違和感
私が去った後、私たちの会話を聞いていたのか入ってきた秘書が彼に告げる。
「本当に子供ではないとお考えですか?」
そう聞く秘書に彼はグシャリと頭をかいて、
「どうみたっておかしいだろ」
きもちわりぃと告げた。
俺に姿を見せた時からおかしかった。
服は確かにボロボロだが、あんな淀んだ場所で子供がいること自体おかしいことなのに、子供が1人で歩いている、しかもあんなに整った子供が1人で歩いていれば無事で済むはずがない。
それに会話や言動、全てが常識とはズレている。
どう見ても貴族の俺にタメ口、指をさすなどの言動。
まるで社会をわかっていない。なのに話す会話は子供らしくない。
分からないことだらけできもちわりい。
あれはなんなんだ。
***
「とりあえずこれからどうしたらいいかしら」
寝ようかな。寝たらもしかしたら彼についての夢を見られるかもしれないし
なんて思って着いて早々私は本当に寝た。もはや爆睡。
目が覚めたら辺りはもう暗くなっていた。
「.....寝過ぎた....うえになんも夢見てない...」
そう呟いて部屋を出た。
寝過ぎたせいで眠くない。もう屋敷は眠りについていて、静かだ。
庭にでも出ようかと思った時に、小さな呻き声が聞こえた。
「...なに...こわい...」
耳が普通の人より良い私は少し離れたところから聞こえる呻き声に耳をすませ、こわいとそう思いながらも足は声が聞こえている方向へ自然と向かってしまっていた。
「.....ここ?」
暫く歩いた先の扉の先から聞こえてくる。
「だ....だいじょうぶですか〜?」
ひょっこりと扉を開けて覗く。
そこにはベッドがあり、誰かの寝室だった。
それは進むにつれて誰が呻き声をあげていたかがわかった。
「え....」
この家の主人である彼だった。
「これ...夢で見た景色に似てる...」
苦しそうな声。
でも夢で見た時ほど酷くない。
夢で見たのは耳が生えていたけれど、今回は耳は生えていない。
どうしてこんなに苦しんでいるんだろうと、彼の元へ近づく。
すると急に腕を引っ張られ、彼のいるベッドに引き摺り込まれる。
「わっ!」と驚き一瞬目を閉じる。
再び瞼を開いたときに、彼の顔が目の前にあった。
苦しそうで息が荒く、汗をかいている。間近に見た彼の姿はなんとも妖艶で無意識に見入ってしまう。
首筋に彼の荒い息がかかり、かぁっと体が熱をもつ。
彼の体も熱く、私の体が同じくらいに熱を持ち、額に汗が滲み出す。
なんとか彼の腕の中から逃げ出し、距離を取り、再度彼を見る。
苦しそうにしている姿を見て私は気づいた。
「....発情してる...?」
あれは謂わば勃起.....。と彼の下半身を見る。
その瞬間彼が私に叫んだ。
「約束を果たすか、出て行け」
そう苦しそうに汗の滲んだ顔をこちらに向けていた。




