チャプター9「歓迎2」
暗闇に包まれた相談室で裕也と多田を迎えたのは2人を歓迎するサプライズ歓迎会だった。そして歓迎会は乾杯の音頭と共に賑やかな声が響き始める。
「うっ!?」
歓迎会が始まり裕也は用意されているご飯を口に入れた瞬間そんな声を出す。
「どうしたの!?」
隣でご飯を皿に移していた福原さんが慌てて声をかけてくる。
「とっ取り敢えず、お…お茶!莉穂お茶を頂戴!!」
「うっ!うん!」
「ほっ…ほら早くだし…」
そうして理上さんはお茶の準備、福原さんは背中を叩き始める。
「すっ…すみません…福原さん…」
「…?」
そうして背中を叩いている福原さんへと謝罪して食べていた体制から起き上がり、裕也の反応に戸惑っている福原へと向き合う。
「美味しすぎて驚いただけ…です…」
「なっ!?はぁ…慌てて損した…」
その言葉を聞いて姉妹2人は肩をおろす。
「ははは、喜んでもらっているようで良かったよ。」
「あっ、中川さん。」
そこには笑顔で立っている中川さんが立っていた。
「こうやってしっかりと話すのは初めてだね、俺は中川道山だ。ここで戦闘員兼料理人をやっている。これからは仲間同士よろしくな。」
「はい!僕は大和裕也です。よろしくお願いします!」
そう言って立ち上がり中川さんと握手をする。
「ん?料理人?」
ふとさっきの自己紹介で言ってたことを思い出す。
「あぁ、そうだ。」
「今日の料理…というか事務所の料理は中川くんが作ってくれてるんだよ。」
裕也の発言を聞いて隣から福原がこそっと教えてくれる。
「えっえぇ!?」
「はは、いい驚きっぷりだな。」
(って驚いたら失礼だろ!)
「すっ、すいません!」
そうして中川さんへと謝罪をする。
「あはは大丈夫大丈夫、気にすることないさ。実際ガタイが良く、厳つい顔をしているからな。よく驚かれて慣れているんだよ。」
(わかってはいるけど、人を見た目で判断するのはいけないな…)
「そうだこれ、食べてみてくれないか?俺の自信作なんだ。」
反省をしていると、中川さんはそう言って、取り分けた料理を皿に乗せて渡してくれる。
「あっ、ありがとうございます。では…」
「…ん!美味しい!」
一口食べた瞬間美味しさのあまり笑顔があふれる。
「はは、いい表情でじゃないか。これは作り甲斐があるね。さぁさぁ、沢山あるからどんどん食べていってよ。」
「はい!いただきます!」
更に中川さんが取り分けてくれた料理を受け取り食べていく裕也。
「ちょっと、私にもさっきの自信作ちょうだい!」
「ちょっとお姉ちゃんそんな身を乗り出したら転けちゃうよ!!」
「裕也、こっちのポテトサラダいるか?」
「ありがとう多田!こっちのチキンと交換しようよ!」
「ほら中川、お前もそろそろ食べろ。こっちに取り分けてるからさ。」
「そうだな、サンキューユウト。」
そんな感じで始まった歓迎会は楽しく時間が進むのも早く感じられた。
それから1時間程の時間立ち殆どの料理が無り歓迎会も終わる頃、2人で話していた裕也と多田は夜桜さんから声をかけられていた。
「どうだ?2人とも楽しめたか?」
「はい!すっごく楽しめました。わざわざありがとうございました!」
そう言って裕也は礼をする。それに合わせて隣にいた多田も一緒に礼をしていた。
「いい、いい、そんなかしこまらなくても。でも楽しめたようで良かったよ。」
笑顔で夜桜さんはそう言う。
「それで本題なんだが、会議の後に話そうとしてたこと聞くよ。この前連絡をくれた時に話していた丸尾って子についてだろ?すまないがもう一度詳しく聞かせてほしいんだ。」
実は丸尾宅に行ったあの日の夜、夜桜さんへと事務所訪問の日を確認するため連絡を取っていた。多田と話をして、その際に丸尾とその家族が消えた事、そして周りの人々が丸尾についての記憶を失ったいたことについて話をしていた。
「はい、わかりました。」
裕也は夜桜さんの話を聞いて返事する。
「よし、それじゃあ頼む。すまないが理上に福原、中川もこっちに来て聞いていてくれ。みんなにも聞いてほしい話だからな。」
裕也の返事を聞いて夜桜さんは片付けに取り掛かろうとしていた理上さんたちへと声をかける。
「おう、了解。」
「ん?わかったわ。」
「えぇ、わかりました。」
それぞれ返事をして3人はソファーへと座る。
それを確認して、裕也と多田は丸尾宅に行った時の事を話し始める。
賑やかだった歓迎会は終わり、裕也と多田はずっと聞こうとしていた、2日前の丸尾が消えた件について夜桜さんたちへと話し始める。
ここまで見ていただきありがとうございます。次回もよければ見て行ってください!




