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後日談 Love Forever

本日は2話、更新しました

雪が溶け、もうすぐ春の訪れが聞こえる頃。リスファリア国の時計塔の針が昼の10時を指した時、街にある個人経営ではなく夫婦経営の診療所『グローニャ』に一人の騎士がやって来た。


「騎士さま!」

「リサか」


出迎えたのは真冬に騎士が助けた少女のリサ。だが、今はエリアスの正式な助手であり妻、リサ・クロリット。


「エリアスはいないのか?」

「エリアスは今、婚姻届の紙を貰いに役場まで行っています」

「そうなのか」


エリアスとリサは先日、結婚式をあげたばかりの新婚夫婦であるが、婚姻届はまだ出していない。もちろん、その結婚式には騎士やフィン、街中の人が集まりとても騒がしい結婚式となったのを騎士は思い出していた。


「帰ってきたら結婚届に名前を書いて一緒に提出するのですよ」


惚気るリサに騎士は微笑む。実は結婚式をあげた頃からリサはエリアスさんではなくエリアスと呼ぶようになり、2人きりの時はエリアスの愛称、エリーと呼んだりする。


なぜ、2人きりの時のことを知っているのかと言うと、たまに騎士がその場にいても2人の世界に入りエリーやら、リサと甘い声で囁いているから。


「幸せそうだな」

「はい!あっ、それで今日はどうなされたのですか?」


惚気からすぐに仕事モードに変わる所がリサの良い所だと騎士は思った。そして、ここに来た目的をリサに話す。


「結婚式には出たが祝いのプレゼントを渡していなくてな」

「そんな!いいですよ!だって、騎士さまには色々、お世話になっていますし、私を助けて下さったのも騎士さまですから!」


首と手を大きく横に振り、要らないと言うリサ。しかし、騎士はそのリサの細くて綺麗な手を落ち着かせる。


「大した物じゃないから、受け取ってくれ」


騎士がリサの胸の前で両手をお椀の形にすると、そのくぼんだ中に突然、茶色い何かのタネが現れた。確か騎士は魔法が使えなかったはずだとエリアスから聞いているリサは驚いた。


「マジックみたいなものだ」


そして、騎士はリサの手の上にタネを置く。形はひまわりのタネのみたいで、とても軽い。しかし、タネからは薄っすらと魔力が滲み出ているような気がするとリサは騎士に言う。


「気のせいだろう。あと、そのタネは鉢植えに植えて陽の当たる所に置けば良い」


騎士が何のタネか説明する。どうやら、このタネが花を咲かせるためにはエリアスとリサが仲睦まじくしていれば良いだけ。


「このタネは特殊でな。夫婦の仲が良い程、咲く花が色鮮やかで綺麗になるんだ。で、その反対だと」

「真逆になるんですね」


簡単に言えば、このタネは夫婦の仲の親密度を糧にして成長するのだということ。その事を知ったリサは騎士に頭を深々と下げて礼を言う。と、その時。入口のドアが開かれエリアスが入って来たのだった。


「騎士君?」

「オレは結婚祝いのプレゼントを渡しに来ただけです」


人妻に手を出すなよ?そんな顔をしているエリアスに騎士は苦笑して足早に診療所から出て行きました。店のドアを閉めると2人の笑い声が聞こえてくる。そんな声を聞きつつ、騎士はその場から離れた。


「いつまで、お幸せに」


騎士の温かい言葉は2人の心に響いた。

短いお話でしたが

お付き合い、ありがとうございました

今回、素敵な企画に参加できとても楽しかったです。


そして、今日は12月31日。

みなさま、良いお年をーーーー

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