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6 ネコマタと養殖屋さん。にゃーニャー

 目的地にたどり着きました。


「祖父から受け継いだ小さいダンジョンでして、荒れ放題だったのを適度に整備して養殖業を始めたんです」

 養殖屋さんは、奇麗にしすぎるとダメなんですよ、と付け足しました。


 ダンジョンの中はそこそこに片付いて、そこそこに植物が生えて、そこそこにガラクタが散らかっています。


「まずは宝箱を見つけないといけません」

 よろしくお願いしますと言われて、

「……えっと頑張ります」

 とウルコちゃんが鼻をクンクン嗅ぎ出します。イッヌ――ではなくオオカミのケモミミは鼻での探し物が得意なのです。


 一行はウルコちゃんが指さすほうへズンズン進みます。するとそこにはクロマタでも抱えて持ち上げられそうな小さな宝箱があります。


 養殖屋さんはこれ以上近づかないように言ってから、猫みたいにしゃがみこんで宝箱をじーっと眺めます。その次は右、左と回り込んで同じように眺めてから立ち上がりました。


「どうぞ開けてみてください」


 言われてクロマタが両手で宝箱をパカッと開けました。


 四人と一匹がのぞき込むと、そこには小さなナイフが入っていました。


 ナイフは街の鍛冶屋で一振りいくらで買えそうな何の変哲もない普通のナイフ――ではないようです。

 よく見るときらめきを二つほど帯びています。一つは赤で、もう一つは白のきらめきです。見る角度を変えても赤と白の二つです。光の錯覚ではないようです。


「これはいい出来ですね」


 養殖屋さんは転送用の着払い伝票を取り出しました。それにはこの場所の座標と送り主の名前、送り先の住所がすでに書いてあります。種類の欄に【刃物】、サイズには小と書き加えて、伝票と危険物注意のステッカーを貼って、一番上の控えをびりっと破るとナイフは淡い輪郭を残しながら消えてゆきました。養殖屋さんの倉庫まで転送されたのです。


 宝箱は見る間にしおれて枯れてしましました。


 そして宝箱の生えていた場所になにかの種と緑色の液体を撒いてから、なんのきらめきもまとっていないショートソードを鞘から抜いて、なにかを撒いた上に置きました。


「これが収穫の一連の流れとなります」


 収穫作業を初めて見た三人と一匹は、感心して「うんうん」と頷いています。


「まず宝箱――正確には宝箱花を探し、見つけたら本物かどうかチェックします。偽物は危険ですから絶対に間違えないようにです。開けるか倒すかして中身を収穫したら、新しい花の種と元となる武器を仕込んで終了です」


 シロマタさんがわかりましたのニャ~を返しました。

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