理由
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王城のある一室。
1人の男がある人から届いた手紙を見た。
それを読んで彼は微笑んだ。
「お待たせ」
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すっかり冬が明け、春になった。
花たちが開花しだした頃、バルド様が私を花見に誘った。
そんなバルド様の姿を見たその場にいた人たちは皆同じ顔をしていた気がする。
(バルド様がお花見...?!)
そんな中従者の方は何故か微笑ましそうに見ていた。
「バルド様にもとうとう春が来るとは考え深いものですねえ」
バルドの執務室で従者が告げる。
「しかもあんなお子様に...フフッ」
「...見た目だけな!!」
傍から見ればやばい人だと自覚があるのかバルドも顔を顰める。
「あいつが寝込んでた時、あいつの、多分元の姿を見た。あいつはガキじゃねえ」
「それで一目惚れしてしまった...と」
一言多い従者にバルドは頬杖付きながらそっぽ向いてうるせぇと言うも効果はなく、従者は微笑ましそうな暖かい視線をバルドに向けた。
その視線がウザかったため、バルドは従者を部屋から追い出した。
「たく、」
そうボヤきながらも彼はリーリアの本当の姿を思い出していた。
一方リーリアはお花見を楽しみにしていた。
あっという間に約束の日が来て、二人で馬車に乗り込む。
「今日は天気が晴れて良かったですわね」
「そうだな」
そう言うと会話が終わる。
それもそうだ。彼とは殆ど世間話なんてしてこなかった。
その沈黙を破ったのはバルドの方だった。
「お前に聞きたいことがある」
「なんでしょうか?」
「どうして俺のところに来たんだ?」
その言葉でリーリアとバルドの視線が絡み合う。
「お前は俺の屋敷に置いて欲しいと言ったが、それは誰かから逃げているのか?」
出会ったあの日、服はボロボロで汚れていたけれど質は良かった。育ちもいい。きっと貴族だ。
そんな彼女が逃げる理由とは。
「やはり婚約とかか?」
貴族令嬢が逃げる理由。それは政略結婚に嫌気が刺して逃げ出す令嬢も少なくない。彼女もその1人なのだろうか。
それかストーカーから逃げているとか、身内から虐待...いや、メイドに確認してもらったが彼女の体に傷等の虐待の跡はなかった。
いろんな仮定をしたが分からないので本人に聞くのが早いと思って今時間があったから聞いてみたが、時期尚早だったか...。と重たい空気にバルドは考えていたが、
「あらすごい。大当たりでしてよ」
彼女はなんて事ないようにあたりだと言った。
でもその表情から無理しているのはわかる。
バルドはその言葉を聞いて胸にもやがかかった。
もしもその男ではなく俺が求婚したなら君は逃げ出さずに済んだだろうか。逃げ出さないでいてくれただろうか。....俺では駄目だろうか。
なんて考えていたら、馬車が止まり、目的地に着いたようだ。
馬車を降り、リーリアが馬車をおりるエスコートをする。
馬車を降りた際の一面花が咲き誇っている景色にリーリアの視線が花に注がれる。
「綺麗」と花に見とれる様子を、リーリアの横顔にバルドは見とれた。
「なぁ、リーリア。お前の本当の姿を見せてくれないか」
もっと知りたい。彼女のことが。




