チャプター10「消えた存在の行方」
歓迎会の後、裕也と多田は夜桜さんたちへと丸尾が消えた件について話していた。
「とこんな感じです。」
「みんなはどう思う?」
夜桜さんは話を聞いた後、一緒に聞いていた3人へと話を振る。
「うーん…正直な話をするなら、分からないわね…初めはデリメートかと思ったんだけど…」
「デリ…ん?ト?」
福原さんから聞いたことのない単語が出てきて首をかしげる裕也。
「デリメート、使うと自分の記憶を他の人から消すことができるアイテムなの。まぁ、その人と深い関係なら効果が薄くなるデメリットはあるんだけどね。」
裕也の反応を見て理上さんが簡単に教えてくれる。
「そんなアイテムが…」
「けど、俺たちでも緊急時の時しか使えないものを一般の…それも今までモンスターや他の次元を知らなく平和に過ごしていた子が使えるとは思えないってことだな?」
「えぇ…それならまだ他の次元の奴らに連れ去られたと考えたほうが可能性があると思う…」
続けて中川さんが話し始め、福原さんはその考えを肯定する。
「そうだな、俺もそう思う。だから可能性としては、別の次元の奴と遭遇し連れ去られ、その証拠の隠滅のため存在を消された。または元々何かしら他の次元と接触をしていてデリメートを使える状況であったか、その他分からない何かが起こった…この3つのどれかだと思う。」
2人の考えを聞いて夜桜さんがそう考えを話す。
「ねぇ、大和くん多田くん、丸尾くん?って子について何か最近おかしなことがなかった?2つ目はともかく残りの2つであっても何か異変はあったかもしれないの…」
「変化といってもそんな…」
理上さんが質問されて裕也は困惑しながら考える。
(ん?そういえば…あの時…)
初めてのゲート災害が起こる前日、多田や丸尾と一緒にファンタジー現象を見に行った日の電車の中での事を思い出す。
※プロローグ「日常」の一部分
「勉強熱心だな。」
「あぁ、忘れる前に復習ぐらいはしとかないと。」
教科書を読みながら多田はそう言う。
「それに頑張らなきゃそこの頭いいやつに追い抜かれてしまうから必死さ。」
多分カメラとかファンタジー現象を見に行く用の道具が入っているのであろう、パンパンなリュックを背負いながら、ケータイをじっくり見ている丸尾へと視線を向け多田は話す。
「はは、たしかに。」
(そういや丸尾って一年ぐらい前からあまり勉強している姿見なくなったけどどうしたんだろ…まじめで一週間に2回ある学校の勉強会には必ず出てたのに…)
そう考え裕也は丸尾に視線を向ける。
(ファンタジー現象を見に行ってるとか…?いや…現象が起こり始めたのが5ヶ月前だしそれはないか…
まぁ、今でもクラスの中で上位3位以内なんだから別に心配するほどではないんだろうけど…)
「一つ思い当たる節がありますね…」
「本当か?」
「えぇ…」
そうして裕也は一年前から丸尾が勉強をする姿を見なくなったことを話す。
「そういや、その頃から放課後に遊ぶことも少なくなってたよな。」
「そうそう、何かあったのかなと思ったけどあまり気にしてなかったんだよな。」
それを聞いて多田も思い出したことを話す。
「じゃあ、その間に何があったって考えたほうがいいのかもしれませんね。」
「うむ、確実とは言わないがその時に何かあったと考えたほうがいいだろうな。」
僕たちの話を聞いて理上さんと中川さんはそう話す。
「よし、わかった。話をしてくれてありがとう。こちらでも調査の方を進めておくから何か分かればすぐに伝えるようにするよ。」
「はい、お願いします!」
「うん、それじゃあそろそろお開きとしよう。明日からは今でとは違って忙しくなるだろうから今日はゆっくり休んでくれ。」
そうして裕也たちは事務所を出て家へと帰る。事務所から外へ出るともう日は沈み、街は暗闇に包まれていた。
丸尾の身に一体何があったのか…今はまだわからない…
裕也たちは謎を残しながらも明日からの事を考え早めに休むのであった。
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