第2章 エピローグ「名もなき青年」
絶体絶命のピンチに陥った裕也と福原の二人だったが、謎の援護や二人の救援により、モンスターの撃破へと至った。
「赤坂、みんなを頼む。俺は周りに人がいないか確認しに行ってくる。」
「あぁ、わかった」
モンスターの消滅を確認した2人は、そう話した後、一人は周りの捜索、もう一人が裕也たちの元へと近づいてくる。
「たく、またお前か…こんなボロボロになりやがって…」
「あ…なたは…」
そう、近づいて来た青年は夜桜事務所で出会った青年だった。
「とりあえずこれを飲め、座ってるだけでもきついだろ…」
(なんてやつだ、普通の奴なら死んでてもおかしくないぞ…)
と液体…いや、ポーションを差し出す。
「あっ、ありがとうございます」
と裕也はお礼を言った後、ポーションを受け取り飲み始める。
その様子を見て青年…赤坂さんは福原の元へと向かい、ポーションを渡している。
福原は飲んでいる最中、周りを捜索していたもう一人の青年が帰って来ていた。
「どうでした?」
「どうやらここら一体にはもういないみたいだ」
「そうですか、よかった…」
と青年の話を聞いて安心する赤坂さん。
そして赤坂さんと話を終えた青年は福原へと話しかける。
「福原よく耐えてくれたな」
と青年は励ますように肩を叩く。
「いえ、彼がいなかったら耐えれてなかったので…それにアリアさんは逃してしまいましたし…」
「まぁ…それに関してはしかたがないさ…その話はまた後にするとして…」
と語りかけている言葉を聞いていた裕也は
「いや、それは僕のせいなんです!福原に責任はないんです!!だから!」
と弁解するため福原と青年の話に割り込む。
「大和くん!?」
と驚く福原と
「君の?」
と冷静にこちらへと言葉を投げかけ、強い眼差しを向ける。
「はい」
と青年の圧力に押されながらも堂々と答える裕也。
暫く静かな時が過ぎ、ニカっと青年が笑顔になる。
「すまんすまん、別に福原を責めるつもりは無いさ。まぁ、でもその話は詳しく聞きたいから…俺たちについてきてくれるか?」
と話をしながらフードを取る青年。
「なっ!?あなたはあの時の!!」
「おう、またあったな」
その正体は2ヶ月前窮地から救ってくれた青年であった。
その後、戦闘中助けた男性を救急隊に預け裕也は青年、赤坂さん、福原へとついて行く。
「ここだ」
「へ?…………………」
「どうしたそんなに驚いた顔して…」
と様子がおかしい裕也を心配する青年。
「こいつさっきまでここにいたからなぁ」
と興味なさそうに話し建物内に入っていく赤坂さん。
「さぁ、はやく入った入った」と福原に背中を押され裕也は建物に入っていく。
ーー河内短野市:夜桜事務所ーー
事務所の中へ裕也たちが入るとそこには帰りを待っていたのか理上さんがくるくると歩いていた。
そんな理上さんは青年たちが帰ってきたことに気づき目をキラキラと光らせながら
「みんな!!おかえりなさい!!」
と笑顔で迎え近づいて来る。
(そういや僕たち、理上さんが静止してたのに飛び出てしまったんだよな…)
と目を逸していると3人に話しかけている途中裕也に気づいたのか、裕也に近づき手を握る。
「っ!!」
一瞬怒られると思い目を瞑った裕也だったが、
「大丈夫!?怪我とかない!?」と言い、体中をぺたぺたと触られ戸惑う裕也。
「へ!?あの理上さん!?」
そうして確認が終わった理上さんは肩に手を置き
「本当に無事でよかった…」
とため息をつく。
「へ?」
「私が近くにいたのに止められなくて…無事なのか本当に心配したのよ!」
「すっ、すいません…」
と本気で心配されていた事を知り申し訳なくなっていると、
「…まぁ、結果オーライってことでさ、それより背中の傷おそらく治ってないからみてあげて」と福原が話に入ってくる。
「え?もうなんとも…」
と裕也はなんともないと話そうとするが福原に遮られてしまう。
「ポーションは確かに怪我を直せるけど、あくまで薬で、病気や大怪我は直せない…万能ってわけじゃないの、今はポーションの効果で痛みが抑えられているけど今のうちに治療しとかないとそのそのうち体を蝕むよ」
「っ…」
そう福原に言われ、大和は素直に治療室へと向かう。部屋に入るとそこには途中で逸れた多田の姿があった。
「よっ、おかえり」
「多田!!無事だったのか!!」
「あぁ、あの後向かっている最中赤坂さんと鉢合わせてここに連れ戻されたんだよね。」
そう多田と会話をしていると準備を終えた福原と理上さんたちが部屋へと入ってくる。
その後、福原にベッドへ案内され、背中の治療を始めるのであった。
ーー10分後ーー
「はい、これで一旦おしまい」
と言う福原の声で治療が終わる。
「ありがとうございます」
治療をしてもらい起き上がった裕也は二人へとお礼をする。
「えぇ」
「どういたしまして」
と2人は返事をして片付けを始める。
(それにしても驚いたな…)
片付けをしている光景をみながら先程合った出来事を思い出す裕也。
治療中、福原の事をお姉ちゃんとなんども呼ぶ理上さんに疑問を浮かべ聞いた所、2人が姉妹であることが判明した。それも姉が福原…さん。それも28歳だという。ちなみに理上さんは22歳。
(理上さんの方が何もかも姉っぽい感じが…)
とその場で考えていたら福原…さんに睨まれ裕也は考えるのをやめる。
後、名字が違うのは、腹違いの姉妹だったからだとのこと。
「ふう、それじゃあ話に行くわよ。」
片付けが終わったのか福原さんが部屋へと呼びに来る。
「あっはい。」
そうして福原さんと多田と共に、相談室へと向かう。
「おっ、どうやら治療は終わったみたいだね。じゃあそこ座ってくれるか?」
と相談室へと入った裕也たちに向けて、ソファーを指さしながら青年は笑顔で話す。
「はい。」
と周りの空気に圧されてしまい少し緊張した裕也と多田は返事をして、顔を合わせた後ソファーへと座る。
向かいのソファーに座る青年、そしてその後ろには福原さんや理上さん、何故かピリピリしている赤坂さんと、ガタイのいい男性がいた。
(この人たちが探していた名もなきの青年なのか…)
裕也が周りの人たちを確認していると、向かいに座っていた青年が話し始める。
「改めてふたりともお疲れ様。俺がこの夜桜事務所の代表…夜桜ユウトだ」
「えっと、僕は大和裕也です。それでこっちが…」
「俺は多田春樹です。」
「あぁ、よろしくな大和、多田」
「はい」「よろしくです」
と簡単に自己紹介を終える。
「さて、それじゃあ早速だがあの場で何があったのか、そ話を聞かせてもらえるか?」
と早速夜桜さんが本題へと話題を振る。
「えぇ、わかりました」
と返事し、裕也は3ヶ月前月上に出会ったこと、そして今日再会してから、夜桜さんたちが救援に来るまでの事を説明する。
「なるほどな…まぁこれはしょうがないな」
と話を聞き夜桜さんは話す。
「ユウトさん!!」
と後ろで聞いていた赤坂さんが訴えかける様に名前を呼ぶ。
「だってそうだろ?全て偶然じゃないか。友人を守って何が悪いんだ?」
「確かにそこはそうですけど、そうじゃなくて、こいつらが身勝手な行動をして起こしたことですよ!!もしそんなことをしていなければ…」
とユウトさんに訴えかける赤坂さん。
「…」
気まずい裕也は静かに顔を下に向ける。
「確かにそうだけど、そのおかげで助かった命があることも忘れるなよ?」
「え?」
その言葉を聞いて裕也は驚き顔をあげる。
そして赤坂さんは言葉が詰まっていた。
「何を驚いているのよ。私達だって戦っているだけじゃなくて救援だってしていたのよ?」
と福原さんがぽかんとしている裕也たちに話す。
「俺たちも駅やシェルターにも向かっていた。そこで学生に助けられたって話を聞いてたんだよ」
と続いてガタイのいい男性が話す。
「そうだったんですね…」
と驚きながら言い、裕也と多田は互いに顔を向き合う。
「まぁ、そういうことだ。だけど…」
と再び夜桜さんが話し始める。
「戦場は何が起こるのかわからない。今回は運良く怪我で済んだが、もしかしたら大怪我…いや、死んでいたかもしれないんだ。いくら他の人より強いからと言ったって、君はこの平和な世界で暮らしてきた住人だ。このまま戦い続けるといつか…絶対に死ぬ。実際、あの場に赤坂と福原がいなければそうなってたかもしれないだろ?」
「はっ、はい…」
と裕也たちは改めて反省し、返事をする。
(…?君が?なんでこの人僕が他の人よりも強いことを知っているんだ?さっきは何があったかだけを話しただけで、戦いの内容は言っていないような…)
と疑問に感じた裕也は夜桜に視線を移す。そこにはちらっとこちらに優しい眼差しを向ける夜桜さんがいた。
その後、夜桜さんは視線を戻し話を続ける。
「まぁ、そういうことだから、これからはこんな無茶なことやめてくれよ?君たちは守るべき大切な住民なんだ。」
「…はい」
と二人は夜桜さんに向けてもう一度返事をする。
「うん、反省しているみたいだな。よし、それじゃあ話も終わったことだし、家まで送るよ。」
と夜桜さんは立ち上がり裕也たちを送る準備を始めようとする。
「ちょっと待ってください。僕…お願いがあるんです。」
と裕也は準備を始めた夜桜さんに声をかける。
「…なんだお願いって?」
と夜桜さんは振り向き話を聞いてくれる。
「僕を…僕を一員に入れてほしいんです。」
名もなき青年…夜桜ユウトたちと合うことができた裕也と多田。
裕也が夜桜ユウトに申し出たお願いはどうなるか…そして裕也たちの運命はこれからどうなって行くのであろうか…
第2章 交わる運命編完結
ここまで見ていただきありがとうございました!
次回から始まる第3章「エムルカラン編」もよければ見ていってください!!




