96.5:黒幕達
土日メイン更新って言ったな?すまんデュエマのデッキ考えたりドットアビスのリセマラしてた。
エレクトラとウェンディが一推しです。あと新しいネタが浮かんだので新しい作品も書きたくなってきた
「すげぇ…あんなアルク初めて見た」
「アルクって好きな子の前だとああなっちゃうんだね…」
「初対面の時よりはかなりマシにはなってるけどね」
「うわぁー、アルるんがぞっこんですなー」
午後の公演終了後、メイ、シークの2人と合流した私とキャロルはアルクとプリムの様子を陰ながら見守っていた。父様からプリムのことをお願いされたことを利用し、父様には内緒で2人きりにさせてる以上、万が一がないようにという言い訳で3人には協力してもらっている。
「みんな私のわがままに付き合わせて悪いわね、助かるわ」
「俺は面白いアルクが見れるかと付いてきただけだから気にすんな」
「私はプリムちゃんを見てみたかったし、2人が一緒にいたらどんな感じなのかも気になってたから。プリムちゃんはお姫様!って感じの子だね、すごい可愛い」
「リムちゃんも明るくなったねー、愛ですなぁ」
本当に2人とも楽しそうにしている。アルクと出会ってから、ふさぎ込んでいたプリムは前向きになり、元々持っていた明るさを取り戻してくれた。毎朝の鍛錬に顔をだし、午後は医学の勉強、講師に付き合ってもらって医学と初級魔法を組み合わせた治療の可能性なんかも模索していた。
それにしても皆にわがままを言ってこの光景を見れてよかった。明るく笑えるようになったプリムと、そんな妹を大切にしてくれるアルク、2人が幸せそうにしている様子は私にとってとても喜ばしいもので、2人を羨む気持ちよりもとても大きな気持ちだということが確認できたから。
「しかし本当にアルクがこっちに気付かねえな」
「いつもはもっとすぐ視線に気付くよね?」
「言ったじゃない、アルクはプリムに夢中だから気付かないって。流石に敵意とか殺意を込めたら気付くと思うけど」
「今のアルるんに敵意向けるのは怖すぎるかな…」
キャロルの言う通り、アルクはプリムを守ろうという意識はしっかりしているらしく、すれ違った学生がプリムに見惚れたり、やんちゃな男性が視線を向けると途端に殺意を込めた視線を飛ばし返している。コルンと仲良くしようとしている男の子に父様が向ける視線に近い。でも籠ってる殺意は父様の方が上ね…。
「2人とも大丈夫そうだし、私達も屋台を楽しみに行きましょうか」
「フレっちもういいの?」
「ええ、アルクがプリムに見惚れて護衛もままならないなら続けたけど、あの調子なら大丈夫でしょう。むしろ気合が入ってていいんじゃないかしら」
「そういうことじゃないんだけどなー」
「何よ、いくら私でも2人をこれ以上邪魔するような無粋な真似はしないわ」
「うーん、まあフレっちがいいならいっかー。フレっちに付き合わされて疲れたから私もチョコバナナ食べたいなー!」
「えぇ…まあ付き合ってもらったし買ってあげるわ。メイも食べる?」
「え、いいの?」
「ええ、お願いを聞いてもらってなにも返さないのは問題だもの」
「お、マジか、じゃあ俺は串焼きでも買ってもらうかな」
「男が女性に奢らせるのは貴族以前の問題よ、シークには稽古をつけてあげるから感謝しなさい」
「…うっす」
アルク達の尾行を止め、ここからは私達も屋台や出し物を楽しんでいく。メイ、キャロルとチョコバナナに並び、その間にシークは串焼き買ってくると言って屋台へと向かって行った。
3人分のチョコバナナを購入し、シークとの合流地点で待っているとまあ懸念というのは現実になるわけで。
「お嬢ちゃん達ここの学生さんだよね?よかったら俺達のこと案内してくれない?お礼になんでも奢るからさ!」
「ベルデ王国に来るの初めてだから現地の人と仲良くなりたいんだよね!」
まあ男がいない時間があればこういうことが起こるのは簡単に予想できた。だからこそなるべくそうならないようシークとアルクには私達と一緒に動いてもらっていたわけで、でもアルクをプリムのボディガードに付けている以上、どうしても女3人になってしまう時間は生まれる。
「ごめんなさい、友人を待っているところだから私達は案内出来ないわ、他を当たって貰えるかしら?」
「そんなこと言わずにさ!その友達も一緒でいいしその子の分も奢るから!」
「そうそう!その友達って今どこにいるの?君らみたいな可愛い子に案内してもらえるなら喜んでなんでも奢っちゃうよ!」
これだから性欲に目が眩んだ男というのは嫌になる。事を荒立てないように優しく拒絶したのに、勝手に自分に都合よく解釈し、勝手に自分に都合のいい展開に持っていこうとする。知らないとは言え他国の公爵令嬢をナンパするなんて、判明したら困るのはこいつらなのに。それに私は友人と言っただけで、一言も女の子とは言ってないのに。
「だそうよ、シーク、貴方が沢山奢ってもらいなさい」
「串焼き買って戻ってきたらなんでこんなめんどいことになってんだよ…」
「は?男?」
「通りすがりの友達君?今俺らこの子たちに用事あるからどっか行ってよ」
「あら、先ほど話した私達が待っている友人ですよ?彼みたいなアホで可愛い子に案内をしてもらえるなら喜んで奢るのでは?」
「フレアもボディガードをしろという割に俺への扱い酷くない…?お兄さん達も悪いこと言わないからこいつらは辞めた方がいいよ。顔はいいけど怒らせたらやべえ魔法飛んでくるから」
「はぁ?ガキが美少女3人侍らせて調子乗ってんのかよ!」
「っざっけんな!こちとら今まで何人にも断られてんのになんでこんなガキがいい思いしてんだよ!」
「えぇ…俺絶対いい思いしてないんだけど…」
…まあ男1人に女3人のグループを見たらそう勘違いするのは当然よね。実際はもう1人男の子はいるし、シークとそういう関係になるとしたらメイぐらい?けど今はシークからしたら本当にお目付け役見たいなものでしょうし。
「いい思いしてるやつはいつもそういうんだ!」
「自分の幸運を当たり前だと思いやがって!少しは痛い目に合ってもらわないと不公平だよなあ!」
「はぁ!?普段からお前らがナンパしようとしたやつに痛い目見せられてるっての!?」
ナンパ師たちがシークに殴りかかり、シークは2人の拳をどうにか躱している。まだまだ無駄があるけど、流石に普段から私とアルクで鍛えてるのもあって、この程度の素人相手なら年齢が離れていても遅れはとらないわね。
「なあ!流石にフレアも手伝ってくれねえ!?魔法も魔具もなしの徒手空拳で年上2人相手は流石にキツイって!」
「そんな…私暴力なんて…怖くてできません…」
「あああああああああ!!!???」
いや流石にこの程度の相手に負けるようじゃ、普段私達がシークを鍛えてる意味が無いじゃない。大事になったから衛兵も呼ばれるだろうし、そんな時に私に拳を向けていたとなったら困るのはナンパ師たちだ、平民であるシークとの喧嘩、ぐらいに収めておくのが一番面倒がない。
「ね、ねえフレア。本当にシーク助けなくていいの?」
「私とキャロルが助けるのはダメね、問題が無駄に大きくなるわ」
「それにメイっちじゃ助けに行っても男の人相手に魔法も魔具も無しじゃ何もできないでしょ?だからここはシーくんに男を魅せてもらわなきゃ!」
魔法使いでもない一般人相手に魔法や魔具を用いての交戦は禁じられている。当然犯されそうになったとか、盗賊だとか、程度によっては許されるが逆上したナンパ相手ぐらいならよほど追い詰められない限りは使ってはいけない。つまり
「シーク!その内衛兵が来てくれるからそれまで頑張りなさい!」
「が、がんばれシーク!」
「シーくんの!かっこいいとこみってみったい!」
「ざっけんあああああああ!!!!!」




