婚約と婚姻
その後、陛下から学園教師に通達が届いたらしい。
内容は、講義内容のより良い改善だ。
自分が担当している以外の講義への見学を指示し、良かった点を参考にしてもらうようだ。
そして、見習いたいという希望をポイント制にし、一番ポイントを多く獲得した者には報奨が与えられるとのことだ。
研究者が多いので、報奨は大きな利点である。
お陰で様々な工夫がなされ、各々の講義で改善がされることになった。
魔法学でも大きな変化があったらしく、アリスは喜んでいたので俺としても満足な結果だ。
「魔導師の名門であるユアランス侯爵家に嫁ぐのですから、学園できちんと勉強したかったのです。」
なんてアリスは言う。
「ぐはぁッ」
すごい破壊力で死ぬかと思った。
婚約者なんだからアリスが俺のところに嫁ぐのは当然なんだけど、それをアリス本人から聞けるなんて。
「え! あ、もしかして私間違ってましたか? もしかして婚約と婚姻は別問題だったりしますか?」
「間違ってないです! 別でもないです! 正々堂々、嫁に来て下さい!!」
「正々堂々‥‥?」
「せ、正々堂々。」
正々堂々ってなんだよ。
格好良く決めてくれよ数秒前の俺。
アリス笑っちゃってるし。
アリスは俺と勉強する時間を作ってくれて、魔法学と魔導術学の勉強をすることになった。
アリスの得意属性が知りたかったけど、なんとアリスは調べたことがないらしい。
あー。属性調査って教会に行かないといけないから、アリスは嫌だったのだろうな。
俺が誤解させたまま五年間も離れてしまったばかりに、本当にすまない。
皇都で教会に行くのは俺も反対だ。
聖女が出入りしているところで、聖女が信仰対象でもある者たちが多い場所だからな。
ならばとウィルに頼んでみたら、何故か皇妃様にお会いすることに。
本当に何で。
ウィルに連れて行かれて、現在三人で応接室でお茶してます。
「婚約者とはうまくいっていますか?」
皇妃様はこう仰るけど、うまくってどう表現して良いか難しくない?
「嫁に来て下さるそうです。」
俺の答えにウィルが蒸せた。
そして王妃様は笑っている。
「ふふっ。貴方が皇家を避けさせてるから、アリス嬢に会えたことが殆んどないのよね。今度お茶会でも開こうかしら。」
「避けているのはアイティヴェル辺境伯も同じでしょう。十歳で婚約者になった私が言えたことではないですが。それと、アリスの試験勉強の妨げになるタイミングでのお茶会は辞退したく思います。」
「あ、分かった。アリス嬢に、ユアランス侯爵家に嫁ぐのだから魔法学の勉強頑張りたい、みたいなこと言われたんだろ?」
「そうだが?」
王妃様は目を輝かせる。
「まぁ! 噂以上だわ。」
ウィルだけ深くため息ついた。
噂なんてあるのか。
「まさかあんなに冷めた “氷狼” がこんなに甘い男になるなんて。良いでしょう。属性鑑定の許可は私からも陛下に進言致します。」
「有り難うございます。」
ウィルがアイティヴェル家に招待状を出してくれることになって、俺は任せることにした。
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