チャプター1「残ったもの」
裕也たちは夜桜さんから加入の条件を聞き、帰宅する。その後、夜桜事務所には数名が残っており…
「やっぱり、意識してたわね。」
裕也たちが帰った後、部屋に残っていた理上と福原は話をしていた。
「うん…」
先程、部屋へと戻って行った赤坂の事を思い出す。
「まぁでも、仕方ないよね。あんな事があったんだから…」
「えぇ…でも、もしかしたら…」
「?」
理上は続きの言葉が気になり、福原へと視線を向ける。
「あの子なら…大和君なら…何か変えられるかもしれない…」
「………ふふ」
そんな話を聞いて理上は笑みをこぼす。
「え?何?」
ソファーに寝転びながら話をしていた福原は反応が気になり、起き上がって理上の方へと前のめりに体を出す。
「いやお姉ちゃん、大和君のこと結構、買ってるんだなって思ってね。」
「あー、まぁ…ね。」
返答を聞いた後、福原はそういいながら寝転び直す。
「なんでなの?」
「んー…助けてくれたってのが大きいけど…」
「けど?」
「優しい?というか、お人好し?というか、自分を顧みず人を助けるのよね。」
「あの、大怪我のこと?」
理上は帰ってきた裕也が負っていた背中の怪我の事を思い出す。
「ええ、あの時本当なら簡単に避けれたはずなのよ、なのにそんな彼は助けるのを優先した。まぁ、死んじゃったら元も子もないからそこらへんはしっかりと対策を教えていかないとね。」
「うん、そうだね。帰ってきて怪我を見たときゾッとしたからね…」
「っと、話ズレちゃったわね。まぁ、そんなこともあって、赤坂の深くに出来た大きな傷を埋められるんじゃないかって期待しているのよ。」
「…なるほどね。」
「後、単純に強い。」
「そうなの?」
「うん、基礎を知らないからそれほどにしかなっていないけれど、それでも私と同じぐらい…いや、それ以上の力を持ってる。」
「へ!?本当にこの世界の子なの!?」
福原の評価に驚き、声を荒らげながら福原に聞く。
「ええ、簡単に質問してみたけど、この世界の子ぽかったわよ。」
そう冷静に返す福原。
(まぁ、何か持っているのは確かだろうけどね…)
そうして福原はあの戦いの後話したことを思い出す。
ーーー
「さっきのあれなんなの?」
「え?」
ユウトたちと一緒に帰っている最中福原は大和へと質問をしていた。
「あれよあれ、モンスターの攻撃どこに飛んでるのか知っているかのように避けていたじゃない。」
「あぁ…あれか…」
そう言って大和は頬をかきながら話し始める。
「それが…僕にもわからないんだよな。」
「わからない?」
首を傾げる私を見て大和は続ける。
「あぁ…よくわからないけど。戦いの途中…脳裏に声…?が聞こえて…それに沿って体を動かしていたら全て避けれただけだし…」
「へぇ、それってずっと聞こえるの?」
その話しに興味を持ち更に大和へ質問する。
「うんん、さっきの戦いだけだよ?それにもう聞こえないし。」
「そうなの…」
ーーー
「へぇ、そうなんだ。」
「ええ。」
理上の声が聞こえふと福原は返事をする。
「まっ…」
「?」
「まず、加入できるかできないかが問題だけどね。」
「あー、そうだね。」
話し終えた2人は窓の外を見て、裕也と多田のことを頭に思い浮かべる。
ーー夜桜事務所:個室ーー
赤坂はベッドの上で横向きに寝転び、棚の上に飾られていた一枚の写真をみていた。
「…」
『すまな…い…な…し…ど…』
「っ!」
ふと過去の記憶が蘇り、体を大きく震わせ額からも汗が吹き出す。
「もう…お前みたいな奴は絶対に出させねぇ…」
そう言って赤坂は写真に背を向け、目をつぶる。
ーー富田森市:大和宅周辺ーー
「ありがとうございました。」
裕也はそう夜桜にお礼を言う。
「いいさいいさ、こんな時間まで引き止めてしまったのはこちらだしな」
ふと目に入った、店の横にある時計は10時を示していた。もちろん周りは真っ暗だ。
「じゃあ、気をつけてな。それと返事はいつでも言いに来てくれればいいからな。」
「はい、わかりました。それでは…」
そうして裕也の元から車は走り出し、視界から消えていく。
「さて…帰るか…」
そうして裕也は歩き出す。
ーー富田森市:大和宅ーー
玄関への扉を開き裕也は家へと入る。
扉が開いた音に気づいたのかドタバタと慌ただしい足音と共に2人のが玄関へと姿を表す。
「あー、ただいま。お母さん、翔太…」
そう言った後バツが悪く頭をかきながら顔をあげる。
その瞬間、裕也!!という声と共に、母に抱きつかれていた。
「よかった…無事でよかった…」
抱きつくお母さんの腕は震えていた。
「お母さん…ごめん…」
「本当だよ、母さんもだけど、俺たちも心配してたんだからな。」
そう言って翔太も近づいてくる。
その後ろには柱に隠れながらちらっとのぞいている友香の姿もあった。
「うっ…すまん」
と2人にも謝罪する。
「もう、危ないことには首をツッコまないで…何かがあったら私は…」
「…」
そんな母の言葉に、裕也は返事をすることは出来なかった…
赤坂が意識していたものとは、そして彼が裕也を激怒する理由とは一体…
ここまで見ていただきありがとうございます。
良ければ次回も見ていってください!




