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化かし愛〜逃げた先で幸せになります〜  作者: 南


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拘束

***


綺麗な花畑で駆け出した瞬間だった。

死角から手が伸びてきて、私の口を塞いだ。

一瞬だった。声も出ずに意識が途切れた。

次に目が覚めた時、私は知らないところにいた。

「...どこここ...」

身動きが取れないように、ベットの上で、手足に鎖が付けられている。

「....どうして私、元の姿に...」

鎖をつけられた状態の私は元の姿の私だった。

困惑する中、この部屋の壁を見て血の気が引いた。

私の肖像画でいっぱいだった。幼少期から最近の姿まである。これはなに。と頭が困惑する。

どれくらい経っただろう。やっと家主が帰ってきた様子で、そちらに顔を見る。

「...え」と驚いた。...まさかこんなに早く見つかるなんて...。そして幼少期から最近の肖像画があることに納得もした。

「....義兄様...」

そこには笑顔の義兄の姿があった。

「久しぶりだねリーリア」

そう言う義兄に「私は連れ戻されたのですか?」と聞くと義兄は首を振った。

「俺は感謝してるよ君に。よく逃げ出してくれたね。お陰で君は僕だけのものになった」

義兄はリーリアの頬を撫でる。

「ここ、俺の部屋じゃないのは知ってるだろう?」

知っている。この部屋を見た時に見覚えのない部屋だったから。...まさか。

「そう!ここは隠し部屋!父上にも内緒で作らせたんだ。地下をね。本当は君の秘密のコレクションルームだったんだが」

まさか本人まで来てしまうとはね。と嬉しそうに頬を火照らせながら言っている。

「ここから出すことはないけれど、幸せにするよ。一生俺とここで暮らそう」

そう言う義兄は本当に幸せそうな顔をしている。怖い。ここに居ることが。身動きができないことが。

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