サバンナと獣
密林の国を出発しサバンナに入った花春達。
サバンナには国はないが、小さな集落がいくつか点在している。
そんなサバンナでは今問題になっている事もあるとか。
国はないものの集落のハンターから話は聞けるのか。
「ここがサバンナなンだね」
「ああ、野生動物や獣の魔物が多い、国はないが集落はいくつかあるな」
「とりあえず集落に行ってみますか」
まずは近くの集落へと向かう事に。
今サバンナではハンター達も頭を悩ませている事があるとか。
「ここがその集落か、人は少ないけど弓とかがあるから、ハンターはそれなりにいるのか」
「とりあえず話でも聞いてみますわよ」
ハンター達に話を聞いていくと、今のサバンナで起きている事が見えてくる。
どうやら他国の一部のあくどい貴族達が動物の密猟をしているとか。
それにハンター達も頭を悩ませているとの事だ。
「ハンター達が言ってた事って本当なのかな」
「動物の密猟者がいるという事ですわね」
「ええ、でも我々にどうにか出来るとは思えませんが」
「そうですね、ただそんな悪徳な貴族はいずれ捕まりそうですが」
「サバンナは国こそないが、一応砂漠の国の統治下ではあるからな」
サバンナは砂漠の国の統治下ではある。
国こそないものの、砂漠の国の領土として扱われている。
しかし密猟者以外にも問題が起きているようで。
「そういえば密猟者の他にアリの魔物が増えてきてるって聞いたけど」
「アリの魔物、以前は聞かなかった話ですわね」
「フリージアでも知らない話なのか」
「アリの魔物、なぜそんなものが増えたのか」
「少し気になりますよね、何があったのか」
ハンター達が言うアリの魔物が増えたという話。
それについても少し調べてみる事に。
国はないが砂漠の国の統治下ではあるので、クラン支部は一応あるようだ。
なのでそこに行ってアリの魔物について聞いてみる事にした。
「アリの魔物、ええ、確かに最近は増えているようですね」
「討伐とかはしないのか?」
「討伐依頼などは定期的に出すのですが、倒しても数が減る様子がないんですよ」
「つまりどこかに卵を産ンでいる女王アリがいるのかも、それを倒さないと意味ないと思う」
「女王アリ、しかしどこに…」
花春が言うように、討伐しても数が減らないのは女王アリがいるからだろう。
それがいるとしたら恐らく地中になる。
しかしそこにどうやって行くのかが問題になってくるわけで。
「とりあえずそれについては調査をしてみます、東の集落がアリに滅ぼされたと聞いているので」
「すでに滅んでいる集落があるんですか」
「ええ、ですが女王アリの捜索はやってみます」
「ああ、とりあえず我々も少し調べてみる」
「ありがとうございます、何か分かれば遠慮なくお伝えくださいね」
とりあえず花春達もアリについて調べてみる事に。
サバンナには何かと脅威が迫りつつあるという事なのか。
とはいえこの人数で何かが出来るとも思えないが。
「サバンナって獣の肉が主に食べられてるンだね」
「ええ、このサバンナは人は少ないので、それで足りるんですのよね」
「そこに密猟者やアリの魔物か、面倒な話も多いな」
そんなサバンナに静かに迫っている脅威。
とはいえ少数でどうにか出来る話でもない。
まずはサバンナを見て回る事にした。
「確かに獣ばかりですね、下手に刺激しない方がいいんでしょうけど」
「そうだな、まあ野生動物でも人に懐くのもたまにいると聞くが」
「野生動物に引っかかれたりしたら、大怪我するだろうしね」
「でもこんな近くで見られる機会はなかなかないですよね」
動物とこの至近距離で触れ合える場所はめったにない。
なので見ておくだけでもいい経験になるだろう。
しかし襲われれば怪我は避けられない。
なのでそれだけは気をつける事にする。
「そういえばサバンナって砂漠の国の統治下なんでしたっけ」
「ええ、直接的な領土ではなく間接統治ではありますが」
「つまり領地ではあるものの、遠方にある領地みたいな扱いなんですね」
サバンナは砂漠の国の領地。
間接統治ではあるので、クランの支部は一応ある。
なので密猟者なんかは砂漠の国から派遣された軍隊が逮捕などはしている。
だが賄賂を握らされ黙認している兵士も何人かいるという。
そういうのは国が即座に国に呼び戻しているらしいが。
「サバンナにも何かとあるンだなぁ」
「野生動物の毛皮や牙なんかは高額で売れると言われていますもの」
「やっぱりそんな感じなンだね、エゴだなぁ」
「貴族にはそういう不届き者もいるんですよね、同じ貴族として恥ずかしいですよ」
ペリスの家は割と真っ当な貴族である。
なのでペリスもそんな不届きな貴族には憤っている様子。
密猟は言うまでもなく犯罪であるからこそだ。
「そういえば密猟で狩り尽くされて絶滅した獣とかいたなぁ」
「そんな事をする人は惨たらしく死ねばいいと思います、悪人に人権なんて必要ないです」
「ペリスさん、割と過激な思想の持ち主なんでしょうか」
「そういう事を言う辺りが驚きというか」
ペリスはたまに物騒な事を言うという事が分かった。
しかし悪人は悪人である。
悪人に人権は必要ないという辺りの過激さは感じた。
とりあえず密猟者を許せないというのは確かな様子。
「そういえばサバンナには精霊もいると聞いているな」
「精霊ってあたしにも見えるのかな?」
「私には見えますよ、たぶん霊感があるなら見えると思いますが」
「霊感、見えるならその人は他の霊も見えているという事になりますよね?」
サバンナは元々自然が豊かな土地ではある。
なので精霊もいるという事らしい。
とはいえ普通の人には精霊は見えないもの。
イーリアは精霊は普通に見えるとの事のようだ。
それは精霊との距離が近い場所で暮らしていたからなのか。
なので精霊の力を借りる事も出来るかもしれない。
湖畔の国でも精霊に関する依頼は受けたが、ここにいるのはもっと高位の精霊なのかもしれない。
「湖畔の国で依頼を受けた時は精霊は見えてたけど、このサバンナの精霊も見えるのかな」
「湖畔の国のものに比べるとここの精霊は高位になると思いますね」
「高位の精霊、高位ともなるともっと見えにくくなるんでしょうか」
高位の精霊になるとまた霊感が強くないと見えないという事になるのか。
湖畔の国で依頼を受けた時の精霊は普通に見えていた。
サバンナの精霊はそれと同じように見えるのか。
それを気にしつつサバンナの広大な景色を見渡す。
その広大さの前には人は小さな存在だと思ってしまう花春。
また集落にあった支部の人達が女王アリについての調査も進めているようだ。
女王アリの住処を見つけたら、冒険者を動員して討伐に乗り出すのか。
「日が落ちてきたね、テントを張って休もうか」
「アリの討伐についても何か進展があるといいですが」
「サバンナの精霊も気になります、湖畔の国の時と同じように見えるんでしょうか」
とりあえず手持ちの食材を使い夕食を作る。
それを食べて休んでいると、支部の職員が訪ねてくる。
東の集落を調査した結果アリの巣への入口を見つけたという。
花春達も討伐に協力してくれないかとの事らしい。
それを引き受けアリ討伐へと向かう事に。
夜のアリ掃討作戦が始まる。
「さて、アリの討伐って事だけど」
「油断はするな、人間の集落を一つ滅ぼせるような相手だ、弱いはずがないからな」
そうして花春達もアリの討伐のためアリの巣に飛び込む。
討伐は成功するのか、犠牲が出たとしても少ない方がいいのは確か。
久しぶりに気合いを入れて臨む事になる。
アリは強敵、覚悟を決めていざ行く事になった。




