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第45話:【公開ざまぁ】土下座するアカデミー総長とゼノの冷徹な一言

 帝都ルミナリアの大手門前。

 瓦礫の山となった城門の前に、帝国魔導アカデミーの教授陣が、揃って地面に額を擦り付けていた。


 その先頭で、かつて威張り散らしていた総長アルベルトは、自慢の白髭を泥で汚しながら、ガタガタと震えていた。


「ぜ、ゼノ先生……! いや、ゼノ閣下……!!」


 白衣を翻して悠然と歩み寄る俺の足元に、アルベルトは両手をついて這いつくばった。


「わ、我々が悪かった! 貴方の理論は本物だった! 女騎士の『くっ殺』こそが、世界を支配する究極のエネルギーであると認めますぞ! 頼む、我が帝国魔導アカデミーに戻ってきてくれ! 名誉総長の座も、国家予算の半分も、すべて貴方に譲るからぁぁぁっ!」


 かつて俺を「変態」「破廉恥漢」と罵り、身一つで国外追放にした男たちの、無様な命乞い。

 城壁を取り囲む数十万の帝都市民や兵士たちも、息を呑んでその光景を見つめていた。


 俺は立ち止まり、冷ややかに眼鏡のブリッジを押し上げた。


「断る」


 たった一言。

 澄み渡るような拒絶の声が、静まり返る広場に響き渡った。


「な……な、なぜだゼノ教授!? 貴方は帝国生まれの人間ではないか! オーク如き蛮族の味方をするなど――」


「失礼なことを言うな」

 俺は眉をひそめ、アルベルトを見下ろした。


「オーク諸君は、君たちのように権威や前例に胡坐をかいて真実から目を逸らしたりはしない。私の理論を偏見なく聞き、笑い、絶賛し、広大な研究室と無制限の予算を用意してくれた。科学の発展において、種族など関係ないのだよ」


「あ……あぁ……」

 アルベルトの顔が絶望に染まる。


「君たちのように、自分のプライドを守るために若手の芽を摘み、真新しい研究を嘲笑う組織に、私の居場所はない。せいぜい、過去の遺産にすがりついて生きていくといい」


 俺の言葉に、アカデミーの教授たちの自尊心が音を立てて砕け散った。

 彼らの顔が屈辱で真っ赤に染まり、床に伏したまま震える。


 ピピピッ!

 俺の胸ポケットの簡易メーターが、微かな音を立てた。


【計測値:250クック(老害のプライド崩壊微弱波)を検知】


「ふむ……老人たちの屈辱波は、純度が低くてせいぜいトースター一台分にしかならんな。やはり使い物にならん」


 俺が呆れたように息を吐くと、背後に控えていたバールック大佐が、腹を抱えて大爆笑した。


「ガハハハハハッ!! 見ろよゼノ先生! 偉そうにしてた爺さんどもが、全員這いつくばってトースター並みの叫びしか出ねぇってよ! 最高にスカッとしたぜ!」


 こうして、マッドサイエンティストを追い出した帝国アカデミーの権威は、全世界の民衆の目の前で完全に失墜したのだった。


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