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皇太子殿下 ウィリアム

□皇太子殿下 ウィリアム

 

 

 アイティヴェル辺境伯家に、アリス嬢の魔力適性診断と、ついでに魔導師試験を再受験してはどうかと手紙を出した。


 

 


魔導師の試験というのは、簡単に言えば、規則に反することなく魔法を行使できる人物かを証明するためである。

 

 そもそも、合格することが目的だけなら簡単な試験だろう。

 

 問題は一律。

 内容は筆記と実技のみ。

 再受験は可。

 

 魔力があれば【下級魔導師】。

 土を少し盛り上げるだけ、とか、蝋燭よりはるかに劣る炎を出せるだけ、なんて人が多いみたい。

 こういう人は、就職先が選択肢として増えるから、積極的に受験に来るようだ。

 

 生活に役立つ程度の魔法なら【中級魔導師】。

 基準は魔法行使ができるが、攻撃魔法が使えないこと、一人で魔道具作製ができないこと。

 一般的な貴族で多いのはこのランクかな。

 魔力の才を示して就職先や嫁ぎ先で優位になるとかなんとか、そんな話を聞いたことがある。

 

 攻撃魔法が行使できる、または、筆記高成績の知識所持者なら【上級魔導師】。

 このランクなら貴族お抱えの魔導師になることも望めるので、途端に人数は減る。

 制約は厳しいが、当然得られる対価も恩恵も大きいので、研究者が目指していることも多い。

 

 高い魔法行使能力と、高難易度の知識を有する合格者が【特級魔導師】になれる。

 このランクは、皇宮の魔導師も望める貴重な人材であり、魔力量の多い貴族の男性に多い。

 魔法特化の家門、アグニエイトとユアランスの系譜の者が多いかな。

 

 一番高いランクが【最高位魔導師】であり、ブローチに宝石を与えられる限られた合格者だ。

 上級のようにどちらかではなく、高難易度の魔法行使と、最高難易度の知識所持、そして実績が条件だ。

 片手で足りる程度しか存在しない。

 父でもあるこの国の皇帝陛下、アグニエイト侯爵、ユアランス侯爵、そして最年少のアルグランデ・ユアランスが有名だろう。

 


ちなみに、どのランクでも善悪の区別がつき、正しく魔力又は魔法を行使できることが最低条件だ。

 

 

 確かアリス嬢の兄、ミハエルは上級魔導師。

 剣のアイティヴェルでは珍しい逸材だ。

 

 魔法を使うには集中力が必要で、剣士との両立をする者は少ない。

 皇室だって、アグニエイトやユアランスも剣術は学ぶが、それはあくまで魔力不足になった際の対処法だ。

 あとは、騎士道という紳士の嗜みだな。

 嗜みにしては死にそうになる程の思いもしてきたが。

 

 それなのに、ミハエルは両立している。

 剣の名門アイティヴェルとして剣術は一流の教育を受け、更に魔法で防御力を高める研究を行い、魔道具作りで資金を得ることも成功している。

 

 兄妹なのだからアリス嬢も同じ才を持つ可能性があり、又は同じ教育を受けているかもしれない。

 

 

 

 ミハエル・アイティヴェル

 

 剣の名門アイティヴェル辺境伯家の嫡男であり、次期辺境伯になる唯一だ。

 

 学園には主席入学。

 アグニエイト侯爵家の嫡男レオナルドが同学年でありながら、成績は筆記では常にトップ、剣術では次席の優秀さだ。

 

 次期辺境伯ではなかったなら、私の側近としても考えていた程の男だ。

 

 ちなみに見目はかなり麗しい。

 多くの婚約申込が届いているのは間違いないだろう。

 

 ミハエルは習わし通り、幼い頃に合格を果たし、入学前に上級魔導師になっているのに、何故アリス嬢は再受験していないのだろうか。

 

 

今回の話はとても悩みました。

曖昧にしてきた部分を明確にするって

難しいですね。


ブクマ、☆☆☆☆☆、いいね など

有り難うございます!


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