表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/43

第13話/心

1.魔界-教会


「なんで俺を庇ったんだ?」


「…わからない。」


「まぁ、やれることはしたいもんな。」


 俺たちはザタワとの戦いを終え、【塔】のアビリティジェムと、その購入権を得た。


(タワー)】/【ビクトリア】のシステム機能を行使できる特殊権限。使用者が望む《破壊》を実現させる。


 これからは店で買うこともできる。強力な効果故、死ぬほど高価なので使う回数は少なくしたい。


「アーサー。」


「?」


「助かった。ありがとう。」


「ありがとうな。」


「…やめろい。こそばゆい…。」


 2人からの賞賛を受け止めきれずにいたアーサーであるが、返す言葉はわかっていた。


「いや、ありがとう。みんな。」


2.ブリーフィングルーム


 フォイドラと別れ、堕天使と合流する。堕天使はなんだか黒い鎧を身に纏っていた。まさか…。


「フッ、よくぞ気づいた。これはマスラオだ。」

「マスラオを鎧にしたのか。硬度は?」

「この通り、鎧から我が黒針(ブラックスピア)を伸ばすことができる!」


 硬度に関してははぐらかされた。しかし、自由なタイミングで殺傷力のある針を伸ばすことができるのは、非常に有用であろう。流石はワールドアイテムといったところか。


「はーい。ブリーフィングの時間だよ〜。」


 ザスターが音頭を取る。


「今回の目標は、バゼリの邪神像だ。」


 ギルド【夜の剣】が確保した邪神像を解放しなければ、この世界に真の平和は訪れない。


「待テ。何故バゼリなのカ。バゼリは一番初めに占領された地域。故に、戦闘設備は万全だろウ。」


 ザスターはナイトケのクガンの質問に答えた。


「今回の作戦は、バゼリ以外の三国…ジオマ、ナイトケ、ザマルのレジスタンスの協力を得て行っている。我々がバゼリを狙うのは、バゼリが手薄であるということと、バゼリに仕掛けることで、間接的に他のレジスタンスを支援するという目的がある。」


「ありがとウ。」


「目標はバゼリ王国首都エノワ。バゼリ城を占領し管理する首脳部を叩く。移動は転移で行う。投下先は上空になるので、翼持ち以外はパラシュートを配布するので、持っておくといい。」


 以上。準備が出来次第、そこの転移陣から乗り込み、そこにあるもの全てを破壊してくれたまえ。

 ザスターはそう締めくくった。


3.バゼリ王国上空


 全員が固まって動く必要はない。あの後待ちきれなくなって飛び出した俺は、【第零形態】に変化して、自由落下していた。首都エノワは、戦闘都市に変えられている。至る所にトラップ魔法陣や、自動攻撃する大砲が仕掛けられている。俺に向けて大量の砲弾が放たれた。


「いてっ。」


 【不滅】をセットしておくことでダメージを80%カットする。近接攻撃などにはまともに機能することがない80%カットだが、遠距離攻撃にはちょっと仕事したようで、大砲の直撃を喰らっても無傷である。


 落ちた先にはトラップ魔法陣があり、噴き出たマグマが俺を攻撃する。しかし、さすが魔神王である。足の溶ける感覚があったが、難なく踏み越えることができた。ナギトとの戦いで、頭が再生したのと同じ原理だろう。

 ここで遂に兵士に見つかった。


「侵入者だ!捕まえろォー!!」


 【第二形態】、【臨戦強化】を発動し攻撃を仕掛けてくる巡回兵。流石の【第零形態】でも、まともに攻撃を喰らえば死ぬ。なので俺は【魔法弾】を撃つことにした。


「な!?あぁーっ!?」


 弾幕。巡回兵は咄嗟に斧でガードしたが、ガードした部分以外の箇所が消滅した。

 ガトリングレーザーと名付けよう。【第零形態】、生身の状態より魔法弾が連射しやすい。今までは頑張っても5指からしか出なかったが、この形態だと全身から噴射することができる。その上、弾速も速いのでいうことなしだ。


魔法弾連弾(ガトリングレーザー)!」


 俺は家屋含め、目に映る全てを破壊し始めた。残弾は無限に近い。この様子では、中央の城はもっと罠だらけだろうし、罠に近づくなんて馬鹿のすることだ。ここから破壊してしまおう。


4.バゼリ王国-さら地(首都エノワ)


 バゼリの維持部隊は基本、空が飛べない人族で構成されている。空中を蹴って移動なんて普通無理なので、彼らはこの魔法弾の弾幕を超えることができない。唯一の対抗策は相手の息切れを待つか、防御を固めて通り抜けることだが、そんなことができるようなやつはナイトの俺以外にいないだろう。攻撃敏捷偏重型の蛮族どもには、この弾幕を越えることはできないのだ。


「助けてくれー!全身からレーザーを放つ頭のおかしい変態がいる!」

「無理だ。俺たち蛮族では抜けれない。【ナイトリッチ】様を待て!あの方ならきっと…。射程範囲外から様子見だ!」


 【ナイトリッチ】だぁ〜?なにがナイトリッチだよ!リッチなナイトかよ!全くよぉ〜!!


「お前ら、皆殺しにしてやるからなぁ〜!!」

「うわっ、話聞かれてた!?」

「た、助けて、助けてぇぇぇぇ!!!」


 2人の蛮族を追い回す俺。【瞬間強化】を使い、敏捷を強化して逃げ切るつもりだろう。実際、俺は追いつけていない。しかし、【瞬間強化】は8秒しか持たないし、インターバルもある。こいつらは死ぬ。


「ひゃははははははははなははは!!!せいぜい逃げろや!!絶望の、抱擁をなぁ!!」


「ぐっ…もうダメだ!追いつかれる…!」

「畜生…一か八かだ…!【斬界討滅(ワールド・ブレイク)】!」

「テスタロス!?」


 テスタロスは【斬界討滅】、【第三形態】を同時使用し、【衝撃波】を放つ。苦し紛れとはいえ、その一撃は必殺に等しい。


斬界討滅ワールド・ブレイク】/【剛撃】×【轟撃】のアビリティコネクト。次の攻撃の際、筋力値が40倍される。


 しかし、アーサーは眼前の目標を打破するため、対策を練った。この魔法弾連弾(ガトリングレーザー)のおかげでアイデアが湧いてきたのだ。


「【臨戦強化(ブーストタイム)】。」


 【臨戦強化】をセットし、思考速度を上げてから───魔法剣を、腕に宿す!


臨戦強化ブーストタイム】/【瞬間強化】×【光陰正視】のアビリティコネクト。一定時間、筋力、俊敏を3倍し、動体視力を戦闘する敵に合わせて補正する。

【魔法剣:地岩】/発動時、武器に地属性を宿す。一定時間有効。

【魔法剣:蒼穹】/発動時、武器に沿って魔力の刃を形成する。一定時間有効。

【魔法剣:煌撃】/発動時、武器に光属性を宿す。闇属性の敵に対しては、ダメージが上がる。一定時間有効。


 地属性を宿すということは、鉱物的剛性や、絶縁性を宿すということと同義。かつ、魔法剣:蒼穹が作る魔力の刃に、魔法弾連弾(ガトリングレーザー)の如く魔力を注ぎ込むことで───。


「───これこそ、エクスカリバーだ。」


 俺の腕は光剣となった。そして、そこにプラスしてマスラオを纏わせることで、光と闇が合わさり最強に見える。


《 条件達成!【魔法剣:魔剣烈破】を習得しました! 》


【魔法剣:魔剣烈破】/固有モーションから繰り出される攻撃。200%+(魔法剣の数)×150%のダメージを与える。魔法剣は全て解除される。


 固有モーション!?今使えるわけないだろ!タイミング考えろ!テスタロスの衝撃波と俺の腕剣エクスカリバーがぶつかり合う。当然俺の右腕は砕けた。絶体絶命である。


 ───しかし、腕剣エクスカリバーは左腕にも装備できる。俺は左腕のエクスカリバーを振るい、衝撃波をかき消した。


「な…。く、くそ…。」


 その後、アーサーは瞬時に魔力で魔法剣のフレームを構成することで、エクスカリバーを復元。再度魔法弾連弾(ガトリングレーザー)を起動。ゆっくりテスタロスを追い詰めはじめた。


「死んでもらおうかぁ〜?」

「…くそ。」


 テスタロスは、座り込んだ。誰もがテスタロスの死を予感する。


「───やめてもらおうか。」


 その時だった。純黒のナイトが、テスタロスの前に立つ。アーサーは歩みを止めた。


「…お前が【ナイトリッチ】か?」


「そうだとも。」


 ナイトリッチは何かのスキルアビリティを展開する。金色の粉塵が舞い、テスタロスを包み込む。なんらかのバフだろうか。

 テスタロスは、ミハルに助け起こされ、再度立ち上がった。俺は眉を顰める。


「ナイトリッチはともかく、雑魚のお前らが俺に敵うわけないだろ。」

「それはどうかな。」


 ミハルは不敵な笑みを浮かべる。なんなんだ?何かあるようだな。あのバフで何か…防御力でも上げたか?


「そうかよ。軽く見られたもんだぜ…。」


 再び戦闘体勢に入る。対するナイトリッチは盾を構えた。


「皆、行くぞ!迎撃だ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ