出会い
下町に出た。どれだけ歩いたのだろう。城を出た後は鎧を脱いでボロボロの姿で、歩き続けた。
そして私は見覚えのある、彼を見つけた。
___あの人....
咄嗟に自分の姿を見る。
屈強な男だがその実弱い。とても弱い。
それにこの姿では警戒もされてしまうだろう。
となるとやっぱり...。
とある姿を考え私は変化する。
___子供の姿だ。
よし。と自分の小さくなった姿を見て、彼の元へかけ寄る。
彼は私を見た。
そう。
見たのだ。確かに見た。
けれども何事も無かったかのように私の横を通り過ぎた。
え。と私は一瞬固まる。
ボロボロの姿の子供が一人でいるのに声をかけないなんて...。そう思うも急いで振り返り彼に声をかける。
「あの...っ.....あの!」
後ろから着いていき声をかけても彼は振り返るどころか歩みも止めない。まるで私の声が聞こえていないかのようだ。
それでも私はずっと声をかけ続けた。
暫くすると彼は馬車の前で止まった。そして従者が扉を開けるとそれに無言で乗った。
従者は私に気づくと、彼にひと声かける。
「こちらの子は...?」そう問いかけにも返事をしなかったが従者は彼よりは優しいらしく、声をかけてくれた。
「お嬢ちゃん迷子?」
「......迷子じゃないわ!彼を探していたの!」
そう言って指をさした。
「!?....えと、お嬢ちゃん?人に指をさすことは失礼なことだから、指すのはやめようか?」
従者はあわあわと慌てふためき彼と私の顔を交互に行ったり来たりしている。
「そうなの?知らなかったわ。ごめんなさい」
私はよく日常的に指をさされ続けてきたから、この行為が失礼に当たるとは知らなかった。
指を下ろし、彼に視線を向ける。
「私なら、貴方を救えるわ」
そう言葉にして初めて彼が私に口を開いた。
「お前は今、誰に話しかけているのか、誰にその言葉を言っているのか分かっているのか?」
彼の言葉はとても威圧的で、上から見下ろしながら私を見ているその視線に少し足がすくむ。
「....わかっているわ」
ここで視線を逸らしてはいけない。そう私は拳を握りしめて視線を外すことなく告げる。
「...。....乗れ。」
クイッと顎で示され、私は馬車に乗ろうとしたものの、小さくなりすぎて馬車に乗れない。
見かねた従者が私を抱き上げて乗せてくれた。
ありがとうと言うと笑顔で返事をしてくれた。
一方でその主人とはもう目的地に着くまで会話はおろか、視線も交わることはなかった。




