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緊張しつつ夕食の時間をまっていたら部屋にセイが迎えに来てくれた。
「そのドレスも悪くないけど、やっぱりちゃんとサイズを測って君の為のドレスを作らないとね。その髪型とても似合ってるよ」
ヘアメイクもエリサとロザリーが綺麗に仕上げてくれてた。この世界に来てメイクしたのは初めてなんたけどプロ?のメイドさんの腕は流石の一言だった。多分前世でいう処のメイクアップアーティストにあたるんだろうなぁ。肩より少し下までの長さしかない硬めで扱いにくい私の髪を、綺麗に編み込んだり巻いたりしてリボンで留めてくれている。メイクも決して濃くならないように、でも肌映りがよくなるようにバランスよく色をのせてくれてる。
前世では面倒くさがりでこういう事にまったく手をかけてなかった自分でもその凄さがわかるよ。地味顔の私でもこれならマリーやミリーならどんな美人に仕上がるんだろうと思ったもんね。
「エリサとロザリーがとても素敵にしてくれました」
メイクが終わった時に二人にはお礼を言ってあるけどもう一度頷きかけたら笑顔を返してくれた。
「明日、新しくドレスを作って下さるとお聞きしたのですが、ドレスってそんなにすぐに出来るものなのでしょうか?」
「明日はすぐ着られる既製服も少し持ってきて貰うようにいってあるから大丈夫だよ。オーダーするドレスは君が伯爵家に滞在してこちらに戻ってくる頃には完成させるように言ってあるから」
それってこっちに戻ってこなかったらどうするんだろうって思ったのが顔に出てたらしい。
「もし、もしも君がそのまま伯爵家で暮らすことになったら、ドレスだけあちらの家に届けるしかないけど、そんな事にはならないと思ってるよ」
ウィンクしながらそう言ったセイが出してくれた手に対してどうするのが正解なのかわからなくて思わず彼の顔を見る。
流石の察しの良さで気づいたセイが私の手をとって自分の腕の上にそっと乗せてくれた。
そうかこの世界ではエスコートする時は手を組むんじゃなくて乗せるのね。
そうして彼にエスコートされて夕食に向かった部屋では侯爵様御一同が勢ぞろいしてた。
先日の召喚時にはいなかった人がふたり。次兄のクヴァル様と長兄ディードリッヒ様の婚約者、ローザリア・シャリオット侯爵令嬢だった。
初対面の二人も穏やかに話しかけてくれて最初の緊張がとけてくると徐々に料理の味もわかるようになってきたんだけど、本当にこの家のお料理美味しいのよ!料理長の腕が良いんだろうけど、今日みたいな料理を毎日食べてたらあっという間に太りそう。こりゃあコルセットがいるわけだ。
食事の終盤にはそんな呑気な事を考えられる程度には落ち着いてきていた。
ひとまずこれからの数週間は今まで(前世も含めて)の人生で経験したことのないような事が色々経験できるんだから、思い切って楽しんで行こうと心に誓って侯爵家1日目を終えた。




