第125話 二人の力が重なるとき
ゴォォォォォン――!
巨大な砲身が、低く唸った。
「……え、まだ撃つの!?」
ソア・ミュスカは、剣を構えたまま目を見開いた。
先ほどの砲撃で、円形の広間には無数の亀裂が走っている。
レイナが《絶対鏡盾》を構え、ミレイユが《願結び》の鎖を広げた。
しかし。
『管理者権限――防衛機構を起動します』
無機質な声が響いた瞬間、砲身の周囲に浮かぶ黒い結晶が一斉に輝いた。
パキッ。
パキパキパキッ!
「……ん?」
結晶が割れた。
その内側から現れたのは、黒い鎧をまとった騎士だった。
一体。
二体。
三体。
全身を黒い魔力で覆われた騎士たちは、床に降り立つと、同時に剣を抜いた。
その刃には、竜皇砲と同じ赤い光が宿っている。
「うわぁ……。砲台だけでも大変なのに、今度は騎士まで出てきたよ!」
「敵が増えただけだ! 気を抜くな!」
レイナが叫んだ。
「分かってる!」
ソアは盾を構えた。
「でも、こういうときって、普通はもっと順番に出てくるものじゃない!?」
「敵に順番を守る義務などない!」
「それはそうだけど!」
黒い騎士の一体が、床を蹴った。
速い。
ソアの目の前に、一瞬で迫る。
「――っ!」
ガキィィン!!
剣と剣が激突した。
衝撃で、ソアの足が石床を滑る。
「ぐっ……!」
重い。
先ほどまで相手にしていた魔力の流れとは違う。
目の前にいるのは、こちらを倒すために動く敵だ。
騎士が剣を引いた。
次の瞬間、横薙ぎの一撃が飛んでくる。
「危なっ!」
ソアは身をかがめた。
黒い刃が兜のすぐ上を通過する。
そのまま踏み込み、剣を振り上げた。
「ええいっ!」
ガキンッ!
敵の胴体を狙った一撃は、黒い装甲に弾かれた。
「うそ、硬っ!」
騎士が反撃する。
ソアは盾で受け止めた。
ドォンッ!!
「きゃあっ!」
吹き飛ばされる。
だが、ソアは空中で身体をひねり、左腕の装甲板を足場にして体勢を立て直した。
ガシャン!
装甲板が宙を走り、床に突き刺さる。
「……ふぅ」
ソアは着地した。
「今のは、ちょっと危なかった」
「ちょっとで済ませるな!」
レイナが別の騎士の剣を受け止めながら叫んだ。
「こいつら、攻撃を受けるたびに動きが速くなっているわ!」
ミレイユも鎖を操りながら、険しい顔をしていた。
「竜皇砲から魔力を受け取っているのね。長引けば長引くほど、こちらが不利になるわ!」
「つまり、早く倒せばいいんだね!」
「そう簡単にいけば苦労しないわよ!」
「だよねぇ!」
ソアは再び走った。
*
その頃。
広間の反対側では、ヴァルト・レグナスが一体の騎士と向き合っていた。
黒い騎士が剣を振り下ろす。
ヴァルトは左腕を掲げた。
ガァァン!!
《巨神の籠手》が攻撃を受け止める。
衝撃が腕から肩へと伝わり、足元の石床が砕けた。
「……なるほど」
ヴァルトは敵の剣を押し返した。
「単純な魔力人形ではないな」
騎士が後退する。
直後、背後にいた二体が左右から迫った。
右から斬撃。
左から突き。
ヴァルトは身体をひねり、片方の剣を籠手で弾いた。
もう片方は肩をかすめる。
黒い外套が裂けた。
「ちっ……!」
ヴァルトは踏み込んだ。
「ならば、まとめて叩き潰す!」
巨神の籠手が赤黒く輝く。
巨大な拳が、正面の騎士へ叩き込まれた。
ドゴォォォン!!
騎士の身体が吹き飛ぶ。
壁に激突し、黒い装甲が砕け散った。
だが。
『防衛機構、再構築』
砕けた装甲が、床を這うように集まっていく。
破片が再び結合し、騎士の姿を取り戻した。
「再生するのか!」
ヴァルトが舌打ちした。
その隙を、残る二体は見逃さなかった。
左右から剣が迫る。
ヴァルトは籠手を構えた。
しかし、間に合わない。
ガキィンッ!!
横から飛んできた銀色の装甲板が、二本の剣を弾き飛ばした。
「……!」
ヴァルトが顔を向ける。
そこには、遠隔操作した装甲板を引き戻すソアの姿があった。
「ヴァルト! 大丈夫!?」
「問題ない!」
「その台詞、さっきから何回目!?」
「数えていない!」
「私も数えてないよ!」
「なら聞くな!」
「それもそうだね!」
ソアは笑った。
ヴァルトは一瞬だけ、言葉を失った。
こんな状況で。
命を懸けた戦闘の最中に。
彼女は、いつも通りだった。
誰かを守るために戦いながら、自分だけがすべてを背負おうとはしない。
そして、自分が助けた相手にも、当たり前のように手を伸ばす。
ヴァルトは巨神の籠手を握り締めた。
「……ソア」
「ん?」
「次の攻撃に合わせろ」
「えっ、何をするの?」
「一体ずつ倒していては、きりがない。お前が隙を作れ。俺がまとめて吹き飛ばす」
「なるほど!」
ソアは大きく頷いた。
「任せて!」
返事は早かった。
作戦の細部を確認するより先に、ソアは走り出していた。
「ちょっ、おい!」
「大丈夫! なんとかする!」
「それが一番不安なんだ!」
*
ソアは装甲板を三枚、同時に展開した。
胸部の補助装甲。
左肩の装甲。
腰部の装甲。
三枚が異なる角度から黒い騎士たちへ飛んでいく。
ガキンッ!
ガガンッ!
騎士たちは剣で装甲板を弾いた。
だが、それでいい。
ソアの狙いは、敵を倒すことではなかった。
「こっちだよ!」
ソアが地面を蹴る。
一体目の剣を盾で受け流し、二体目の懐へ滑り込む。
さらに、飛んできた三体目の斬撃を、肩の装甲板で受け止めた。
ガァンッ!
衝撃。
ソアの身体が大きく傾く。
「くっ……!」
重い鎧が軋む。
それでも、ソアは踏みとどまった。
「今っ!」
ソアは腰部の装甲板を敵の足元へ滑り込ませた。
騎士の一体がバランスを崩す。
もう一体が、それを避けようとして動きを止めた。
ほんの一瞬。
三体の動きが、一直線に重なった。
「ヴァルト!!」
「分かっている!」
ヴァルトが踏み込んだ。
巨神の籠手が唸りを上げる。
赤黒い魔力が拳に集中し、周囲の空気が震えた。
「砕けろぉぉぉっ!!」
拳が放たれる。
ドォォォォン!!
衝撃波が広間を駆け抜けた。
三体の騎士が、まとめて壁へと吹き飛ばされる。
黒い装甲が砕け、破片が舞い散った。
「やった!」
ソアが拳を握る。
「さすがヴァルト!」
「まだだ!」
ヴァルトの声が響いた。
砕けた破片が、再び光り始めていた。
しかも今度は、床だけではない。
壁。
天井。
砲身の周囲。
広間全体に散らばった黒い結晶が、一斉に騎士たちへ集まっていく。
『防衛機構――戦闘情報を更新』
『対象の攻撃パターンを解析』
『再構築を開始します』
騎士たちの装甲が、先ほどよりも厚くなる。
剣の形状も変化していた。
先ほどまでの斬撃主体の動きから、装甲板を弾き、盾を破るための重い攻撃へ。
敵は、こちらの戦い方を学習している。
「……冗談でしょ」
ソアの笑顔が引きつった。
「今の攻撃、効いてなかったの!?」
「効いてはいる。だが、破壊するだけでは終わらないようだ」
ヴァルトは拳を握り直した。
その左腕に、黒い光が絡みつく。
「……っ!」
巨神の籠手が、勝手に輝き始めた。
『巨神の籠手を確認』
『既存接続を再開』
「何……?」
ヴァルトが腕を押さえる。
黒い結晶が籠手の隙間へ入り込み、魔力の筋となって這い上がっていく。
「ヴァルト!?」
「近づくな!」
ヴァルトが叫んだ。
籠手から放たれた魔力が、周囲の破片を吸い寄せる。
砕けた黒い装甲。
床に散らばった結晶。
さらには竜皇砲から伸びる赤い光まで。
すべてが、ヴァルトの左腕へと引き寄せられていく。
「……くそっ!」
ヴァルトは膝をついた。
以前と同じだ。
力を集めれば、失わずに済む。
そう信じていた頃と同じように。
巨神の籠手が、彼の意思を無視して力を吸い上げていく。
「やめろ……!」
腕を引き離そうとする。
だが、籠手は外れない。
『統合処理を開始』
『接続対象――ヴァルト・レグナス』
『管理者権限により、接続を固定します』
「ぐっ……!」
赤黒い光が、ヴァルトの全身を包んだ。
ソアが駆け寄ろうとする。
しかし、黒い騎士たちが立ちはだかった。
「邪魔っ!」
ソアは剣を振った。
ガキィン!
剣が弾かれる。
騎士の重い一撃が、ソアの胸当てへ叩き込まれた。
ドォンッ!!
「きゃあっ!」
地面を転がる。
胸当てに亀裂が走った。
それでも、ソアはすぐに立ち上がった。
「ヴァルト!」
彼は答えない。
左腕を押さえたまま、必死に抵抗している。
「……また、俺がすべてを抱えればいい」
ヴァルトの声が、かすかに聞こえた。
「この力を集めれば……誰も失わずに済む……!」
「……違うよ」
ソアが呟いた。
ゆっくりと、剣を構える。
「それ、違う」
ソアは走った。
騎士の剣を盾で受け流す。
肩の装甲板を飛ばし、もう一体の足を払う。
そして、ヴァルトの前へ飛び込んだ。
「ヴァルト!」
「来るな!」
「聞こえたよ!」
「ならば――!」
「でも、行く!」
ソアはヴァルトの左腕を掴んだ。
その瞬間。
ビリッ!!
「――っ!?」
赤黒い魔力が、ソアの身体へ流れ込んだ。
皮膚の内側を焼かれるような痛み。
鎧の隙間から黒い光が走り、胸当ての亀裂がさらに広がる。
「ソア、離せ!」
「やだ!」
「このままでは、お前まで取り込まれる!」
「だったら、取り込まれる前に何とかする!」
「何をどうするつもりだ!」
「今、考えてる!」
「考えてから動けぇぇぇっ!!」
「それは本当にそう!!」
叫びながらも、ソアは手を離さなかった。
彼女の胸の奥で、あの感覚が蘇る。
鎧が壊れたとき。
装甲が外れたとき。
身体の内側に、力が目覚めたとき。
《スキンブースト》。
力を得るために、何かを失う能力。
けれど今、ソアが掴んでいるのは、装備でも敵でもない。
力を失うことを恐れ、すべてを抱え込もうとしている人間だった。
「……ヴァルト」
ソアは、彼の目を見た。
「一人で持たなくていいよ」
「……!」
「私だって、鎧を全部一人で着てるけど……」
「今、その話をするのか!?」
「大事な話だよ!」
「どこがだ!」
「えっと……ちょっと違うかも!」
「違うのか!」
「でも!」
ソアは笑った。
「力は、一人で抱えるものじゃないんでしょ?」
ヴァルトの瞳が揺れた。
かつての彼は、守るために力を集めた。
誰にも渡さず。
誰にも頼らず。
自分の中に、すべてを閉じ込めようとした。
そして今。
目の前の少女は、力を奪われそうになっている自分の手を、離そうとしない。
「……なぜだ」
ヴァルトの声が震えた。
「なぜ、お前は……そこまで他人を信じられる?」
「え?」
ソアは少し考えた。
「だって、仲間だから?」
あまりにも簡単な答えだった。
ヴァルトには、その言葉がひどく眩しかった。
その瞬間。
ソアの胸元で、《巡りの雫》が輝いた。
淡い緑色の光が、赤黒い魔力の中を走る。
同時に、巨神の籠手からも光が溢れた。
ただし、いつもの赤黒い光ではない。
緑と金が混じった、柔らかな輝きだった。
『警告』
『未知の接続反応を検出』
『管理者権限による接続固定――失敗』
「……何?」
ヴァルトが目を見開いた。
ソアの身体から流れ込んだ力が、籠手に吸収されることなく、腕を巡って再び外へと戻っていく。
吸収でもない。
放出でもない。
力が、二人の間を行き来している。
ソアが装甲を通じて生み出した力を、ヴァルトが受け取る。
ヴァルトが受け取った力を、巨神の籠手が増幅し、ソアへ返す。
そしてソアの《スキンブースト》が、その力を再び受け止める。
循環。
それは、竜皇砲の内部で起きていた異常な接続とは、まったく逆の現象だった。
「……力が、戻ってくる?」
ヴァルトが呟いた。
「うん!」
ソアは頷いた。
「なんか、すごいことになってる!」
「自分でも分かっていないのか!?」
「うん!」
「胸を張るな!」
「でも、悪い感じはしないよ!」
「……っ!」
ヴァルトは籠手を見つめた。
これまで、彼は力を集めることしか知らなかった。
奪い、蓄え、失わないように閉じ込める。
けれど、今は違う。
力を受け取っても、それは自分の中に留まらない。
流れていく。
そして、再び戻ってくる。
自分が手放しても、すべてが失われるわけではない。
そのことを、彼は初めて実感した。
「……ソア」
「なに?」
「次は、俺に合わせろ」
ヴァルトは立ち上がった。
赤黒い光が薄れ、巨神の籠手に緑と金の輝きが宿る。
「この力を、お前へ返す」
「……うん!」
ソアは剣を握り直した。
黒い騎士たちが、一斉に動き出す。
先頭の騎士が、巨大な剣を振り上げた。
ソアは正面から踏み込む。
「行くよ、ヴァルト!」
「ああ!」
ソアの剣が、敵の刃を受け止めた。
ガキィィン!!
衝撃が腕を駆け抜ける。
その瞬間、ソアは力を手放した。
胸当ての補助装甲が外れ、緑の光をまとって宙を舞う。
装甲板が騎士の剣を押し上げ、敵の姿勢を崩した。
「今!」
ソアが叫ぶ。
ヴァルトが拳を引いた。
巨神の籠手に、ソアから受け取った力が集まっていく。
だが、それは籠手の中に留まらない。
拳へ。
腕へ。
全身へ。
そして、再びソアへ。
二人の間を巡る力が、一瞬だけ完全に噛み合った。
「うおおおおおおっ!!」
ヴァルトの拳が、黒い騎士の胸部へ叩き込まれた。
ドォォォォォン!!
轟音。
黒い装甲が砕け散る。
衝撃波は後方の騎士たちまで巻き込み、広間の壁へと吹き飛ばした。
今度は、再生が始まらない。
砕けた黒い結晶が、光を失って床へ落ちていく。
静寂。
「…………」
ソアは拳を握った。
「…………」
ヴァルトも、自分の左腕を見つめた。
「……倒した?」
「……ああ」
「やったぁぁぁぁ!!」
ソアが両手を上げた。
そのまま勢いよく振り返る。
「見た!? 今の見た!? すごくなかった!?」
「見ていたから分かる!」
「私とヴァルトの合体攻撃だよ!」
「合体攻撃……」
ヴァルトは、その言葉を繰り返した。
不思議な響きだった。
自分の力だけではない。
誰かの力を受け取り、それを返し、共に戦った結果。
それを、ソアは当たり前のように喜んでいる。
「……悪くないな」
ヴァルトが小さく呟いた。
「え? 何が?」
「何でもない」
「えー、気になる!」
「気にするな」
「気になるってば!」
いつもの調子で言い合いながら、ソアはふと、自分の胸元を見下ろした。
胸当てには、さっきよりも大きな亀裂が走っている。
「…………」
「……どうした?」
「……鎧」
「……ああ」
「また、修理代が……」
「…………」
ヴァルトは、そっと視線を逸らした。
「……すまない」
「いや、ヴァルトが謝ることじゃないよ!」
ソアは慌てて首を振った。
「でも、これは……うん。帰ったら見積もりを取ろう」
「見積もり?」
「修理代の見積もり」
「……そうか」
「うん」
「……俺も払うべきだろうか」
ソアは、ぱっと顔を輝かせた。
「えっ!? いいの!?」
「……いや、今のは」
「ありがとう、ヴァルト! 助かるよ!」
「まだ払うとは言っていない!」
「でも、払うべきかって聞いたよね!?」
「そういう意味では……!」
「じゃあ、あとで相談しよう!」
「……くそっ」
ヴァルトは額を押さえた。
どうやら、管理者よりも厄介な相手に捕まったらしい。
*
だが、喜んでばかりはいられなかった。
広間の奥で、竜皇砲が再び唸り始めた。
ゴォォォォォン……。
『防衛機構――第一段階、停止』
『管理者権限――再接続を開始します』
「……まだ終わっていないのね」
ミレイユが、砲身を見上げた。
レイナは剣を構え直す。
「今の攻撃で防衛機構は倒せた。だが、本体の制御は残っている」
「うん。まだ、竜皇砲を助けられてない」
ソアは頷いた。
先ほどの共鳴は、偶然だったのかもしれない。
同じことを、もう一度できる保証はない。
それでも。
ソアは、隣に立つヴァルトを見た。
「……ねえ、ヴァルト」
「何だ?」
「さっきの、もう一回できるかな?」
「分からん」
「そっか」
「だが……」
ヴァルトは左腕を握り締めた。
「試す価値はある」
ソアは笑った。
「うん!」
そして、竜皇砲へ向き直る。
赤い光が、再び砲身の奥で輝いていた。
その奥にあるものを、ソアたちはまだ知らない。
管理者の接続を断つためには、砲身の内部へ進まなければならないことも。
二人の共鳴が、まだほんの一瞬しか成立していないことも。
そして――。
『未知の共鳴反応を記録』
『管理者権限――解析を開始します』
誰にも聞こえない声が、暗闇の奥で響いた。
『想定外の接続経路を確認』
『……修正が必要です』
竜皇砲の奥で、黒い光が脈打った。
管理者は、初めて想定外の力を目の当たりにしていた。
すべてを一つに集めることで、世界を安定させる。
それが、管理者の導き出した答えだった。
けれど。
力を集めずとも、つながることができる。
その可能性が、今ここで生まれた。
ソアは剣を握り直した。
「よし。今度こそ、竜皇砲のところまで行こう!」
「……その前に、修理代の話を終わらせてくれ」
「えっ、まだ払ってくれるって決まってないの!?」
「だから、払うとは……!」
「ヴァルト、お願い!」
「なぜ俺が頼まれているんだ!」
広間に、二人の声が響いた。
戦いは、まだ終わらない。
けれど、ヴァルトはもう一人ではなかった。




