嵐の夜――幽霊船《ゴーストシップ》
その夜――海は、牙を剥いていた。
バニッシュたちの乗る交易船は、突如として襲いかかった大しけの只中にあった。
――ドォンッ!!
巨大な波が船体へと叩きつけられる。
船が大きく傾き、床が斜めに滑るように揺れた。
船室の中では、吊るされたランタンが激しく揺れ、ガチャガチャと不安げな音を立て、火は今にも消えそうに揺らめき、室内の影が歪んで踊っていた。
まともに立っていることなどできない状態で、バニッシュは柱に腕を絡め、踏ん張る。
「……すごい嵐だな」
その声は、揺れる船と波音にかき消されそうになる。
「ホントだにゃ~!」
そんな状況でも、リーはどこか楽しげに声を上げていた。
壁に背中を預け、嵐の揺れなど気にしないという余裕すらある。
「ああ……まさかこんな嵐に当たるとはな……」
バニッシュは苦く笑いながら、視線を横へ向ける。
「黒牙、大丈夫か?」
その問いかけに、黒牙は必死にベッドの柱にしがみつきながら顔を上げた。
「だ、大丈夫……!」
ドン、ドン!
扉が叩かれ、バニッシュは踏ん張りながら、どうにか扉へと手を伸ばす。
揺れに逆らいながら扉を開ける。
「すみません……!」
セレスティナが、必死に体勢を保ちながら立っていた。
その肩には――ぐったりと項垂れたリュシアの姿。
「うぅ……気持ち悪い~……」
顔色は悪く、完全に力が抜けている。
「リュシアが……船酔いしたみたいで……」
セレスティナは揺れに耐えながら、必死に言葉を繋ぐ。
船は再び大きく揺れる。
――ドォンッ!!
横殴りの衝撃に、全員の体がぐらりと傾いた。
「っ……!」
バニッシュはとっさに手を伸ばし、セレスティナとリュシアの体を支える。
「とにかく、中に入れ!」
力強く言い放ち二人を部屋の中に入れた。
「大丈夫か?」
激しく揺れる船内で、バニッシュはどうにか踏ん張りながら、セレスティナとリュシアをベッドへと座らせた。
リュシアはぐったりと背を預け、青ざめた顔で息を吐く。
「大丈夫じゃないわよ……何よこの嵐……」
言葉の最後が、波に呑まれるように揺れる。
外では、絶え間なく波が船体を叩きつけていた。
「海の天候は急変するからな……しかし……こうも酷いとは――」
――ドォンッ!!
「どわっ!?」
大きな揺れに足を取られ、バニッシュの体がぐらりと傾いた。
なんとか手をつき、体勢を立て直す。
「ホントだらしないわね~」
イリヤが宙をふわふわと漂いながら、腰に手を当てて言う。
「アンタは飛んでるからいいだろうけど……うぷっ」
リュシアが言い返そうと顔を上げた瞬間――こみ上げる吐き気に、慌てて口を押さえる。
その様子を見て、イリヤは小さくため息をついた。
「はぁ~……しょうがないわね!」
くるりと向きを変え、そのままバニッシュの荷物へと飛び込む。
ごそごそ、ごそごそ――中を漁る音が響く。
「お、おい……何してる……」
バニッシュが声をかけるが、返事はない。
「これね!」
イリヤが小袋を引っ張り出して飛び出してくる。
その中から取り出したのは、小さな緑色の丸薬だった。
彼女はそのまま、リュシアの顔の前まで飛んでいく。
「ほら!口を開けなさい!」
「な、何よ……」
リュシアがぐったりとしたまま顔を上げた――その瞬間。
「はいっ!」
ぽいっと、丸薬が口の中へ放り込まれる。
「ちょっ――!?」
突然のことに目を見開くリュシアは、反射的に飲み込んでしまう。
口を押さえながら、ぶるぶると体を震わせた。
「にっがぁーーーい!!」
船室に響き渡る絶叫。
「ちょっとアンタ! いきなり何すんのよ!!」
涙目でイリヤに詰め寄る。
だがイリヤは、まったく気にした様子もなく腕を組んだ。
「どう? まだ気持ち悪い?」
「え……?」
リュシアは一瞬きょとんとする。
そして、自分の体の違和感に気づいた。
「あれ……? そういえば……」
さっきまであれほどひどかった吐き気が――嘘のように引いている。
自分の手で胸元を押さえ、確かめるように呟く。
さっきまでの不快感が、確かに軽くなっていた。
「酔い止めの薬かにゃ?」
リーが興味深そうに覗き込む。
「そうよ!」
イリヤは胸を張るように腕を組み、ふんと鼻を鳴らした。
「アンタたちの街で調合を教えた時に、ついでに作っておいたのよ!」
そう言って、びしっとバニッシュを指差す。
バニッシュは一瞬きょとんとした後、すぐに小さく頷いた。
「そうだったのか……すまない」
素直に頭を下げる。
その横で、リュシアもゆっくりと顔を上げる。
先ほどまでの青ざめた表情は、かなり和らいでいた。
「……ありがとう」
少しだけ照れくさそうに、だが確かに礼を口にする。
イリヤは一瞬だけぴくりと反応し、照れ隠しするように慌てて顔を背ける。
「ふ、ふん!」
だが、そのやり取りの最中にも再び船体が大きく揺れる。
壁に打ち付けられるような衝撃が走り、ランタンの光が大きく揺らめいた。
嵐は、まったく収まる気配を見せない。
むしろ、さらに激しさを増しているようにすら感じられる。
バニッシュは表情を引き締めた。
「……ちょっと外の様子を見てくる」
そう言って、柱から手を離し、踏ん張りながら扉へと向かう。
「じゃあ、私も――!」
リュシアが立ち上がろうとする。
だが、その前にバニッシュが手を上げて制した。
「いや、薬で良くなったとはいえ、無理するな」
リュシアは一瞬言葉を失い、そして小さく唇を噛む。
「……わかったわよ」
しぶしぶといった様子で、再びベッドへ腰を下ろした。
バニッシュはそれを確認すると、視線をリーへと向ける。
「リーさん、少しみんなのことを頼む」
リーはその視線を受け、軽く手を振る。
「了解にゃ~」
どこか気の抜けた調子だがその声には、不思議と安心感があった。
バニッシュは一度だけ頷くと、荒れ狂う海へと続く扉へ、足を踏み出した。
バニッシュが甲板へと足を踏み出した瞬間――叩きつけるような暴風と豪雨が、容赦なく全身を打ち据えた。
――バシャァァッ!!
横殴りの雨が視界を奪い、息をするのも困難なほどの風が吹き荒れる。
足を踏み出しただけで体が流されそうになる中、バニッシュは必死に甲板の縄を掴んだ。
その先では、巨大な波が船体へと叩きつけられ、そのまま甲板へと乗り上げていた。
海水が一気に流れ込み、足元をさらう。
船員たちはその中で、転倒しないように体を低くしながら走り回っている。
「ロープを締めろォ!!」
「帆を下げろ!急げェ!!」
怒号と命令が飛び交い、嵐の音に負けじと響き渡る。
「舵を切れ!流されるぞバカどもがァ!!」
ガバルのひときわ大きな声。
雨に濡れた髭を揺らしながら、甲板の中央で怒鳴り散らしている。
「ガバル!!」
バニッシュは必死に声を張り上げ、風に逆らいながら近づいていく。
「んおう!?」
ガバルが振り返る。
「テメー何しに来た!?」
その目は険しく、怒りというより焦りが滲んでいた。
「俺も何か手伝えることはないか……!?」
バニッシュは踏ん張りながら叫ぶ。
「バカヤロー!! 素人に手伝えることなんか――」
「船長ーーー!!」
ガバルの言葉を遮るように甲高い叫びが、嵐を突き抜ける。
マストの上で見張り役の船員が、必死にしがみつきながら声を張り上げていた。
「チィッ! 何だ!?」
ガバルは舌打ちし、顔を上げる。
雨がその顔を打ちつける。
「前方より――船が……こっちに向かってきます!!」
見張り役の声が、風に煽られながらも届く。
「船だとぉ!? 何でこの航路に……!?」
この嵐の中で、まともに航行できる船など限られている。
それが、あえてこちらに向かってくるということは――ただの遭難ではない。
バニッシュもまた、視線を前方へ向ける。
だが、激しい雨と波に阻まれ、はっきりとその姿を捉えることはできない。
ただ――確かに何かが、嵐の向こうから近づいてきていた。
「とにかく合図を送れ!!」
ガバルの怒号が、嵐の中を切り裂いた。
「こんな状態でぶつかったら沈むぞォ!!」
その一声に、見張り役の船員が即座に反応する。
「は、はい!!」
マストにしがみついたまま、ランタンを高く掲げ――カチッ、カチッ、と規則的に明滅させる。
光が、闇と豪雨を切り裂くように瞬く。
――だが、嵐の向こうから迫る影に、変化はない。
進路も、速度も、そのままで、まるでこちらの存在など認識していないかのように。
「ダメです!! 船長!! 反応がありません!!」
見張り役の声が焦りを帯びる。
「なんだとぉー!? どこの船だ!!」
すぐさま腰に差していた望遠鏡を引き抜き、乱暴に構える。
激しい雨の中、片目を細めて覗き込む。
「……な……ありゃ……」
ガバルの声が、かすかに震えた。
「何だ!? どうしたんだ!?」
バニッシュが叫ぶ。
ガバルは望遠鏡から目を離さないまま、歯を食いしばる。
その顔からは、先ほどまでの豪胆さが消えていた。
「クソったれ……!!」
吐き捨てるように言う。
そして、震える声で告げた。
「ありゃ……幽霊船だ!!」
その言葉が――嵐よりも冷たいものとなって、甲板に広がった。
「幽霊船……?」
バニッシュの喉が、ごくりと鳴る。
ガバルは歯を剥き出しにしながら、荒れる海の向こうを睨みつけた。
「ああ……海の亡者共の船だ! 海で死んだ連中の悪霊が……仲間に引き入れようと、海を彷徨ってやがるのさ……!!」
その言葉に、バニッシュは息を呑む。
視線を前方へと向ける。
夜の嵐、叩きつける雨と、視界を遮る飛沫、その奥に――確かに影があった。
荒波をものともせず、まるで水面の上を滑るように、こちらへ、まっすぐに向かってくる。
(……なんだ、あれは……)
波に煽られることもなく、ただ淡々と距離を詰めてくる。
「避けることは出来ないのか!?」
バニッシュが叫ぶ。
「んなこたぁわかってらぁ!!」
ガバルが怒鳴り返す。
そして即座に指示を飛ばした。
「おい!野郎共! 十時の方角に舵を切れ!!」
「了解!!」
舵を握る船員たちが、必死に力を込める。
「ダメです!! 舵がききません!!」
「なにィ!?」
ガバルの顔が歪む。
波に煽られたのではない。
まるで、何かに引き寄せられているかのように――船が進路を奪われている。
「クソォ!! 大砲を準備しろ!! ぶつかる前に沈めてやる!!」
「無理です!! この嵐で火薬が全部やられました!!」
「なにぃぃ!!」
ガバルの怒声が、嵐をも震わせる。
歯を食いしばり、手にしていた望遠鏡を今にも握り潰さんばかりの力で握り締める。
「ぐぐ……ッ!!」
だが、どれだけ怒鳴ろうと、状況は変わらない。
そして、幽霊船は、確実に近づいてくる。
その影は、次第に輪郭を持ち始めていた。
崩れた帆、朽ちた船体、それでもなお沈まず、動き続ける異形の船。
まるで、死そのものが形を持ったかのように。
バニッシュは拳を握りしめる。
(手が……ないのか……?)
嵐の中で、逃げ場のない状況が、じわじわと迫っていた。
「ガバル!俺がなんとかする!!」
嵐の中、バニッシュの声が鋭く響いた。
「んおあ!?」
ガバルが振り返る。
「何言ってやがる!お前一人で何が出来るってんだ!?」
「俺の結界で衝突を防ぐ! 上手くすれば――あっちの軌道を逸らせるかもしれない!」
荒れ狂う風雨の中、一歩も引かずに言い放つ。
「な……!? そんなこと出来るのか!?」
ガバルの目が見開かれる。
「わからない。だが……今はこれしかない!!」
嵐の轟音の中でも、その言葉ははっきりと響いた。
ガバルは歯をむき出しにし、ぐぐぐ……と唸る。
「……わかった……! お前に任せる!!」
覚悟を決めた声だった。
「ああ……!」
バニッシュは力強く頷く。
そして――すぐさま、意識を集中させた。
荒れ狂う嵐の中、足元を踏みしめ、両手を前に出す。
(船体の規模……衝突の角度……波の流れ……)
脳内で、次々と計算が走る。
この交易船は、魔の森で展開した結界ほどではないにしても、相当な大きさだ。
さらに――嵐による加速、そして幽霊船の異常な進行、単なる防御では足りない。
必要なのは反射、衝撃そのものを跳ね返す術式――鏡律封陣。
バニッシュの足元から、淡く蒼白い光が広がり始める。
術式が、空間に描かれていく。
「おい!!まだか!?」
ガバルの焦りの混じった怒声が響く。
視線の先では――幽霊船が、すでに見える距離まで迫っていた。
夜の嵐の中でもはっきりと分かる、その異様な姿。
ボロボロに朽ちた船体、裂けた帆、それでもなお沈まず、進み続ける亡者の船。
――ギィ……ギィ……
不気味な軋みが、波音に混じって響く。
「……もうダメだ……!!」
ガバルの声に、絶望が混じる。
「ガバル!! 衝撃に備えろ!!」
バニッシュが叫んだ。
それを合図にガバルが怒鳴る。
「野郎共!! 船体にしがみつけェ!!」
船員たちが一斉にロープや柱にしがみつく。
「結界展開――鏡律封陣!!」
嵐の中、光が爆ぜる。
船全体を包み込むように、透明な結界が展開された。
まるで鏡のように、わずかに光を反射する壁。
そして次の瞬間――ドオォォォンッ!!
耳をつんざくような轟音が、嵐の中で炸裂した。
巨大な交易船へと――さらに二回りは大きい幽霊船が、真正面から衝突する。
衝撃が、空間そのものを揺らした。
「ぐっ……!!」
バニッシュは歯を食いしばる。
展開した結界越しに、圧し潰すような力が押し寄せる。
ガバルも、船員たちも、それぞれロープや柱にしがみつき、海へ投げ出されまいと必死に耐えていた。
「……止まらねぇ……!?」
ガバルの声に、焦りが混じる。
幽霊船は、結界にぶつかりながらも――まるで押し潰すかのように、その進行を止めない。
軋む音が、結界から響いた。
ミシ……ミシミシ……と、目に見えない壁が悲鳴を上げる。
「っ……!」
バニッシュの額に汗が滲む。
(反射しきれてない……!)
いや、正確には――反射してもなお、押し返されている。
異常な質量と、理不尽な力、それが、亡者の船には宿っていた。
「くそっ……!!」
バニッシュはさらに魔力を注ぎ込む。
結界の輝きが一段と強くなる。
「耐えろ……!!」
ズガガガガ……ッ!!
幽霊船の船体が、結界の表面を削るように擦れる。
衝撃が横へと流れ始め、軌道が――わずかに、逸れる。
巨大な船体が、きしみながら横へと流れていく。
「……やったか!?」
ガバルが叫ぶ。
「まだです!!」
見張り役の船員が声を張り上げた。
「旋回して、もう一度来ようとしています!!」
「クソォッ!! しつこい奴だ……!」
ガバルが舌打ちする。
幽霊船は、完全には離れていない。
まるで意思を持つかのように、再びこちらへ向きを変えようとしていた。
「ガバル!!」
バニッシュが叫ぶ。
「今のうちに、この海域を抜けよう!!」
「だが、舵が――!」
その言葉を遮るように。
「俺の結界で、さっきよりはマシになったはずだ!!」
バニッシュが言い切る。
「船長!!」
舵を握っていた船員が叫んだ。
「舵がききます!!」
「……!」
ガバルの目が見開かれ、にやりと獰猛に笑った。
「よし!! 野郎共ォ!! 全速で駆け抜けるぞォ!!」
拳を振り上げ、嵐をも切り裂く声で叫ぶ。
「おおォォォ!!」
船員たちの雄叫びが、甲板に響き渡った。
嵐の只中での死闘のような時間は、やがて終わりを迎えた。
ガバルと船員たちの必死の操船。
そして、バニッシュが結界を反射から認識阻害へと切り替えたことで――幽霊船は、まるで獲物を見失ったかのように進路を乱し、そのまま嵐の闇の中へと消えていった。
だが、それで終わりではなかった。
再び現れるかもしれない――その恐怖が、船全体に張り付くように残り続けていた。
誰もが気を抜けず、誰一人として、完全に安心することはできなかった。
そのまま、長い夜が続く。
嵐は徐々に勢いを弱めながらも、完全には収まらず、船員たちは一晩中持ち場を離れることなく警戒を続けた。
そして――夜明け。
東の空が、ゆっくりと白み始める。
雲の隙間から、淡い光が差し込み――やがて、昇る朝日が顔を出した。
「朝だ……!」
船員の一人が、思わず声を上げる。
次第に、それは歓声へと変わっていった。
「やった……!」
「嵐を抜けたぞ!!」
誰かが叫び、それに続くように声が広がる。
さっきまでの地獄のような光景が嘘だったかのように――海は穏やかだった。
風は柔らかく、波は静かに揺れている。
陽の光が、冷え切った体をじんわりと温めていく。
バニッシュは、その光景を見届けた瞬間、ふっと力が抜けた。
展開していた結界を解き、同時に膝が崩れる。
「……っ」
そのまま、ドサリと甲板に座り込んだ。
全身から力が抜け、張り詰めていた緊張が、一気にほどけていく。
「ガハハハッ!!」
豪快な笑い声が響かせ、ガバルが近づいてくる。
「やるじゃねーか!」
バニッシュの背中を、ばん!と力強く叩いた。
「っ……!」
衝撃に少し体が揺れるが、それでもバニッシュは苦笑を浮かべる。
「本当に良くやった。感謝するぜ」
ガバルは歯を見せて笑う。
「……はは……」
バニッシュは疲労の滲んだ笑みを浮かべる。
「一時はどうなるかと思ったよ……」
その声は、かすかに掠れていた。
「ま、それも過ぎちまえばいい思い出だ」
ガバルは肩をすくめる。
そして、にやりと笑った。
「それに――見ろ」
顎で前方を示す。
バニッシュはゆっくりと顔を上げ、その指し示す先へ視線を向けた。
そこには――穏やかな海の向こう、朝日に照らされて輝く港町の影があった。
無数の船の帆、立ち並ぶ建物、そして、人の営みの気配。
「……あれが」
バニッシュは小さく呟く。
最初の目的地、南の交易都市――ミラリナ。
嵐を越えた先に待っていた、新たな舞台だった。




