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崩壊世界でマンション暮らし ~家賃はきっちりもらいます  作者: 二時間十秒


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広がる大地

「それでは、敷地拡張でOKですね」

「「「意義なし」」」


 しばし話し合ったが、これが一番いいという結論になった。少なくとも現状外を監視しなきゃいけないような危険はないし、他のものも実用性にかけていたし。


「じゃあ早速やってみようよ、どんな風に広がるか見てみたーい」


 立ち上がった雪代に他の人も。


「善は急げね」

「そのとおりですね!」


 とやる気満々だし、早速やってみることにした。


「操作してくるから待っててくれ!」と言い残して俺は管理人室に行き端末を立ち上げる。


────────────────────────

マンション機能拡張ツール/要星魔石/必要MMP 1

・敷地拡張

────────────────────────


 を選択し、確定ボタンを押したら再び走って外へ戻る。

 広がる瞬間どうなるのかを俺も見たい。


「お帰り~。できた?」

「ああ、多分すぐに始ま……おおッ!?」

「揺れてないでしょうか!? 激しく!」


 皆のもとに戻ってすぐに地面が激しく縦揺れを始めた。

 ……いや、違う。地面だけじゃなく空気も揺れている。空間全部が振動しているんだ。


 地震とも違う初体験の感覚に目が回ったときのような感覚になっていたのは三十秒ほどで収まった。


 俺以外も同じようで、綾瀬は特に頭をふらふらと振っている。ソナーのマホウが暴発でもしちゃったかな。


「ああ、目が回った。……でも、んん~? なにも変わってなくない?」


 頭を振りながら綾瀬が言ったとおりだった。

 何も変わったようには見えない。


「不発?」

「マンションの機能が不発だったことこれまでにありませんでしたし、それはないと思います。見た目が同じだけで何か変わってるはずです」


 雪代と楓が言っているのが聞こえた。

 見た目が同じだけで変わっている……まさか。


 俺はおもむろに、マンションから遠ざかる向きへと歩き出した。

 マンション裏の木が色々植えてあるところから、まだ何もない芝生のところまで歩いていき、さらに進んでいくと――。


「進める」

「えっ、待って!? 九重さんあんな遠くまでいけてる!?」


 雪代の驚きの声が聞こえてくる。

 歩いただけで何を驚いてるんだと思うかもしれないが、これまではマンション空間の俺のいるより後ろに見えない壁があったんだ。


 見た目では芝生がどこまでも続くマンションが立っている周りの土地。

 しかしそれはマンションから数十メートルはなれると、見えない磁石で反発しているような力がかかり、どうやってもそれ以上前に進めなくなっていた。


 しかし今、俺はその限界点を越えて歩くことができているのだ。

 歩いてもなんの抵抗も感じない。

 ごく普通にそよ風の中を歩いている。

 

 そんな俺を見て、他の住民も走ってやってきて、以前の限界点の近くでスピードを落としてそろそろと足を前に出しながら、驚いた顔をした。


「本当に通れる! 見えない壁がなくなってるよ!」

「これで遠くまで行けるようになったってことだな」

「うんうん。でもあのぐうっと全身を押されたような変な感じもなくなると懐かしいかも」


 俺は前方を指さした。

 雪代はその意味をすぐに理解し、さらにそこから数十メートルほど走っていく。すると体の動きが鈍り、ついには必死の形相で腰にゴム紐をつけて後ろから引っ張られながら走ってるみたいな格好になってしまった。


「ここに……あるよ、見えない壁!」

「倍ってとこか。これまでの距離の」


 マンションの真後ろ方向100メートルくらいのところで、それ以上進めなくなる「壁」の存在を確認。

 そこからスタートして俺達はぐるっとまわるようにマンションの周囲を確認していったが、マンションを中心に半径100メートルの半円を作るように見えない壁があるようだった。


 マンションの前方は変わらず、門のあたりまでに制限されている。つまりこれまでと移動できる範囲の形は変わらず、広さの半径だけが倍増、つまり面積は4倍になったというわけだ。


「4倍はかなりのものですね」

「ああ。さっき話していたことも色々できそうだな」

「何をしますか?」

「それは……」


 スポーツしたいって意見があったな。となるとスポーツ用の土地にするべきか。しかし畑を広げるというのもあるし……いや、まずは何ができるかを確認しなければ何をするかの決めようがないか。


 何ができるか、つまりマンション通販で何が売っているかを確認するってことだ。


 俺は考えたことを話し、皆で検討した結果、3日後までにマンション通販を調べて広くなった土地で出来そうなことと自分がやりたいことを考えておくことにした。

 その時にはもう一つ、第二マンションの増えた部屋を何に使うかも同時に決めようってことになった。それも考えておくこととした。

 そしてその日は解散し、3日後。


「おお……今日は皆集まってるんだ」


 土地の利用と第二マンションでのサービス通販、この二つを話す場にはマンション住民全員が集合していた。


「ふふん、やりたいこと色々あるからね」

「自分も……意見言っていいんスか」


 雪代がやる気だし――いつもこうな気もするが――それに今回は土屋も来ているし、他にも前回いなかった人もいる。


「うーん、星魔石でできることより普通のマンション通販の中からやりたいことを探すほうが人気なのか。星魔石とるのに苦労したのになあ……」

「ふふ、落ち込まないでください九重さん」

「楓……楓も頑張って取ってきたのに」

「まあ……一見しただけでは土地広げるとかマンション2つ目を建てるとか、それ自体だとメリットが見えにくいですけど、でもそれがあってこそ、美容室やそれ以外のサービス店舗を作るとか土地で何をやるとか、色々魅力的なことができるようになるわけですから。一番大事なことですよ」

「良いこと言うな楓! これも星魔石の成果ってことね。……それじゃあ、今日はダブルの会議始めようか」



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