チャプター2「約束」
夜桜さんから加入の条件は親の了承だと聞く裕也。その後は、夜桜さんの送りで家まで帰り、玄関で家族に出迎えられていた。
その後、母が満足するまで静かに待ち、
翔太が「兄ちゃんも疲れてるだろうしそこまでにしよ」と言ったことで母は僕から離れる。
その後は母が二人で話をしたいからと翔太と友香はそれぞれ自身の部屋へ戻る。
裕也と母はリビングへと移動していた。
「それで何?」
「っ!!なんの…こと?」
急に母からそんなことを言われ驚く裕也。
「私に何か話そうとしていたんでしょ?隠しても無駄なのはわかってるでしょ?」
そう言いながらウィンクする母。
「うっ、流石だね。お母さん…」
「そりゃそうよ何年貴方の母やってるのと思ってるの。」
「…」
そう言われ裕也は言葉を詰まらせる。そう、親不孝なことをしようとしているのだから…
「…あの災害に関係あるのね?」
「っ!!…そんな…ことは…」
「誤魔化さなくてもいいわよはやく言いなさい。」
「うっ…」
母に追い詰められる裕也。
「わかった…」
「お母さんは名もなきの青年って知ってる?」
「…」
その言葉を聞いて、数秒沈黙する母そして…
「えぇ、それがどうしたの?」
「じゃあ知ってるよねどんなことをしているのか…」
「えぇ…」
裕也がそういった後母の声のトーンが下がる。
「今日その人たちに会ったんだ。」
「っ!!」
表情が悪くなる母を見ながらも話を続ける。
「それで…」
「…」
「僕も仲間に入れてほしいと言ったんだ、それで、そこのリーダー…夜桜さんって言うんだけどその人がお母さんに許可を」
「駄目よ…そんなの駄目に決まってる!!」
「っ…」
「言ったわよね私!危険なことには首を突っ込んだら駄目だって!もしかしたら死ぬかもしれないのよ!?」
「うん…それでも僕は戦いたいんだ。」
真剣に母の目を見て、はっきりと伝える。
「っ…」
僕の話を聞いて母は言葉を詰まらせる。
「でも、駄目なものは駄目!確かに裕也は他の人よりも身体能力はあるかもしれない…だけどそれだけじゃあれには太刀打ちできない!!」
「確かにそうかもしれない…だけど…運命にも感じたんだ、あの人達とならこの災害だって解決出来るかもしれ…うんん、解決することができる。」
「そんなの裕也がいなくても…」
「うん、だけどあの人たちのもとでいれば強く…そして、より多くの人を救うことができる…かもしれない。」
「…」
返事はなく、静かな時が過ぎる。そして…
「どうしてそこまでして…」
と悲しそうに質問をする母。
「わからない、記憶には無いけれど、でもたしかに、憧れた人がいて、その人みたいにみんなを守れるように強くなりたいって…願ったんだ。」
と夜桜さんに伝えたことと同じ思いを母にもぶつける。
その言葉を聞いた後、母は肘をテーブルにつけ目を手で覆う。
「どうしても駄目なの?」
「うん…」
そして数秒の沈黙の後、再び母が話し始める。
「…裕也、目をつぶりなさい」
「え?」
「いいから」
「?わかった…」
そうして母の言う通り目をつぶる。
(一体何なんだ?)
そして10秒ほどたった時、
「そう…」という母の声が聞こえる。
そして椅子が動く音がなったと思えば再び母が抱きついてくる。
「お母さん!?」
驚き声を上げていると母が再び話し始める。
「わかったわ…裕也がやりたいと思うことを思い存分やって来なさい…」
そう涙ぐんだ声で話す母。
「っ!!お母さん…ありがとう…」
自分の思いを抑え、僕の思いを尊重してくれた母に感謝してお礼を言う。
「でも…これだけは約束して…絶対に生きて…わかった…?」
そう切実に願う母に
「わかった、約束する。」
と約束する。
その後、裕也は部屋に戻り、眠りにつく。
ーー富田森市:大和宅庭ーー
午前0時。大和仁美はベンチに座ってビールを飲みながら夜の風を浴びていた。
「…来たわね。」
「気づくのが早いな。」
仁美の後方から、フードを被ったユウトが近づいてくる。
「まぁ、来ると思ってたからね。」
その言葉を聞きながら、仁美の隣へとユウトは来てベンチに座る。
「いる?」
そう、いいながら仁美はビールの缶をユウトに向ける。
「飲めないの知ってるだろ?」
「うん、知ってる。」
そう言って2本目の缶をあける仁美。
「初めてじゃないか?」
「え?」
「子供が産まれてからは酒飲んでないって言ってたじゃないか。俺、仁美が飲んでるの初めてみたぞ。」
過去を思い出し、ユウトは話す。
「えぇ、だから今日だけよ。」
とだけ言い、再び缶に口をつける。
「…」
何故飲んでいるのか身に覚えがあるユウトは少し沈黙する。
「それで?何があったの?まぁ、なんとなくは分かるけれど。」
と仁美はユウトに聞く。
「…それは。」
そうして、ユウトは河内短野市で起こった災害と、そこで裕也も戦っていて黒幕と鉢合わせたこと、そして夜桜事務所に入りたいと言ったことを伝えた。
「すまなかったな断れなくて…」
「いいわよ、裕也が決めたことなんだから…それに、私も良いって言ってしまったしね…」
そう言って、許してくれた仁美に気になっていたことをユウトは聞く。
「そういや、お前なら絶対に戦わせないと思ってたんだがどうして許可をだしたんだ?それもあっさりと…」
そう言って仁美に視線を向けるとそこには少し悲しそうな顔をしながら月を見ている仁美の姿があった。
「…っ!お前まさか!!み…」
ある可能性を思い出しユウトは声を荒げるのと同時に仁美がベンチから立ち上がり、話し始める。
「まぁ、なんたって裕也は私達の息子だから大丈夫かなってね!」
「おまえ…」
そう元気に言って、こちらに振り向く仁美が無理をして元気に振る舞っていることに気づきながらも、ユウトは大した返事が出来なかった。
「ふふ、そんな顔しないでよ。」
そんなユウトの心境に気づいている仁美は笑いながらそう話す。
「それよりも裕也に何かあれば…わかってるわよね?」
「うっ…わかってるさ…」
そんな仁美の圧力にひるみながら約束をするユウト。
少しの沈黙の後、ユウトが着けている腕時計が鳴り響く。
「っとそろそろ、時間だな…仲間を待たせてるから戻るよ。」
「えぇ、わかったわ。」
そう言って、ユウトはベンチから立ち上がり歩き出す。
「それじゃあな。」
「ええ、気をつけてね。」
「あぁ。」
そう言ってユウトは仁美の隣を通り過ぎ、。
(裕也のこと頼んだわよ…)
そうして仁美も家の中へと入っていく。
母からの了承を得れた裕也。これからは夜桜事務所の一員としてどんな日常を過ごしていくのだろうか…そしてユウトと母の関係とは一体…
ここまで見ていただきありがとうございました。
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