チャプター23「相棒」
街を守るため、謎の声と共にキメラや魔物と大和が戦う中、孤独に怯え一歩を踏み出すことができなかった赤坂は死んだ筈の親友と奇跡の再会を果たした。その中で背中を押され、赤坂は大和と合流するため、走り出す。
“左から来るぞ!”
「ぐっ!」
体を後ろにのけぞらせ、何とか魔物の攻撃を避ける。
“次は…”
「っ!!!」
謎の声と協力して、魔物とキメラの攻撃を捌ききれずに攻撃を受けてしまう。
“裕也すまない…”
「全然…大丈夫だよ…あっちのほうが手数が多いんだしょうがない…」
何とか倒れずに持ちこたえるが、いままで連戦してきたことで体は限界を迎えようとしていた。
(後15分…か…)
状況を冷静に判断し、15分の長さを実感して苦虫を噛み潰したような顔をしてしまう。
“ぼーっとするな!上から来るぞ!”
「はっ!?」
必死に前方へと体を押し出し、魔物の攻撃を避ける。
“次は後ろだ!!”
「ぐっ!?」
キメラの攻撃を何とか剣で防ぐが、
「ぐうぅぁぁぁ!…ぐふっ!?」
キメラとの力の押し合いに負け、吹き飛ばされてしまう。
「ぐっ…っ!…ぐぁ!!」
地面に何度も体をぶつけながら転がった僕は地面に突っ伏してしまう。
「うぐ…」
(く…くそ…早く立たないと…)
震える手足に力を込めて立ち上がろうする。
“何処でもいい!避けろぉぉぉ!!”
「はっ!!」
顔をあげると目の前には攻撃を仕掛ける魔物の姿があった。
(くっそ!動かせ!)
恐怖に負けそうになるが、我に返り少しでもダメージを減らせるように防御態勢に入る。
「させるかぁぁ!!」
その叫びと共に目の前に氷の柱が大量に生み出さされ、魔物は攻撃を止めて後方へと下がる。
(!?これってまさか!)
「待たせてすまなかったな、大和。」
驚いていると赤坂さんが目の前に現れ、こちらに向けて歩いてくる。
「…お前のおかげで吹っ切ることができた。ありがとうな。」
「へ?あ、はい…」
何を言っているかはわからないが、赤坂の顔には先ほどまでの焦りはなく、澄んだ笑顔が浮かでいた。
「はは、何を言ってるんだって顔をしてるな。まぁ、それは追々話すよ。とにかく、今はこいつらを倒すぞ。協力してくれ。」
「!?は、はい!」
赤坂さんから協力という言葉が出てきて驚きながらもそう返事を返す。
「俺が柱を生成する。それを使ってキメラに奇襲をかけろ。」
「っ!はい!」
赤坂さんが地面に手をつくと周りに複数の氷の柱が立ち、魔物は身動きが取れなくなる。
「今だ!」
「っ!」
そうして、柱を伝いながら全速力でキメラに接近する。
グギャ!!
キメラもこちらに気づいて攻撃するが、その前に僕は飛び上がって後方の柱へと着地、隙を見せたキメラに回転で勢いをつけながら接近する。
「はぁぁぁ!!」
遠心力を加えた斬撃はまともに命中し、キメラに大きな傷跡をつける。
グギャァァァァ!!
「下がれ!!」
「!」
その言葉を聞いて後方に下がると、頭上から複数の氷が降り注ぎキメラへと追い打ちをかける。
“後ろだ!避けろ!”
「っ!」
グガァァァァァ!
脳裏に言葉を聞いて右に避けた僕はそのまま、目の前にある氷の柱に足をかけ上空に飛び上がる。
「次は僕だ!!」
魔物の攻撃で舞い上がった氷の破片に蹴り飛ばし、魔物の顔面に直撃させる。
グギャギャァァァ!!
「っ!」
(チャンス!)
怯んだのを確認し着地した僕は氷の坂を駆け下りて魔物に接近する。
「はぁぁぁ!!」
しかし、魔物は後方へと下ってしまい、振り上げた剣は空を斬る。
(あたらないか…でも!)
魔物とキメラ、赤坂さんの場所を把握して、僕はすぐに違う方向へと走り出す。
(よし、着いてきてるな…)
後ろを追う魔物の姿を確認し、裏路地へと入って行く。魔物の視界から消えた一瞬のタイミングを見て、壁を利用しながら建物の上へと移動し、赤坂さんの元へと向かう。
ドッゴーーーン!!
「っ!?」
大きな破裂音と共に視界の先に爆煙が広がる。
「赤坂さん!!!」
最悪の状況を考えて走り出そうとするが、煙の中から後方に下がる赤坂さんとそれを追うキメラの姿が現れる。
(無事でよかった…って違う!急がないと!)
接近する間にも、赤坂さんとキメラは接戦が続く。
キメラの攻撃を弾き赤坂さんが攻撃を仕掛けた時、赤坂さんの後方からキメラの尻尾が急接近するのが見えた。
「っ!!あぶない!!」
「大和!?」
「ぐっ!」
足に力を込めて距離を詰め、赤坂さんに襲い掛かるキメラの攻撃を防ぐ。
「っ!はぁ!!」
突如の出来事に驚きながらも、赤坂さんは攻撃に移る。その攻撃を避けるためキメラは後方へと下がる。
「助かったぞ、ありがとうな。」
「いいえ、お互い様ですよ。」
そんな話をしている間に、キメラの元に魔物が戻って来る。
「くっ…もう戻ってきたか…」
「大和…」
「ん?なんですか?」
「お前、後10分持ち堪えられる自信あるか?」
「…正直ないですね…」
「そうか…」
「このままじゃまずいってことですね…?」
「あぁ、何か手を打たなければこのまま死ぬ。」
(何か…何かないのか…せめても赤坂さんだけで…だけ?…っそうだ!)
「…ならこんな作戦はどうです?」
そうして魔物の動きを見ながら、赤坂さんに思いついた作戦を伝える。
「な!?それだとお前は…」
「大丈夫、残った力を振り絞れば行けますよ。信じてください…じゃないと僕たちお陀仏ですよ?」
「っ…」
「赤坂さん…」
「あぁ、わかった…やるさ、やってやる。俺はお前を信じるって決めたからな。3分だ…絶対に生きて2人で帰るぞ!」
「はい!」
僕の返事を聞いて、赤坂さんはその場から離れる。
グギャギャギャギャァ…
グォォォ…
魔物たちも満身創痍なのかゆっくり体を休めている。
「お互いギリギリみたいだな。作戦を伝える時間をくれてありがとうよ。」
剣を魔物たちに対して構える。
「行くぞ!」
気合を入れた僕は魔物達へと接近していく。
一か八かの作戦にかける大和と赤坂、果たして大和は耐えることができるのだろうか…
ここまで見ていただいてありがとうございました!またよければ見てください!




