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伯爵家でのお試し期間もあっという間に明日が最終日。侯爵家に初めてお邪魔した頃の事を思えば終盤は本当に緊張する事もなく楽しく過ごせたと思う。

明後日には侯爵家の方々が私の結論を聞くためにこの屋敷にやってこられるはずだ。

でもここまで来ても私の中で結論が出ていない。最初はどうなる事かと思ってた貴族のお屋敷での暮らしは思ったよりずっと快適でむしろ色々な事が出来て楽しい位なんだよね。

ただ侯爵家か伯爵家かどちらかを選ばないといけないというのが問題で、しかもそれはイコールセイかテウかどちらを選ぶかって事に直結してるのがなぁ…

そんな事を考えていたらノックの音が聞こえて来た。こんな時間に誰だろう?

「はい、どうぞ」

「遅い時間にすまない。フィーに伝えるのを忘れていた」

そう言って入って来たのはテウだった。私同様すっかりくつろいだ格好で、家族と会う時でもきちんとした服装をしているのが常の貴族としては珍しい。

「実は明日セイが来る事になってて、せっかくだから3人で少し出かけようと思ってるんだ。だから明日は少し早起きになってもいいかな」

「え?結論出すのは明後日だよね?なのに明日セイが来るの?」

「ああ、フィーが結論を出す前に自分の事を忘れてたら不利だから、とさ」

テウが苦笑するけど、確かに直近の出来事の方が印象に残りやすいのは確かだから正当な主張なのかも。

「そうなんだ。どこへ行くの?」

「郊外の湖へピクニックに行く事になってる。メイド達には伝えてあるからそのつもりでいてくれ」

「わかった。わざわざありがとう」

「いや。フィーは何してたんだ?」

「うーん、そろそろどうするか決めなくちゃだから色々考えてた」

「てことは、まだどっちにするか決まってないんだ」

「うん。ただお世話になるだけならどちらの家にも不満はないんだけどね」

「俺かセイかどちらを選ぶかが決まらない、か」

その言葉には何も返事をしなかったけど、テウは苦笑して部屋から出て行った。

たった2週間の付き合いでもテウもセイも私なんかには勿体ない位いい男になるだろうってわかる。今でも十分いい男だし。

そもそもあの二人は私が嫁でいいのかな?今更ながらに不思議になる。

将来性を見込んで養女にするってのはありでも、わざわざ息子の婚約者にって言い出してるのはなんでなんだろう。

それについてどちらの家からも特に何も言われてないけど、なんか理由がないと変じゃないかな。

明日ピクニックに行った時に二人い聞いてみよう、そう思って今夜これ以上考えるのは止めてさっさと寝る事にしたのだった。



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