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もう一度、名前をよんで。  作者: 七瀬かいり
25/25

笑顔の写真

テスト期間なのであまり更新できてません× × × 。

すみません。。

あまりモチベないので感想くれると嬉しいです!

母の部屋に入ると、部屋の外からは見えない位置に棚があった。


下の方にはアルバムらしき厚いものが沢山置いてあって、1番上の段には、写真立てが立てかけられていた。


写真立ての中には、兄が高校に入った時に写真屋さんで撮った家族写真が入っている。


その隣には、兄が使っていたサッカーボールなどの兄の私物があって、懐かしくなった。



下の棚に手を伸ばし、端からアルバムを1冊取る。


「美華」


そう書かれていた。


(私のアルバム…!)


アルバムのページをめくると、昔の写真が目に飛び込んでくる。

写真の隣には一言コメントが母の筆跡で書かれていた。


「1歳の誕生日おめでとう!これからもすくすく元気に育ってください♡」


「お遊戯会!お花役可愛かったよ!」


「小学校入学!これから勉強が始まりますね!美華、存分に楽しんで!学校行ってらっしゃい!」


「俊一の中学の文化祭!パンケーキ美味しかったね!」


パラパラとページをめくる。


(あ……)


私は、ページをめくる手を止める。

小六の時に、家族旅行で京都に行った時の写真を境に白紙になっていた。


残りのページもめくる。

一枚も写真は貼られていない。

母のコメントも書かれていない。


(何にもない…)


アルバムを閉じる。


そして、目の前に立てかけてある写真立てを見る。


写真の中で笑っている私とお兄ちゃんとお母さんとお父さん。

でも、今は歪んで見える。


写真の中の笑顔の私が二重になって、目に焼き付く。


(あ……)


気付くと涙が額にかかっている。


「幸せ…だったなぁ」


お母さんが私のために書いてくれた、アルバムの一言一言。

あれは嘘ではない。

あれは私が愛されていた証だ。


(久しぶりに思い出した…)



気になるはずなのに、もっと部屋を見たいはずなのに、もっと母を感じていたいはずなのに。


私は泣きながら、母の部屋を後にしている。

何か分からないけど、もう母の部屋には居たくない。



「ピンポーン ピンポーン」



(お母さん……?)


私は涙を袖で拭き、玄関に向かった。





ーーーー





インターホン越しに父を見ると、私は手が震えた。


私は、怯えていた。


さっきの写真立てにいた父とはまるで別人の父が、アパートに帰ってきた。





ーーーー





ガチャッ…


ドアを開けると、玄関には呆然と立ち尽くした娘の姿があった。


(・・・・・・)



目には微かに涙があるように見える。


「なん…で……?」

怯えているような娘の声が聞こえる。


(美世子は…?いないのか?)


「ママは?」


「いない…よ…。出掛けてる。」


(ということは…)


「いや、何でもない。今日は帰る。」


そう言って私は玄関の扉を押す。





ーーーー





目の前の父を見て、回らなくなった頭を頑張って回そうとする。

今何を言えばいいか…。


(!!!)


昨日言い忘れたこと…。



父の口が開く。

「いや、何でもない。今日は帰る。」


(帰る…?どういうこと?ここがお父さんの帰る家でしょ?帰るってどこに?)


(いや、それよりも…)


「私、やだ。離婚してほしくない。」


「は?」

玄関のドアを開けようとしている父が止まる。


「嫌なの。離婚してほしくない。だって、幸せだったもん。」

さっきの写真が頭を掠める。


「幸せ?」

父は怪訝そうな顔をした。


「パパとママとお兄ちゃんと…。一緒にいて楽しかったよ。」


「楽しかった…?」


「楽しかったよ。一緒に旅行行った。毎日ご飯一緒に食べた。お父さんのつまらない冗談でも楽しかった。」


「・・・」


「離婚したら、何もかも無くなる。ママとパパが離婚なんて有り得ない…。」


「有り得る。それにおまえは間違ってる。これは夫婦の問題だ。」


「違う!」


「何が違う?」


「私は…」

「私は、パパもママも大好きだから。パパが勝手に出て行っても、ママに怒鳴られても。好きだもん。」


「・・・」


「親なんだったら、責任持って育てろよ!だったら産むなよ…。」

「最低……」

何故か、父の辛そうな表情を見ていると、無性に腹が立ってくる。


(私は悪くない)

言いたいことは言えた。





ーーーー





父は少し考えて、口を開いた。

「少し考えさせてくれ。すまない。」


「待って。まだ帰らないで。どうせなら上がっていってよ。」

そう言って部屋を指差すと、父は黙って靴を脱ぎ始めた。



「話をしよう」

皆さんお大事に!

でもマスク売ってないよね笑

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― 新着の感想 ―
[良い点] 美華ちゃん大きくでたねー [一言] 更新頑張れー!
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