妖術
「義兄様、契約をしませんか...?」
ここで怖気付いてはだめ。しっかり考えて。
頭の中でどうしたらいいか考えながらも、なにも思い浮かばない。
「なんで俺が聞かないといけないんだ?君は動けず、俺は君を好きにできるのに」
笑顔で言う義兄に私はあぁ、駄目だ。死にたい。と思った。
義兄と私はそんなに関わりなんて無かった。だから知らなかった。気づけなかった、義兄の狂気さに...。逃げられないと悟った瞬間義兄は冗談だと笑った。
「嘘だよ。これからずっと一緒にいるんだ。幸せは二人で一緒に、だ」
と付けられていた手錠が外された。
「部屋の中からは出してあげられないけれどこの部屋の中でなら自由にしてくれて構わない。」
時間はいくらでもある。いつか俺を好きになるまで俺はずっと待ってるから。だから早く俺を好きになってね。と私の額にキスを落とした。
私は手錠が外れたことにより急いで幻術をかけようとした。けれど一向に術は使えない。
「....どうして....」
混乱していると頭上からクスクスと笑う声が響いた。
「どうしてって決まってるだろう?」
その首輪には妖術を使えないようにする意思がはめ込まれている。それがある限りは君は妖術を使えない。
そう言った義兄に私は問う。
「....いつから気づいて....」
そう聞くとウットリとするような顔で私を見つめた。
「あぁ....リーリアは覚えてないか。すっごく高熱だったもんね。」
私が12歳のときだったらしい。高熱で倒れ、意識朦朧とした状態だったらしい。誰も私の部屋には訪れなかったが、義兄だけは隠れて私を見守り続けていたから気づいたらしい。
寝込んだ私の部屋に訪れた義兄見た光景は、私の耳と私の火照った頬と潤んだ瞳だったらしい。
その光景は今思い出すだけでも、たぎってしまうね。と言って頬を赤らめた義兄はうっとりとした視線を私に見せた。
「この耳も、やはり美しいね」
そうだ。妖術自体が使えないということは私の姿は半妖の状態だと気づく。
と同時に義兄がそう言って私に手を伸ばした時、私は咄嗟に身を引いてしまった。瞬間
義兄は私の首を締めた。
「だめ。駄目だよ。拒絶だけは。愛は拒絶からは生まれない。....わかった?」
そう言われ私は急いで頷いた。
生理的に涙がこぼれた。それを義兄はうっとり眺めてから舌で舐めた。ざらりとした感触が頬に触れ身の毛がよだつが何とか耐えて私は聞きたいことを聞いた。
「...どうやって私を見つけられたの?」
見つかるには早すぎる。そう思って聞いたのに、そう聞くと簡単だよ。と言った。
「愛、かな」
誤魔化された気しかしないけれど答えてくれそうにないとわかったため諦めた。




