密林の名物
密林の国に滞在してからしばらく。
クエストをこなしつついろいろ見て回っている。
そんな中密林の国にはとある名物があるという。
それは日本では高級と言われていたもののようで。
「密林の国には遺跡が多いンだね」
「この国は古代の人類の痕跡も多いと聞くからな」
「古代人みたいなのっているンだなぁ」
先日遺跡の龍から聞いた古き民の話。
つまりこの世界は一度滅亡の危機に陥っていたという事なのか。
「さて、またクエストを消化するわけだけど」
「何を受けますの?」
「うーン、ならこれにしようかな」
「はちみつの入手、そういえばこの国はハチが多いと聞いていますね」
「美味しそうなはちみつ、ぜひとも手に入れなきゃ」
そんなはちみつの入手依頼。
つまり蜂の巣を採ってこいという事になる。
そんなわけで密林に蜂の巣を採りに行く事に。
「それにしてもハチの魔物も多いけど、それが作ってるはちみつなのかな」
「そうらしいとは聞きますね、ハチの魔物が作るはちみつは美味らしいですよ」
「マジか、なら絶対手に入れなきゃ」
それから密林を少し探すとその蜂の巣を見つける。
蜂の巣を採ろうとすると、言うまでもなくハチの魔物がたくさん集まってくる。
そのハチの魔物を倒しつつ蜂の巣を手に入れる。
蜂の巣を納品し、依頼の報酬としてはちみつをいただく。
何か料理に使えるか考えつつこの国のもう一つの名物が目に入ってくる。
もう一つの名物というのは日本では高級なあれだ。
「この国ってうなぎが名物なの?」
「うなぎ?ああ、イールの事ですわね、この国のイールは美味しいと聞きますわよ」
「どこかで食べられたりしないのかな」
「イールが食べたいのならそれなりに高級な店に行かないといけないようですね」
密林の国の名物ははちみつとうなぎ。
はちみつはもちろん、うなぎも結構な美味だという。
花春も料理は得意だが、流石にうなぎは捌けないらしい。
なのでうなぎを食べられるお店に行く事に。
「うなぎ、結構いい値段がするなぁ」
「この国のイールは美味しいと聞きますが、高級なので平民には手を出しにくいんですのよね」
「それでどうする?食べるのか?」
「そういえば見る限りうなぎは白焼きしかないのか、うな丼のタレみたいなのはないのかな」
「うな丼のタレとは?どんなものなんですか」
うなぎは店で食べるといい値段がするが、食材屋で切り身だけが買えたりもする。
とはいえうなぎのタレみたいなものはこの世界にはない様子。
基本的に白焼きで食べるのが一般的なようだ。
「よし、食材屋でうなぎの切り身を買おう、あとタレは自作する」
「そんなにイールが食べたいんですのね」
「花春さんにとってうなぎは好物なんでしょうか」
切り身だけ買ってタレは自作する事にした花春。
しかし密林の国はうなぎではたくさん採れるといううなぎ。
それなのに高級扱いというのは少し気になるところだ。
「しかしこの国ではイールはたくさん採れると聞きますが」
「それなのに高級扱いなのか、観光客向けのぼったくり価格なのかな」
うなぎが高いのは観光客向けのぼったくり価格なのか。
食材屋で見たうなぎの切り身は飲食店のそれと比較してもかなり安く買えた。
やはり飲食店のそれは観光客向けの価格設定なのだろう。
「さて、今夜はうなぎにするとして、はちみつも何かに使えないかなぁ」
「お菓子でも作ればいいんじゃないですか?」
「そういえばイーリアは割と甘党だったね」
「花春さんの作るお菓子も食べてみたいですしね」
「なら何かお菓子でも作るか、小麦粉とかも買わないとね」
はちみつはお菓子作りに使う事にした。
しかしうなぎのタレを自作するとなると、少し甘めのものにするかとなる。
ついでに山椒も欲しくなるが、異世界で山椒は手に入るのか。
「しかし花春さん、イールがそんなにお好きなんですの?」
「好きっていうか、特別な日に食べるみたいなものだったから」
「そんなものなんですか?イールって」
「そういう文化はないのか、こっちだと」
「花春さんはうなぎが好きというのは伝わりますね」
こっちの世界だと密林の国ではうなぎは名物の食べ物ではある。
しかし他の国だと見なかった食べ物なので、採れる国は限られるのか。
うなぎは海沿いより川沿いの国でよく食べられているのかもしれない。
つまり密林で、川のあるこの国では魚は川魚、うなぎも川で採るのかもしれない。
「そういえばこの国の食べ物って魚なンかも見るよね?」
「この国は川魚もよく食べられているらしいな、海より川が近いからなのだろう」
「川魚かぁ、泥臭くて下処理が面倒な食べ物っていうイメージはあるよね」
「一応食材屋に行けば下処理が終わったものは買えるみたいですよ」
「花春さんは料理が好きですし、食べ物にはうるさいですよね」
この国では川魚がよく食べられている。
それはつまり川が多い国という事でもある。
海に行くより川に行った方が簡単に魚が手に入るという事なのだろう。
「でも国によってその国の名物みたいなのはあるンだね」
「国によってはドラゴンの肉が名物の国もあると聞きますよ」
「ドラゴンの肉ってマジなの?」
「はい、まあドラゴン自体強い魔物なので、その国が特殊なのかと」
「世界には多様な名物があるからな」
ペリス曰くこの世界にはドラゴンの肉が名物の国もあるという。
ドラゴンの肉が名物というだけで気になってくる。
花春もますます興味が湧いてきたようだ。
「さて、それじゃテントに戻ってうなぎの調理をしますか」
「楽しみにしていますわよ、花春さんが作るのなら不安はありませんしね」
「うン、それじゃ早速やろう」
そのまま広場のテントへ戻りそこで調理を開始する。
うなぎの切り身はしっかりとよく焼いて、そこに自作したタレをかけていく。
そうしてうなぎの蒲焼が完成する。
はちみつはそれてはまた別にお菓子に使う事にした。
「うな丼の完成!これなら美味しく食べられるはず!」
「確かに美味しそうですね、うなぎのタレというのは」
そんなうな丼はみんな美味しくいただいた。
そのあとは食後用に作っておいたミルクアイスを持ってくる。
はちみつはそのミルクアイスにかけていただく事に。
ちなみにテントに冷凍庫がついているのは、錬金術によって作られた設備らしい。
はちみつがけミルクアイスも美味しくいただいてみんな満足したようだ。
「それはそうと次はどこの国に行く?」
「ここからだと西にある砂漠の国になりますわね、北はサバンナになっていますし」
「サバンナもあるのか、サバンナには国はないのかな?」
「サバンナには国こそないが、獣を狩って暮らすハンター達が暮らす集落はあるそうですよ」
「ハンターが暮らす集落かぁ、流石にサバンナに国は作れなかったのか」
サバンナに国は作れない、それはそれだけ獣や魔物が多く徘徊しているという事になるのか。
なので国はないがハンターが暮らす集落が点在している感じなのだろう。
花春は少し気になっているようで、サバンナに行きたいと言い出す。
「あたしはサバンナに行きたいな、広大なサバンナに行ってみたかったし」
「しかし野生の獣や獣の魔物は結構強いですわよ?」
「行きたいというのなら我々はそれについていくだけだが」
「うン、それじゃ次の目的地はサバンナに決まりだね」
「サバンナ、やっぱり空を飛べる広い屋外の方が好きですね」
そんなわけで次の目的地はサバンナに決まる。
サバンナには国こそないが、ハンターが暮らす集落が点在しているという。
なおサバンナは砂漠の国が間接的に統治しているとか。
そんなサバンナを楽しみにしつつ、翌朝には国境に向けて出発した。




