78:裸の付き合い
冷静にタイトルの場所ずらしたほうがよくない?っておもったので77のタイトルを変更しました。77に使用していたタイトルを78へ変更。しようと思ったら風呂入っただけで終わったのでここもタイトル変更。77家に帰っただけで終わったし、78は風呂入っただけ。あれー?
半年ぶりの我が家、長旅の疲れもあるので両親とエリック兄さんとはとりあえず帰宅の挨拶だけ。積もる話は夕飯の時にでもということにしてまずは自室に戻り、疲れを取るためにお風呂の準備を執事長のシルバにお願いした。
「やっぱり長距離移動の後はお風呂だよねえ」
お風呂は日本人の魂だ、いや今の俺はベルデ人だけど。ベルデにおいて風呂は準備の問題もあって毎日入るようなものではなく、水浴びで済ませることが多い。年間を通して涼しい気候であまり汗をかかないことも影響しているのだろう。けれど俺は毎日入る、自分でお湯を出せるのだから準備の手間もないし、今日のように自分で準備をするのが難しい場合にはシルバに頼めばいい。
「とりあえず荷解きはこんなものでいいか、そろそろお風呂も準備できる頃だろうし」
「アルク様、入浴の準備が整いました」
「わかったよ、ありがとうシルバ」
思った通りお風呂の準備も完了し、さっさと疲れを取りたい俺は浴室へ。体を洗い、浴槽に使って体をほぐす。
「はぁ~、最高~~」
「アルクは相変わらずお風呂だとおっさんくさいね」
「兄さん?」
「やあ、アルク、僕も一緒に入ろうと思ってね」
浴槽に浸かり、体をぐずぐずに溶かしていたらエリック兄さんが入ってきた。積もる話は夕飯時にしようって話じゃなかったっけ?
「まあそうなんだけどね、僕が戻ってきた時は入れ違いでゆっくり話す時間も取れなかったし、色々聞きたいこともあるから2人きりで話したいなと思ってさ」
「あ、そうなんだ」
そういってエリック兄さんは体を洗い、俺の隣に座る。誰かと入るとなると貴族のお風呂は大きくて本当にいい。まあ女性なんかはお手伝いさんを入れるから広くないと困るのだが。
「それにしてもまさかアルクがフレア嬢を連れて帰ってくるなんてね」
「いやあれガーランドとの手合わせ目当てで勝手に来たんだけど。俺が連れてきたわけじゃないよ」
出発するタイミングで不意打ちくらったし、なんならカリーナさんですらスティング家への滞在は知らなかったし。
「いや、アルクが連れてきたんだよ。ガーランドさんだけが目当てなら家には来ないし、僕が以前お会いした時と雰囲気も全然違ったしね」
「さっきの挨拶した時?」
フレアは家に滞在するにあたり当然両親と兄さんには挨拶をしている。長旅終わりのため略式だし、すぐに客室に案内されていったが。
「そうだね、以前社交界でお会いした時はもっと高嶺の花って感じだったかな」
「完璧令嬢モードのフレアならそうなるのか」
「完璧令嬢モードって…。でもさっきはそこまでじゃなかったしアルクと一緒だから家にも気を許してるんだと思うけど?」
「まあ親友みたいなものだし、将来的には身内になるかもだしね」
俺がレイン公爵に勝てればの話だが。
「公爵令嬢相手に親友だって言えるのはアルクの凄いところだね。社交界で2人が決闘したとか聞いたけど?」
「あー、あれやっぱり社交界でも話のネタにされたんだ」
「そう言うってことは本当なんだね」
「フレアが俺の本気と戦ってみたかったからってハメられた」
「アルクを王の御前に引き立てるためにとか噂されてたけど?」
「俺はそんなこと望まないし、フレアもそんなことするような奴じゃない」
というかフレアが本当に実力を認めるような相手なら、そんなことせずとも本人が望めば王の御前にいけるぐらいの功績は残すだろ。そのぐらいフレアという公爵令嬢の才能は群を抜いてる。
「まあ、ガーランドさんと手合わせしたいって来るぐらいの子だもんね。父さん達はフレア嬢に短刀を突き刺したって聞いて青い顔してたよ」
「そりゃ決闘ですし?なんならレイン公爵の眼前で突き刺してますし?」
「よくそれを一切の躊躇なく言えるねアルクは」
「フレアが強すぎるのがいけないんだよ。手加減して気絶、降参狙いとかできるほどフレア相手の決闘に余裕ないって」
「Cランク冒険者になったアルクですらそう言うレベルなの?」
「武術だけで手合わせしたら4:6ぐらいでフレアが勝ち越してるかなあ。魔法込みならフレアの方が有利になるのもわかるでしょ?」
「よくそれで勝ったねアルクは…」
「初見殺しの1回目をそこに使っただけだよ」
初見殺しというのは初見とか言いながら大抵の場合には数回通用するものだけど、当然効果はどんどん落ちていく。けれど絶大な効果を発揮する1回目、それを使って勝っただけ。
「それにしてもアルクでもそう言うほどかぁ…。魔法にも剣技にも優れる才媛って聞いてたけど想像以上にもほどがあるね」
「2年間死ぬような思いをして鍛えた俺でこれだからね」
エリック兄さんの想像が実際のフレアを正しく把握できてなくても仕方ない、だって決闘を実際に見た人たちでも正確に捉えられてる人は一握りだろう。観客達は俺がどれだけキツイ経験をして鍛えたかを知らないし、天才のフレアと異才の俺との戦いとしか思えないはずだ。
けれど実際は天才と死ぬほど鍛えた凡才の戦い。そこまでやって、やっと牙を突き立てる資格が生まれる、実際に突き立てることができるかは別の話だが。
「まあフレア嬢のことはこのぐらいで、アルクが学園に行ってからのことは夕食で話すだろうし、僕が学園に通ってた間のことを教えてよ。そっちは夕食の時には話さないだろうし」
「いいよ、どれを話せばいいかなあ」
あまり長風呂してものぼせてしまうので話す内容は厳選しないといけない。ああでもまず最初に言わないといけないことがあったか。
エリック兄さん、サラ相手の囮にしてたことは本当に申し訳ありませんでした!




