チャプター14「特訓」
作戦により、ようやく赤坂から特訓を受けることできた裕也。しかし、その内容は…
それからというものの、僕は赤坂さんからもらったノートに書かれていた特訓を日々続け、早2週間が経っていた。
特訓自体は特別な物というわけではなく、ランニングや体幹トレーニング、素振りなどシンプルなものが多くそれについては苦ではなかったのだが…
やはり問題はこの訓練着だ。
というのも服、ズボン、バンドと一見普通の物にしか見えないが尋常に重い…自分で言うのもなんだけど身体能力が高いから重いで済んでいるけれど、普通の人なら立っているだけでもきついんじゃないかと思う。
そんな訓練着を着ていることもあり、特訓が暫くままならない状態だったけれど最近は着ていても支障なく動けるようになってきていた。
そして今日は、
「うん、結構いいじゃない。」
「本当です…っか!」
カンカンと木と木がぶつかり合う音が響く訓練場の中で、福原さんと戦闘訓練を行っていた。
「えぇ、だけどまだまだ動きは鈍いよ!」
「はい…だけどすぐに追いついてみせます!」
後退する福原さんに合わせて距離を詰め、攻撃をしかけるが、全て防がれてしまう。
「ほら、もっと攻めてきていいのよ!」
「えぇ!そうさせて…っ!?」
攻撃の手を緩めず接近戦を続けていたが、無意識に無理な体制をしたせいでバランスを崩して地面に倒れてしまった。
「おっとっと…!?裕也くん大丈夫!?」
「あっはい…大丈夫です…」
「そっか、ほら手を掴んで。」
そうして、差し伸べられた手を借りて体を起こす。
「きりもいい所だし、一旦休憩にしましょうか。」
「あはは…そうですね。」
福原さんの提案を受け、僕たちはベンチに移動し休憩することとなった。
「どう?特注の訓練着は。」
「ぷはぁ…全然なれないですね…意識していないとすぐに持っていかれてしまいますし。」
お茶を飲んでいると福原さんから訓練着について聞かれたのでそう返事をした。
「まぁ、そうだよね。さっき盛大に転んでたし。」
「あはは…」
福原さんの言葉を聞いて、僕は恥ずかしくなり頬をかく。
「そういや、特訓の方はどう?夜遅くまでやってるみたいだけど…」
「岩の方は全然駄目です。どれだけ力を込めても、早く振ってもびくともしないですね…」
毎日特訓終わりに、岩斬りに挑戦しているが岩を割ることは出来ても斬ることは出来ず、時間だけが過ぎている。
「でも、特訓のおかげで力の方は少しずつついてきている気がします。」
僕がそういうと福原さんは何故か、笑みを浮かべていた。
「ん?どうかしました?」
「いや、ごめん。あれだけ嫌な顔をしていたのに、赤坂くんを信じてくれてるんだなって思ってね。」
福原さんが何を言いたいのか納得した僕は、「あぁ…」と言葉を漏らした後、色々思い浮かべながら話を始めた。
「まぁ、そうですね。確かに初めは嫌われてると思ってましたからね…でも…」
「でも…?」
「福原さんたちがそうじゃないと話をしてたから、改めて聞いたことを振り返ると、赤坂さんが言った言葉が間違えてるとは思えなかったんですよね。」
「そっか…。」
僕の話を聞いた、福原さんはほっとした様子で笑みを浮かべていた。
「えぇ、だから心配しなくても大丈夫ですよ。まぁ、困った時は手助けをお願いしたいですけど。」
「うん、わかったわ。その時は任せて…ってあれ?」
お願いに了承してくれた後、福原さんはなにかに気づいた様子で階段に向かったため僕も後ろをついていくと、そこには悲しげな表情で階段の上を見上げる理上さんが立っていた。
「莉穂じゃない、どうしたの?」
「あっ!?お姉ちゃん。いや、何もないよ?」
福原さんから声をかけられこちらに気づいた理上さんは驚きながらもそう返事をする。
「そう?凄く動揺してるみたいだけど…」
「いや本当に…本当に何にもないよ。」
「そっか、わかったわ。」
僕からも何かを隠している様に感じたけれど福原さんが聞くのを止めたので僕も声をかけるのを止めた。
「それで、どうしたの?何か用事があったのよね?」
「あっ、うんそう。そうなの、昨日大和くんから明日は用事があるって聞いてたから時間大丈夫かなって思って…確か11時からだったよね?」
「え?いやまだ時間じゃないは…ず…」
理上さんの話を聞いて、時計を確認するとそこには10時
25分と示されていた。
「あっ…あぁっ!?」
電車を使って移動するため最悪でも30分の余裕を持っておこうと考えていたが、福原さんとの特訓で時間を完全に忘れていた。
「遅刻する!!ごめん、福原さん行ってきます!!」
「うん、気をつけてね。」
「理上さんもありがとう!」
「えぇ、どういたしまして。」
そうして、二人にお礼と謝罪をした後、目的地に大急ぎで向かい始める。
ここまで見ていたいただきありがとうございました!
すみません物語の進行が上手く行かず、予定より2日遅れとなってしまいました。申し訳ございません。




