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ウェルドリッジ伯爵家1

朝食の後は侯爵家から着て帰って来たワンピースへ着替えた。

侯爵家ではエリサに綺麗にメイクして貰ったけど、我が家にはそんなメイク道具はないし、もし同じものがあったとしても自力で同じには出来そうもないしすっぴんのままなのは勘弁して欲しい。

ホント下手にドレスだったら素顔とアンバランス過ぎて泣けるとこだったね。

そう言えば、侯爵家へ行く時は自分の着替えを持参したけど、どう考えても伯爵家でも私の普段着着るのは無理だよね。という訳で今回はもうはなから身ひとつで行く事にした。下手なもの持って行っても処分されかねない。

着替えが済んだ後は、服が汚れるといけないので家の仕事の手伝いも出来ないし、手持ち無沙汰に店をうろうろしたら掃除の邪魔だと追い出された。

この格好で家から出るとまた浮くしなぁと一旦自分の部屋へ戻ろうとしてたら外がざわざわしだしたんで

多分お迎えの馬車が来たんだろうと入り口に向かうと、キラキラした少年、いやもう前回会ってるからテウだってわかってるけど、なんでまた伯爵子息自らお迎え来るかなぁ。

「こんにちは!」

「こんにちは。お久しぶりです。ルテ、ルティウス様」

気取りのない元気な挨拶に反射で返したら見事噛んだ。

「あはは、別にテウでいいって。俺の名前いいにくいだろ」

「すみません。助かります」

そこまで言ってから慌てて、侯爵家でのマナーレッスンを思い出してスカートをつまんで膝を軽く折る。

「へえ。この間とは少し雰囲気変わったね。侯爵家のレッスン大変だった?」

セイと違ってテウの方は最初からフランクでどんどん踏み込んでくるタイプなのか。まあこちらとしてはその方が気を張らなくてもいいから助かるかも。

「そうですね。短期間で沢山の事を教わったので頭パンクしそうでした。それにしてもまさかテウ様がお迎えにいらっしゃるとは思いませんでした」

「様とかもいらないし、敬語もなしでいいよ。侯爵家ではセイ様とか呼んでたのか?」

「いえ、セイと呼び捨てで良いとはおっしゃって頂きました」

「敬語」

「あー、そこは追々で。まだほとんど初対面みたいなものだし、テウ、さんの方が年上なんだし、いきなりはちょっと難しいかな」

「ふーん。でもフィー、フィーって呼んでもいいよね?」

「はい、勿論です」

「フィーはあんまり年下って気がしないんだけどな」

入り口に立ったままで話してる私とテウを家族がビックリして見てるのにそこでようやく気が付いたテウは更ににこやかに挨拶をした。

「フィーを迎えに来ました!ご両親とは先日お会いしたが、そちらは姉妹かな?」

急に自分たちの方へテウの意識が向いたせいなのか、セイとはまた違ったイケメンだからなのか、マリーもミリーも興奮が隠せない。どうやらミリーが一番面食いらしく又してもテウを見る目がハート型だ。セイの時よりむしろ熱がこもってるかも。

マリーの方はセイで多少免疫がついたのか、ミリーに比べれば落ち着いてる。

「姉のマリーと妹のミリーです」

私の紹介に二人が会釈すると、テウが軽く手を挙げて挨拶する。その様子がまたイケメンでミリーが小さくきゃあと声を上げたけどこれはしょうがないと思う。

「フィーの荷物はあるの?」

「いえ、特には。身ひとつで伺おうかと思ってますが、何か持参した方がいいですか?」

「いや、君が暮らすのに必要なものは全てこちらで準備してるから特には必要ないよ。お気に入りのぬいぐるみとかあれば持参したらいい」

「いえ、もうそういう年でもないですし」

「確かにフィーはそういう感じじゃなさそうだね。ベルの部屋には一杯置いてあるんだが」

「ベルさん?」

「ああ、妹だ。フィーより1つ下なんだか、君に比べたら随分子供っぽいかもな。後で紹介するよ」

そう言えば伯爵家には年の近い女子がいるって話だった。私がプレイしたとこまでではゲームにテウの妹の登場はなかったけど、仲良くなれるといいな。そんな事を考えつつ馬車に乗り込んだ。





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