第44話:【メガ粒子砲】女騎士カルテット奇跡の大合唱(コーラス)!
ゼノの振るう銀のタクトが、空を鋭く切り裂いた。
その瞬間、特設ステージに並ぶ四人の女騎士の口から、同時に魂の絶叫が放たれた。
黒歴史ポエムを朗読されたシルフィアのソプラノ!
論文を盗用されたレオノーラのハイトーン・アルト!
エプロン姿のブロマイドが完売したアレクシアの重低音テノール!
そして、クマにリボンをつけられたヴァルキリアの超高密メゾソプラノ!
「「「「くっ……殺せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」」」」
天地が鳴動した。
四つの異なる屈辱と誇りの周波数が、ゼノのタクトによって完璧な黄金比率で編み上げられ、超極大の光の螺旋となって天空へと解き放たれた。
ズドォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!
放たれたのは、直径十メートルを超える純白と黄金のメガ粒子ビーム――『くっ殺メガ粒子砲』!
大気をプラズマ化させながら天へと昇った光の奔流は、帝都ルミナリアを覆う七重の古代防壁『アイギス・グランベルス』に真正面から激突した。
ピシィィィィッ……!
城壁の上のアルベルト総長が、息を呑んだ。
「ば……馬鹿な……神聖なる古代の絶対結界に……亀裂が……!?」
第一の結界が砕け散る。
第二、第三の結界が、紙屑のように蒸発する。
第四、第五、第六の魔導陣が、四人の叫びのエネルギー波に耐えきれず粉微塵に破裂する!
そして――最後に残った第七の核結界に向かい、シルフィアたちの二段ブーストの叫びが叩き込まれた。
「「「「私を斬れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」」」」
パァァァァァァァァァンッ!!!!!
千年にわたって帝都を護り、人類の不敗神話を支えてきた絶対防壁が、ガラス細工のように粉々に砕け散り、光の粒子となって青空へと消え去った。
「「「「ぎゃあああああああああっ!!」」」」
衝撃波で、城壁の上の教授たちや兵士たちが一斉に尻餅をついて転がり回る。
静まり返る帝都。
外壁の門は衝撃で吹き飛び、中が丸見えになっていた。
誰も死んではいない。しかし、帝国の誇りと防衛システムは、たった一撃の「くっ殺」の合唱によって、完全に打ち破られたのだった。
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