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幕間 ネコマタとビュッフェのエビフライ

 ネコマタコンビとウルコちゃん、傭兵さんはお仕事の成功を祝ってビュッフェにやってきました。

 お値段はそこそこしますがその分味量種類どれもそろったお店です。いろいろな料理が列をなしているの光景は、なんともたまりません。


 荷物を席に置き、手にはトレイを構え、心を食い気と焦らずの精神で満たしたら、準備は万端です。


 クロマタとウルコちゃんは目を輝かせながらトレイをもってその場でクルリと一回転しました。クロマタに引っ張られてウルコちゃんもテンションが上がっているようです。お行儀が悪いとシロマタさんと傭兵さんは二人の頭をペシリとしました。


 まずはサラダのコーナーです。が、クロマタとウルコちゃんはここをスルーし――たかったのですが、シロマタさんが前足でクロマタの額をテシテシしながら、野菜を食べろ猫草を食えビタミン万歳のにゃーニャーをしました。


 構わず前に進みます。ビュッフェの神髄とは嫌いなものを食べないことである、と心に刻んであるからです。ウルコちゃんも一緒です。初めての野菜嫌いの友でした。

 二人は視線を交わします。今ここに反野菜同盟が結成されました。目的地のエビフライコーナーはすぐそこです。


 が、予想外の敵が立ちふさがりました。傭兵さんです。クロマタの野菜嫌いを知った傭兵さんはシロマタさんと野菜食わす同盟を結成していたのでした。


 ケモミミたちはしぶしぶとサラダを盛りました。ちょこっとだけ盛りました。本当はもっと食べたほうがいいのですが、今日はせっかくのビュッフェなのです。よしとしましょう、大人たちはOKサインを出しました。


 さあ、メインのコーナーです。様々なおかずが並ぶ中で、特にクロマタの目を引いたのはエビフライです。


「ネコマタだから、エビだって、大丈夫」

 クロマタは誰かに説明をしながら気合を入れました。普通のネコに生エビは絶対いけません。


 エビフライは一本一本が丁寧に揚げられていて、大量調理にありがちな雑さなどありません。しかも三種類あります。【殻殻エビ】と【陸エビ】と【ハジケルエビ】のフライです。見ているだけでよだれが溢れます。


 クロマタたちは当然3種類とも沢山取りました。タルタルソースもたっぷりです。


 更に隣にあった生ハムもどっさり取りました。シロマタさんが取ってくれのにゃーニャーをしたので止まってみると、そこにあるのは魚の味噌煮です。形が崩れる一歩手前までクッタクタに煮込んである絶品です。あとはスープとパン、飲み物を取って一旦席に帰ります。デザートはまだその時ではありません。


 席に着いたらみんなで一斉にいただきます。


 さっそくエビフライをほおばります。最初はなにもつけずに味わうのがクロマタのマイルールです。


 まずは【殻殻エビ】のフライです。このエビは身が少ないのですが殻が層になっていて、あえて殻ごと揚げることでパリパリザクザクの食感が楽しめる逸品です。特に尻尾のうま味がたまりません。


 次には【陸エビ】です。名前の通り陸に適応したエビで、火を通すとエビの味とほくほくの食感の組み合わせがたまりません。


 最後は【ハジケルエビ】はとにかく肉厚です。成長するとパンパンに詰まった身で殻がはじけ飛ぶからこの名前が付きました。プリコリの食感とあふれ出すエビ汁、これがフライとなっているのですから、おいしいに決まっています。


 二週目は当然つけます。タルタルソースをです。ちょこっとしかつけないのは素人です。自称プロのクロマタはぶっといエビフライの頭がタルタルで隠れるように盛るのです。タルタルでエビで食うのではありません。エビでタルタルをすくって食べるのです。舌だけでなく目で楽しみ、、そして大量に盛ったという事実を頭で噛みしめる。それが自称プロの食事です。クロマタたちは贅沢という幸せを味わっているのです。


 サラダはシャキシャキ食感にドレッシングがかかっていて、一般的にはおいしいのですが、クロマタにとってはエビフライの間の障害物です。しかし、今は生ハムがあります。サラダを生ハムで包み中和するのです。悪くない、悪くない味だとクロマタは思いました。


 ふと思いました。エビフライを生ハムで巻いたらどんな味がするのだろうと。試すしかありません。


 クロマタとウルコちゃんの前には生ハムでグルグル巻きにされたエビフライがあります。こういうのは一人よりも二人です。二人同時に食べました。


 味は間違いなくうまいと言えるでしょう。十人中九人がうまいという、そんな味でした。そもそもおいしい者同士を掛け合わせてるのだから不味いはずがありません。そして、十人中十人が別々に食べたほうがうまいと答える、そんな味でした。しかし、そこには普通では味わえないものがありました。さらにタルタルソースを盛ります。クロマタたちは非合理と背徳と贅沢が組み合わさったなんとも言えない幸せをじっくりと味わいました。


 シロマタさんは、脂っこいものが苦手なので、衣をとったエビフライをアグアグ食べて、幸せのにゃーニャーをするのでした。

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