搦め手が決まれば一気に有利に持っていけるとか。
「とりあえずラックのステータスは上げておいて損はありませんよ」
「ボーナスポイントは何に振るかは考えるべきなのかな」
「あとラックのステータスはパッシブスキルの発動率に影響するものもありますよ」
「パッシブスキル、そういえば私のヴァルキリーのスキルにオートカバーとかがありますね」
「いい着眼点ですね、例えばですがヴァルキリーのオートカバーは運が影響しますよ」
運のステータスが発動率に影響するパッシブスキルもある。
サミヨの現在のクラスのヴァルキリーにはオートカバーがある。
これは自動的に味方をかばい、ダメージを軽減するパッシブスキルだ。
発動率は素早さと運のステータスに依存しているという。
「確率発動系のパッシブスキルは、発動率が上がるステータスを意識してみるといいかと」
「パッシブスキルの発動率はスキルによって異なるのか、覚えておこう」
「ではラックのステータスの説明は以上になります、さらなるランクアップを期待していますよ」
そんなわけでランクアップクエストは無事に終わる。
とはいえランクによってレベルキャップがあるためまずはランクを上げる事を目指さねばならない。
ただBランクから上は道のりも一気に険しくなる。
現在AAランクの花山がどれだけの研鑽を積んできたのかが分かる。
そんな花山ですら最高ランクのAAAには到達していない事から、その難しさが分かる。
「さて、ではランクアップを祝って祝杯でもするか?」
「いいね、たまには少し贅沢でもしようか」
「ならいいお店でも探します?それとも安いお店で豪遊にします?」
「安いお店で豪遊がいい!」
花春は安い店で豪遊がいいという。
他も特に異論はないようで、昼間の酒場に行き豪遊する事に。
「はぁ~、昼間の酒場は料理屋になるのか」
「酒場は昼間と夜では顔が変わるからな、夜は文字通りの酒場になる」
「昼間は料理屋なんですね、庶民向けの」
「とりあえずたっぷり食べようか」
「ええ、お金もありますしね」
そのまま酒場で大量の料理を頼み豪遊した一行。
祝杯を上げた一行は次について相談する。
目的地は首都のラアンベリなので、今は首都を目指しているわけで。
「次の街までは今日中に着けるかな?」
「恐らくは間に合うだろう、夕方には着けると思うぞ」
「ならまずは次の街に移動して、そこで一夜を明かして首都に向かいますか」
「うン、それでいいと思うよ」
「ならまずは次の街を目指しますか」
そのまま街を出発し次の街を目指して街道を進む。
街道は整備されているものの、道を外れると森などが広がる。
野盗なんかは街道を外れると多く見かけるようになるという。
「それにしても道は一応整備されてるのか」
「公共事業で街道の整備などはしていますもの、あくまでも街道の整備ですが」
「つまり道を外れると命の保証はしませんという事なんですね」
「そういう事ですわ、公共事業は平民や貧民への仕事の斡旋も兼ねていますのよ」
「西側諸国はまとまったお金は入手しにくいですが、仕事自体は普通にあるんですよね」
西側諸国は平民などの仕事自体はそこまで困っているような事はない。
その一方でまとまった大金は入手しにくいシステムになっているという。
なので生活に困る事はよほどの事がなければまずない。
その代わり一度に高額な大金を手に出来るような事はほぼ無理なのだと。
そんな話をしながら街道を進み次の街へと入っていく。
ちょうど夕暮れになったので、テントを張って一夜を明かす事に。
「さて、明日はこの街を見て回ってそれから首都に向かおうか」
「そうですわね、首都はもうすぐですわ」
「この街も見て回りたいですからね」
「観光もまた大切だからな、旅の醍醐味と言えば観光も含まれるものだ」
「花山さんは意外と観光も楽しむタイプなんですね」
まずはこの街を見て回り、それから首都へと向かう事で決まる。
首都はそれだけ華やかな街であり流行の発信地だ。
貴族は流行の発信者であり、王族や貴族が使っているものにはそれだけ箔が付くというもの。
王族や貴族はそれだけブランドというものを生み出す存在でもあるのだ。




